まよらなブログ

【深夜の真剣文字書き60分一本勝負】に参加してみた・3

Twitterの「深夜の真剣文字書き60分一本勝負」に参加してみました。
(企画については こちら


書いた話は追記に記載します。
推敲してないので、いつにもまして誤字脱字激しいと思いますが大目に見てください。
興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。
なお、
 お題:「知らないみち」
 オリジナル
 カプ要素なし。っていうかモノローグ。


【第10回 フリーワンライ企画】

お題: 知らないみち


 好奇心は猫をも殺す。
 ……と言うけれど、好奇心がなくなったら私はきっと死んでしまうので、やっぱり「好奇心は猫をも殺す」のだ、―― 逆の意味で。
 私は小さいころから、『知りたい』欲求が強かった…ようだ。【未知】のものに対して「なぜ?」「どうして?」を繰り返し、親と教師を困らせてきた…らしい。相手が困っているかに、幼い私は気付けなかった。私にとって「なぜ?」の答えが与えられないことが、大人を困らせたことよりも重要だったからだ。大人から見たら、可愛げのない子どもだっただろう。実際、「大人が答えられないのなら、私が答えを自分で見つける」と可愛げもない選択をした。そして、今は研究者…の卵だ。
 もっと別の道もあったのだと思うし、まあ、今の待遇に不満がないわけでもない、ぶっちゃければ有り有りだ。でも、かわいげのない選択をしたのは幼いとはいえ私なのだから仕方がない。それにやっぱり、『知ろう』としていないと私はきっと死んでしまうのだ。私が『知ろう』と出来ない状態…というのも考えにくいが。もし。私が好奇心が持てないほどにこの世から【未知】が消えたら、答えで【満ち】たら、私はきっと死んでしまう。マグロが泳ぐのを止めたら死んでしまうのと同じで、きっと私は溺れるように死んじゃうだろう。好奇心は猫をも殺すが、好奇心が止まったらマグロも殺すんだ。
 ―― 答えを見つけたかったのに、答えを見つけようとする試行錯誤自体が私には必要になっている。
 そう気が付いて、思わず笑い、椅子の背もたれに身を預けた。机の上にはパソコンと、その隣にはクリップで止めたリスト。リストに書かれた論文について、著者名 (発表年)、 タイトル、 雑誌名、巻数、所在ペ―ジの順番でパソコンの中に打ち直していく。引用文献リストの作成。メモを、引用文献の『作法』に従って打ち込んでいく。非常に地味な作業だが、いざ論文を仕上げるときに、このリストが作成されているかどうかで慌て方は違う。私は身を起して、作業を再開する。
 私はこの地味な作業が好きだった。もう愛してさえいる。地味な作業は苦手なのだが、この作業は好きだ。
 引用できるような先行研究があるから、私たちの研究が成り立っている。そう思える瞬間だ。壮大な言い方をすれば、人類が今まで成してきた研究の積み上げの上で、私たちの研究はなされているのだ。…ああ!なんて胸が熱くなる瞬間だろう!研究者は孤独なようで、絶対に孤独じゃない。この私たちの研究が、もしかしたら失敗に終わるかもしれない実験も、次の研究者には重要なデータになる。無駄なことなど何もない。いくつもの小さな道程を得て、私ではない誰かがいつか答えに辿り着く……かもしれない。私の論文も、いつか誰かの研究の基礎になって引用されるかもしれない。……そう考えると、やっぱり胸が熱くなる。
 多分、私は『辿り着く』までの【道】が好きなのだ。好奇心を持っていられる時間が好きなのかもしれない。そう思えば、幼い「なぜ?」に答えをくれなかった大人たちは正しいのだ。答えを与えたら、私の好奇心は無くなってきっと死んでしまっただろうから。
 幸い、世界は広いので、私の「なぜ?」は死ぬまで続くだろう。きっと、私は『答え』で【満ち】ることを知らないまま死ぬのだろう。でも、それは幸福なこと。私は、先行研究という誰かの辿ってきた【道】を読み、その道とは別の方法で「なぜ?」の答えに近づく道を探すのだ。その【道】が、まだ誰も知らない【道】であるのなら、それは研究者としての本望だ。誰もやっていない方法で。誰も持っていない視点で。世界のどこかにある『答え』に近づく。「この方法ではない」という結果を得られるのだから、失敗だって答えに近づく。次の研究で、失敗した方法ではない【道】を選べばいいのだから。誰も知らない【道】はまだまだ沢山あるのだから。私の研究の結果を元に、私の思いもつかなかった方法で、私の知らない【道】を使って、誰かが答えを見つけ出せば、私の道もその『答え』への道に組み込まれる。そうやって、【未知】の海を泳いでいく。

 知らない【未知】の中を私は泳ぐ。
 知らない【道】を使って泳ぐ。
 知ったところで【満ち】はしない。私は【満ち】ることを知らないままで、泳ぎ続ける。

 それでも答えに近づいていることを、私はちゃんと知っている。



---------------あとがきのようなもの------------------

「みち」が平仮名なのには絶対に意図がある…!!と思って、書きました。
あと一個ぐらい【みち】を捻り出したかった。


(別のお題の「優しいおわり」が平仮名なのにも意図がある!と思いましたが、
 「終わり」と「尾張」しか思いつかなかったので、「みち」の方をチョイス。
 歴女だったら、多分「尾張だーー!」と思って書いただろうと思います。)



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