まよらなブログ

35章2話。

「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮Ⅲ」妄想話です。


更新遅くなって申し訳ありません。
やっと真祖戦に入りますが、前半はダラダラしゃべってます。



それでは、興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。


35章2話
-----------------------------------------


 扉を開けて、部屋に足を踏みいれ、・・・一歩また一歩と慎重に足を進めていく。静かな灯りがともる部屋の奥に、誰かが鎮座している。それに気がついたアヴィーたちは、一斉に武器に手をかけた。
「・・・お前たちは、僕の希望通り、あの姫に供物を捧げ、人としての命を取り戻してあげたのだな。」
 そう部屋の奥で語るフカビトは、今まで見たどのフカビトよりも威厳に満ちている。子どもの姿から青年の背丈と顔つきに変わっているが、
「・・・君は、真祖・・・だよね。」
 アヴィーは質問と言うより確認をした。いかにも、と真祖は頷く。
「姫は人の身体に戻り、姫に寄生していた僕の力は徐々に戻りつつある。それに伴い、僕の姿も本当の己のものに戻ったのだ。」
 真祖は部屋の見回すように腕を広げ、
「ここは、フカビトが神と交信せし場。僕の力が戻ったとき、神の命を受け、フカビトを指揮す。人の仔を狩り、世界樹を滅す為。お前たちを倒し、完全に戻った力で神の命を再度受けよう。」
 部屋の壁画が淡く光る。地下から地鳴りのような揺れがした。まるで、フカビトの神・・・【魔】と呼ばれる存在が返事をするかのようだった。
「・・・気をつけて。彼は、怖い思いを思い出させるらしいから。」
 アヴィーは鋭く、レグルスたちに警告を出した。視線は真祖に向いている。真祖は目を細めた。
「・・・以前会ったときと顔つきが変わったな、人の仔よ。あのとき、共にいた者たちは、今日は一緒ではないのか?」
 アヴィーは自分の頭の中を見つめる誰かの目を感じとり・・・、己の体の中にあるエーテルを練り固めた。そして、自分の頭の中に生じた不確かな目に向かって、そのエーテルの礫を放つのだ。アヴィーにとって、見えないが存在する「目」にエーテルを放つことは造作もないことだった。真祖が片目を思わず閉じた。
「僕の記憶を探ったって、無駄だよ。」
 アヴィーは淡々と告げた。
「僕の仲間が死んだり怪我をしたときの記憶を、引きずり出そうとしたんでしょう?僕の仲間は死んだりしていない。それで、ここにいないんじゃない。無いモノは引きずり出せないよ。」
 アヴィーは、じっと真祖を見つめる。その目こそ、真祖の真意を覗こうとする深みがあって、真祖は奥歯を噛みしめた。
「・・・君は、怖さを知っている。人が何に恐怖するか、何で悲しくなるかを知っている。・・・それはつまり、僕らと同じものに恐怖できるってことだよね。」
「・・・・・・何が言いたい?」
「君は、僕らを餌だというけど、僕と君たちはそんなに違う存在なの?お姫様と友達になったんでしょう?それを諦めていいの?悲しくならないの?」
 分かり合うことは出来ないの?とアヴィーは静かに問いかけた。それは囁き声だったが、確かに神殿に響くのだ。嘲笑するかのように、地下の地鳴りは小刻みに響く。だが、真祖は目を伏せ・・・やがて目を上げ、一度閉じた。
「・・・姫への思い、海都支配の目論見。僕は己の二律背反に苦しんだ。」
 正確には矛盾と言うべきか・・・と真祖は苦笑する。
 二律背反。もしくは矛盾。それはつまり、
「・・・君も迷っているの?」
 アヴィーが問いかけた。君も、と聞く以上、僕は迷っているんだよ、と伝えてもいた。真祖は首を振った。
「・・・だが、お前たちがそれを止めた。かくして姫君は救われ、僕は全能の父、異海の母へと戻った。」
 お前たちが止めたのだ、と真祖は目を開けて再度告げた。視線はまっすぐアヴィーに向かう。
「姫が救われ、僕もこの姿に戻った。迷うことはない、はずだ。」
「でも、お姫様はまだ・・・苦しんでいる。」
「力の流れが生じているのは感じている。姫の身に馴染んだ力の一部が、僕らの神の力を姫に送信しているのだ。それは・・・、神から生じた力だが、僕が存在している限り、増幅されて姫に伝わる。姫を今の苦しみから救いたいのなら、」
 真祖は腕を広げた。
「僕を倒せ。僕を倒せば、神の力の干渉は和らぐ。僕は姫が救われたことを喜びながら、打ち倒されよう。僕を倒せぬのなら、僕はお前たちを喰い、そして海都を支配し我らが神を復活させる。我らの悲願が達成されることを喜びながら、お前たちを打ち倒そう。どちらかを選ぶしかないにしても、どちらも僕の願いでもある。」
 どちらにせよ僕の勝ちだ、と真祖は笑った。勝手だ、とアヴィーは吐き捨てた。強がりだ、とレグルスは囁いてから非難した。
「・・・あなたの身の処し方を、勝ち負けに委ねるのですか。貴方が強ければ貴方の神が勝ち、貴方が弱ければ姫君が救われる。そこにあなたの力はあっても、意志はない。あなたは戦っているようで、状況に流されているだけだ。」
「それに何の問題があると?単純明快な話だ。お前たちが強ければ、姫も海都も救われる。お前たちにとっても問題はないと思うが。」
 それに、と真祖は苦笑した。
「これほど単純な勝負ならば、お前たちも余計な『迷い』など抱かぬだろう?迷いは恐怖になり、恐怖は僕の贄だ。お前たちにとってこそ、有利な条件かと思うが。」
「・・・・・・、迷いは、恐怖にしかならないのでしょうか?」
 レグルスはアヴィーに問いかけた。アヴィーは「僕はそうは思わないけど。」と言ってから、真祖を見た。
「・・・・・・、でも、君はもう、迷って苦しみたくないんだよね?」
「おかしなことを聞く。当然であろう。」
「・・・でも、苦しまなきゃいけないときもあるんだよね。何か選ばなきゃいけないときは、尚更だよ。大切だから苦しむことだってある。」
 アヴィーは息を吐いた。そうやってカリーナは国に帰ったのだし、自分たちも彼女を見送ったのだ。あの「さよなら」は辛かったけれど、・・・辛さは彼女が大切だったからだ。二度と味わいたくはないが、無かったことにはしたくない。
「迷い続けることも、迷って苦しくなることも、戦いだよ。」
「しかし、迷いは何も生み出さぬ。僕の迷いを止めたのはお前たちで、今、新たな局面を生み出そうとしている。」
「・・・・・・、状況を変えたのは僕たちだ。でも、」
 アヴィーは静かに続けた。
「・・・君が迷っていたから、僕らが状況を変えられた。君は矛盾に苦しみながら迷っていたから、僕たちが状況を変えられた。だから、迷いは何も生まないとは、僕は思わない。」
「・・・やはり、お前と僕は分かり合えないようだ。」
 真祖は薄く笑う。
「それとも、時間稼ぎか?本来の仲間がいないための不安か?」
「・・・僕の不安を覗けるのに、僕の不安の中身を君は分かっていないんだ。」
 やはり分かりあえないのかもしれない、とアヴィーは感じた。不安と希望が決して交わらず、しかし同時に存在することを、この真祖は理解しないのかもしれない。アヴィーは足を軽く開き、両足で石の床を踏みしめた。
「僕の仲間たちは戦っている。自分の出来ることのために戦っているから、ここにいない。」
「僕はずいぶんと軽く見られたものだ。今から行うことは、世界の命運すらかかっている戦いだぞ。」
「そうだね。」
 アヴィーは頷いた。
「でも、みんな戦っている。心のどこかで、これで良かったんだろうかって思いながら。後悔とも戦いながら、戦っている。僕も、君と戦う以外の方法はなかったのかっていう後悔とも戦うよ。だから今の僕は独りじゃない。僕には、皆、いる。」
 アヴィーが背中の翼のような機械を広げた。臨戦態勢になったアヴィーと他の人間たちを見て、・・・真祖の方が安心した。それでいいのだ、と真祖は安堵の息とともに呟いた。後は力で決めるだけなのだから。
「では終わりにしよう。お前たちの苦難に満ちた冒険の旅はここで結末を迎えるのだ。」
 言葉を終えると共に、真祖の身体は膨張を始め、あっという間に強大な化け物へと姿を変える。もう戦うことを決めていた一行は。それを見ても焦らず、冷ややかに刃を真祖へと突き出した。
 その真祖たるモノが、名状し難き怒号を上げて戦いが始まった。


 山のようだ、とオリヒメは思いながら、真祖だったものを見上げる。肩が大きく盛り上がり、頭部は身体の中心に埋まっている、肩(?)から腕(?)は甲殻で覆われ、おかしなくらい太くなった腕の先端には巨大爪が生えている。同じような爪は肩の根本からも数本伸びており、爪の先は地面についている。その複数の爪を使って、身体を支え、移動もする。まるで蜘蛛の足のようだ。頭部の下に二本の足があるが、肥大化した上半身を支えるには、複数の爪が必要らしい。数本の触手が伸びているが、それらが肥大化して機能をなさないだろう指の代わりなのだろうか。身体の中央にある頭部には、真祖の面影のある顔もある。だが、それはほとんど魚の様相で、知性も意志も感じ取れない。
 そこにいるのは、ただの力だ。しかし頭部の瞳も爪も触手も、すべては一行を向いていた。向かう先を知っている力。
「・・・催眠や麻痺の技も使ってくる可能性があります。ミツナミ、準備を。アヴィーを最優先に回復するように。星術には集中力が必要ですから。セルファは、オリヒメを優先して護りなさい。このメンバーで最高攻撃力を保持しているのは彼女ですが、あの真祖への接近が必要になります。」
 レグルスが指示・・・というより命令をくだした。二人は「了解しました」とあっさりと返事をした。アヴィーはエーテルを圧縮し始めている。
 真祖(だったもの)の腕が不意に上がる。「散開!」とレグルスが叫び全員が飛び退いた直後に、真祖はその爪を突き出した。巨大な爪は一行のいた中心部に突き刺さり、石の床を砕く。
「横に回ります!触手を弾いて!」
 真祖の真横に飛んだオリヒメが二刀を抜き、そのまま攻撃に転じながらセルファに告げた。セルファが盾を構えて、真祖に接近。オリヒメを小蠅のようにたたき落とそうとする触手を、盾で逆に弾いた。
 真祖は床から爪を引き抜き、口を開けて吼えた。目を見開き、顔には皺が刻まれ、苦しげに吼えた。
 アヴィーが圧縮していたエーテルが揺らぎ、暴発を怖れたアヴィーは圧縮を解除する。自分が集めていたエーテルが揺らぐほどのエーテルが、今この場に流れ込んできている。
 ミツナミもエーテルの動きを察したらしい。腰のポーチから包みを取り出し中身を周囲に巻いた。香辛料らしく、鼻の奥がツンとする。
「伏せて!」
 刺激のある香りの中、アヴィーが全員に向かって叫んだ。レグルスはそれに疑問も抱かず従い、ミツナミはスハイルの足を引っ張って伏せ、触手を切り落としたばかりのオリヒメは伏せることもできなかったので、オリヒメと真祖の間にはセルファが盾で割って入った。真祖の身体を中心に、円のように雷が迸る。
 バリンッ!と割れるような音とともに、それぞれの頭上(もしくは盾上)を電撃が走っていった。直撃しなくとも、電撃の影響で身体の奥が灼きつき、痺れが走る。脳の方にも電流が走り影響を受けたのか、意識が朦朧としたり在るべきでないモノが見えかけたりもする。だが、呼吸をすると刺激臭が鼻を喉に突き刺さり、意識や現実感が戻ってきた。
「・・・幻覚が見えました・・・。厄介ですね。・・・防げますか?」
 レグルスが呟き、ミツナミに視線を向けた。ミツナミが素早く答える。
「もう一度、香を撒きます!覚醒効果があります!異常を感じたら、吸ってください!」
 レグルスへの答えというより、一行への周知だ。返事こそないが、全員が了解して動き出す。(スハイルだけが「ぴよ!」と律儀に返事をした。)もう一度、ミツナミは刺激臭のする粉を撒いてる中、オリヒメが真祖と間を取りながらレグルスとアヴィーの中間まで戻ってきた。
「・・・真祖の爪を折ります。」
 移動できなくなりますから、とオリヒメは小さく囁いた。手伝ってください、と彼女は言い、アヴィーもレグルスも頷いた。その頷きを受けて、オリヒメは身を低くして駆け出す。彼女を刺そうとする触手を二回かわし、かわされた後にオリヒメを追撃しようとする触手の頭をレグルスが剣で突き刺す。(もう一本の触手はスハイルが飛び回って妨害している間に、ミツナミが苦無を投げて床に突き刺した。)叩き潰そうとする腕からはセルファの盾が守り、アヴィーが氷を真祖の足下に生じさせて、その身を浮かす。重量のある身体をわずかに浮き上がらせた直後、アヴィーは氷を消失させた。身体が落ちてくるまでの一瞬で、オリヒメは真祖の足下に潜り込む。一本の黒い爪にねらいを絞る。二本の刀で斬りかかり、複数回斬りつけて、根本から斬り捨てた。
 真祖の体が、ぐらりと揺らいだ。


(35章3話に続く)

---------------あとがきのようなもの------------------

真祖戦、書けない書けない思い入れがないどう戦ったか覚えてない・・・
・・・と言いながらウィキや攻略本を見ながら、書き出しました。

なお、
1ターン目:
 真祖  :ソーンカッター
 レグルス :予防の号令
 セルファ  :ディバイトガード(オリヒメへ)
 オリヒメ :通常攻撃
 ミツナミ  :通常攻撃
 アヴィー  :エーテル圧縮
 (スハイル:召還ターンなので動かず)

2ターン目:
 真祖 :デスライトニング(予防の号令で状態異常は打ち消し)
 レグルス  :防御の号令
 セルファ  :ディバイトガード
 オリヒメ :五輪の剣
 ミツナミ :通常攻撃もしくは回復
 アヴィー :何らかの星術
 スハイル :お手伝いしてる   ・・・・・・とコマンド入力されているイメージです。


「予防の号令」は、「予防しなさい」と号令している感じがあれば良かろうと思い(笑)、
レグルスがミツナミに命じてるのが「予防の号令」ということでここは一つ。
あと、1ターン目のソーンカッターは、レグルスを狙うもパリィされたというイメージです。

スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する