まよらなブログ

【深夜の真剣文字書き60分一本勝負】に参加してみた・28

Twitterの「深夜の真剣文字書き60分一本勝負」に参加してみました。
(企画についてはこちら )


書いた話は追記に記載します。
推敲してないので、いつにもまして誤字脱字激しいと思いますが大目に見てください。
興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。

使用お題は、
・そして僕は幸福の姿を知る
 ・幻獣夜話
     オリジナル話です。いつか、ちゃんと書きたい。

【第143回 フリーワンライ企画】
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 彼はこの「里」の主であり、この「里」の力の源で、彼女はこの「里」の管理者であり、この「里」への贄だった。

 この世界は一度大きく崩壊した。天から墜ちてきた石が、この星の地形を変え生態系も変えただけでは飽きたらず、「在り方」さえも塗り替えてしまった。「生物」がすんでいた世界と「幻獣」が住んでいた世界は、互いに響き合いながらも決して交わらず、鏡写しの平行世界だったというのに、両者の世界の間に「穴」を穿ったのも、天から墜ちてきた石のせいだった。
 「生物」の世界と「幻獣」の二つの世界は、響き合っていた。片方が豊かに実れば、もう一方の世界も豊かに実る。天から墜ちてきた石が、「
生物」の世界の地形を変え、文明を崩壊させ、信仰を途絶えさせたことで、「幻獣」の世界も大きく荒廃した。
 その時に、両者の世界に「穴」があることに気がついたのだ。
 二つの世界は繋がり、けれども大きく交わらず、それぞれの代表者がある結論にたどり着いた。
 天から墜ちてきた石によって滅びの道を辿る「生物」の世界だが、「幻獣」の世界を豊かにすることで、「生物」の世界をも立て直せるのではないか、と。「生物」の世界が復興することで、「幻獣」の世界も再び豊かに実り出すのではないか、と。
 そして、「幻獣」の世界に「生物」の世界の代表である「人間」が送り込まれてきた。彼が守ってきた「里」にも、一人の「人間」がやってきた。決して、若くはない女だった。飾り気のない女だった。もしかしたら、デリカシーというものもない女だったし、間違いなく「女子力」というものは皆無だった。
 だが、その彼女は、この「幻獣」の世界にやってきた彼女は、大きな二重の瞳を輝かせて、自分に手を差し出したのだ。綺麗な「里」じゃないの、とニコニコしながら。
 当時の「里」は、荒れ果てていた。意識を持っている「幻獣」は、彼だけだった。綺麗な「里」ではなかった。かつては「綺麗」ではあったのだが。
「すぐに綺麗な里になるよ。」
 と、彼女は影ばかりが存在する里を、丘から見下ろして言い切った。
「だから、私と一緒に頑張ろう?」
 ……そう言って、2年。「里」では、他の「幻獣」も再び生活を始め、花も咲き、実も結ぶようになっていた。


 「里」の管理者でもある彼女は、「巫」と呼ばれている。これは役職名であり、彼女の本名ではない。本名を名乗らない、という決まりがあるわけでもないし、彼女の方は「名乗るのは礼儀でしょうに」というのだが、「幻獣」たちは名を明かさないのが礼儀だと考えているので、「巫」と呼んでいる。
 その「巫」が呼んでいる、と子どもの姿をした「幻獣」に呼ばれ、彼…彼もまた便宜上「ライト」と名乗っていた…ライトは、門に向かう。門には、数人の「幻獣」たちが、一人の女性を取り囲んでいた。一人の、丁寧に髪を結い上げられ、化粧をさせられ(化粧を「した」のではない。「させられた」のだ)、仕立てのよい着物を着せられた(こちらも、「着せられた」のだ)女が、「綺麗だ綺麗だ」と「幻獣」たちに褒められていた。
 その女は、ライトに気付き、
「ああ、ライトさん。どうしよう、みんながこんな立派な着物を準備してたみたいで。…これ、「里」の大事なものなんじゃ……」
 と、話しかけるのだが、ライトはその言葉を無視してヅカヅカヅカ!と女の前に歩み寄り、
「…………、巫、か?」
 と、阿呆みたいに聞いてみた。女は、数回瞬きをし、彼女を取り囲んでいた他の「幻獣」たちが、一斉にブーイングをするのだが、それもライトは無視をして、
「君がそんなに飾り付けるなんて!正気か!?熱でもあるのか!?」
「正気だよ。みんなが、これ着て、髪を結わせて、化粧をさせて、っていってさあ、あれよあれよと……」
 ひらひらと巫は手を振りながら、「みんな、何を企んでるのよ。」と周囲の「幻獣」に聞く。「幻獣」たちは目を見合わせてから、
 巫とライトの背中をぐいいと押して、門の外へと押し出した。
「「……お??」」
「毎日、頑張ってる巫さんと、ずっと「里」を守ってきた龍神様に、休日という名の贈り物をしようってことで!」
「今日は二人でのんびりでかけて来い!」
「夜には帰って来てね。「影」はまだまだうろついてるんだから。」
「夜に帰って来いなんて逢引には物足りないが、まあ、接吻ぐらい交わして来いな?」
 と、その中でも年長の「幻獣」が片目をつぶって伝えると、子どもの姿をした「幻獣」たちは「きゃー」と黄色い声を上げ、そして
「じゃ!そういうことで!」
「「いってらっしゃい!」」
 と、容赦なく門を閉めた。
 自分たちの住まいから閉めだされる形になった、「管理者」と「主」は門を茫然と見つめながら
「……、妙な気を使われたな…。」
「逢引なんてねえ。」
 と、巫がくすくすと笑う。
「随分、久しぶりな気がするけど。こんな男前とするのは初めてだよ!」
「……、それはつまり、逢引自体はしたことがある、ということか?」
 ライトが唇を尖らせて問いかけると、巫はくすくすと笑ったままで首を傾げて見せるのだ。便宜的に、「幻獣」たちは「人間」の姿をとっていて、ライトは若い青年の姿でいて巫は30を超えているから、見た目は巫の方が年上で、その所為か彼女は本当に「年上」のように振る舞うのだ。正直、気に入らない、とライトは思うが、実際は遥かに年上であるライトはそれを表に見せることも気に入らず、精々、余裕らしきものを見せようとする。
「……「里」の者の折角の好意だ。逢引とまで行くかは別にして、のんびり出かけるとしよう。……といっても、「里」の中だけだが。」
「うん、いいんじゃない?散歩、好きだよ、私。この「里」の散歩は特にね。」
 ニコニコと、道の先を眺めながら巫は言う。彼女は、仕事としてやってきた「里」を故郷のように愛していた。それが、嬉しいとライトは思い…、
「……そうだ。杜若が咲いている。」
「うん?」
「いや、この前、南の沼の方まで行ってみたんだが…。杜若が咲き始めていた。そうだ、見ごろになったら君と見たいな…と思って………、」
 とライトは唇をくっと結ぶ。そのライトを巫がの下から覗き込むように見上げた。
「私と見たい、と思って?」
「煩いな!見に行くか!?」
「行くよ!行きたい!私も、見たいもの!」
 はいはい!と手を挙げて、巫は主張した。
「…だったら、あまり僕をからかわないでほしいんだがな。」
 むすっとライトが告げると、巫は「そう?」と微笑んでから、
「じゃあ、真面目に言うね。」
「ああ。………、ん?」
 ライトは鷹揚に頷いてから、はて?と首を傾げて、巫を見つめた。巫は、穏やかに微笑んで、
「綺麗なものは、あなたと見たいよ。」
 と、静かに告げるので、ライトは天を仰いでから、
「……だから!!からかうな、と言っている!」
「失敬だな、ライトさんは!私は真面目なのに!」
「そういう…、そういうことは……、言うなあ!とにかく、」
 ライトは巫の手首をつかみ、
「とにかく、行こう!枯れてしまっては、勿体ない!」
 と、巫の手を引いて歩き出し、巫は「そんなにすぐに枯れないよ。」と笑い、「枯らしたくないのは花だけじゃないんだよ!」とライトは叫ぶように主張した。



---------------あとがきのようなもの------------------

設定だけ存在している話を、書いてみました。
前半の説明に時間を取られ、本当に書きたい台詞までたどり着けなかったので
いつかブラッシュアップして、完成版をアップする…!

なお、杜若の花言葉は「幸せは必ずくる」です

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