まよらなブログ

一章 第三話。

先走った志水の「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮?」妄想話です。
一章の三話目になります。

この妄想話、
?のクリアから12年後、?のクリアから11年後、という設定で?を書いてます。
実は、簡単な年表も存在します。年表作成は基本だよね!? (笑)
では、興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。


では、前回の続きから。
年表どころか、本日お呼ばれする家の間取り図も作ったんですが、
そ ん な の を 作 る の も 基 本 だ と 信 じ た い 。


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一章 第三話


 突然上がった悲鳴の方を三人は見、そして女性が叫ぶのを聞いた。
「泥棒!」
 女性の視線の先には、走る青年がいる。その女性の荷物だろうか、巾着袋を奪って逃げる青年は市場の人々にぶつかり、たまに突き飛ばしたりしながら、三人がいる方向へと走って逃げてきた。
 ぱっと飛び出していったのはアヴィーだった。彼は引ったくりらしい青年を足止めしようとするものの、逆に突き飛ばされて尻餅をついた。マルカブは面倒くさそうにベルトに差していた短剣を鞘ごと抜き、鞘の方を引ったくりの足下を狙って投げつけた。円を描きながら鞘は飛び、ひったくりの足に見事に命中しその足をもつれさせた。カリーナがさっと飛び出して、引ったくりの青年に体当たりをする。ただでさえ転び掛けていた青年は、小柄なカリーナの体当たりにもよろめき、倒れるように転んだ。カリーナは引ったくりの背中に乗るようにして、それから巾着袋を取り上げた。
 わらわらと周囲の人も集まってきたので、カリーナは手近な人に引ったくりのことは任せ悲鳴をあげた女性を捜す。長い金色の髪を三つ編みにした、その女性はカリーナへ急いで寄ってきて、
「ありがとう!」
 ぺこりと頭を下げるのだ。カリーナは、お怪我はないですか?と心配そうに聞きながら、女性に巾着袋を渡す。カリーナが心配したのも無理はなく、その女性は大きなお腹の妊婦だった。
「ええ、ええ。大丈夫よ。私も、お腹の赤ちゃんも。」
 女性は巾着袋を受け取り、にこやかに答えた。そして、橙色のワンピースの上から大きなお腹を撫でながら、
「それより、お嬢ちゃんこそ怪我はなかった?それと、」
 と女性は、アヴィーを見、
「キミも。怪我はない?」
「あ、大丈夫です。」
 アヴィーは立ち上がりながら、尻の埃を払う。そんなアヴィーに、投げた鞘を拾い刃を収めたマルカブは
「船の時といい、お前はばっ!と飛び出しすぎだ。」
 と忠告をするのだが、アヴィーは首をひねり、
「でも、飛び出さないと捕まえられないし。」
 捕まえたのはカリーナだけどね、とアヴィーは恥ずかしそうに頬を掻く。
「僕は突き飛ばされちゃっただけだった。」
「あらあら、でもキミが一瞬足止めしてくれたから、鞘も泥棒の足に当たったのよ?」
 と、妊婦の女性がアヴィーの言葉を聞いて口を挟み、そうよねえ?とマルカブに同意を求めた。マルカブは肩を竦めただけだったが、女性は続ける。
「そうしたら、キミのおかげで泥棒が捕ま・・・」
 と、女性は不意に言葉を止め、ツカツカツカとアヴィーに歩み寄り、
「もしかして、キミ、アヴィーくん?」
 顔をまじまじと見た後にそう聞いた。
「・・・そ、そうですけど・・・何で・・・」
「ああ!良かった!無事に着いたのね!」
 女性はがしッ!と困惑するアヴィーの手を掴み、
「キミに何かあったら、シルンさんに蹴り飛ばされちゃうところだったわ!」
「・・・・・・あ、もしかして・・・マリアさん、ですか?」
「ええ、そうよ!そろそろこちらに着く頃だろうなって思ってたんだけど、まさかこんなところで会えるなんて。」
 女性はにこにこしながら、アヴィーの頭を撫で、
「大きくなったわねえ。私のこと覚えてる?キミが7つの頃に一回会ってるんだけど。昔はこんなに小さくて、何かあるとすぐ泣いてシルンさんに抱っこしてもらってたのにねえ。」
 女性は、かつてのアヴィーの背をこのくらい、と手で示す。アヴィーは、やめてくださいよう、と小さな声で抗議した。
「あらあら、お友達の前でする話じゃないわよね。」
 と、マリアと呼ばれた女性は、カリーナとマルカブを見、
「アヴィーくん。こちらの方たちは?紹介してくれる?」
「ええっと、カリーナとマルカブです。・・・ええっと、昨日、定期便で一緒になって。」
 さすがに密航者だというつもりはないらしく、アヴィーはそう説明をし、細かいことを聞かれないうちに、カリーナとマルカブにマリアのことを紹介することにする。
「あのね、二人とも。この人は、マリアさん。僕の母さんの、昔の仲間で・・・」
 そしてこれから樹海に潜ろう、としている二人の為にもう一言付け加えた。
「エトリアの樹海で一番最初に五階層まで到達した冒険者で錬金術師だよ。」
「いやねえ、昔の話よ。今はただの主婦で、もうじき一児のママ。・・・あ、もしかして、お二人は樹海に挑むつもりかしら?」
「そうなんです。マリアさん、もし良かったら、二人に冒険で役立つことを教えてもらえませんか?」
 アヴィーの誘導にマリアは、両手をぽん!と打ち合わせ、
「それじゃあ、荷物を取り返してくれたお礼もあるし、ウチに来て?ウチの人がちょっと前に買ったメディカがいくつかあるのよ。お礼といってはなんだけれど、差し上げるわ。」
 貴重な回復薬をくれる、と言う提案を聞き、マルカブは愛想良くそれに答えながら、うまく樹海探索に役立つ方へ話を持っていったアヴィーに目配せをした。アヴィーは肩を軽く竦めて、
「僕はまだ、マルカブに昨日のお礼をしていないからね。」
 と小さな声で答えるのだ。



 マリアの家は、路地をいくつも曲がった先、人がやっとすれ違えるか、と言う細い道の行き止まりにあった。行き止まりには鉄の門があって、その奥には小さな前庭とツタの絡まった石造りの家がある。前庭は、数歩で玄関までたどり着ける程度の広さだが、細い木と低い茂みが植えられ、植木鉢が高低を考えて並べられていて、まるで森のように地面に深い日陰を作っている。鳥の餌台もあって、そこには木の実が置かれていた。
 すてきなお庭ですね、とカリーナがお世辞ではなく誉めると、マリアは家の扉を開けながら、
「ありがとう。でもね、自慢はリビングから見える裏庭なの。良かったら見ていってね。」
 ウチの人、植物学者でいろんな植物を植えてるのよー、と言いながら家の中に入り、
「ただいまー。フェイデーン!アヴィー君が来てるわよー。」
 玄関に入ってすぐの階段から二階に向かって大声で呼びかけた。すぐに扉が開く音がして、階段を転がるように一人の男性が駆け降りてきた。
「本当か?本当か!?おおう、お客さんがいっぱいだな!」
 階段を駆け降りてきた黒髪の男性は、一行を見やり、それからすぐにアヴィーに気がついて、
「おお!アヴィーだな!無事について何よりだ!アヴィーに何かあったら、僕がシルンに地の果てまで蹴りとばされちゃうからな!本当に無事で何よりだッ!!」
 良かったよううう、と歓喜の涙を流す男性を見て、どれだけ養母はこの人を怖がらせてきたんだろう、とアヴィーは心の中に疑問を浮かべたが、聞いてしまったらいけないような気がしたので、別の問いかけをした。
「あの、フェイデンさん、ですか?」
「うん、そうだぞ。昔、一回会ってるけど覚えてないか?」
「ええっと、ぼんやりと。右頬の傷とか。」
「随分、ピンポイントだなあ。そっちの人たちは友達かな?」
 マリアがそれを引き継いで、
「そうだって。さっき、市場で助けてもらったの。」
 マリアはフェイデンに簡潔すぎるほど簡潔に説明した後で、カリーナとマルカブに向かって、
「ごめんなさいね、いきなり騒がしい人で。この人、私の旦那さんのフェイデン。彼も冒険者だったから、聞きたいことがあったら聞いてね。」
 こんなところじゃなんだからリビングへどうぞ、とマリアは家の中へ三人を通そうとし、
 フェイデンは「そうだ!」と、ぽん!と手を打って(どうも夫婦で仕草が似るらしい)、
「丁度良かった。アヴィー、ちょっといいか?アヴィーが到着したら紹介しようと思ってた占星術士が資料を借りにきててな、二階の書斎にいるんだけど。」
 占星術士、と言う言葉にアヴィーはぱっと顔を輝かせた。フェイデンは、やる気があっていいなあ、と笑い、
「会ってみるか?」
「はい!」
「じゃあ、二階に上がってもらえるか?アイツ、自分から下に来るとは思えないし。ちょっとお友達には下で待っててもらうことになるけど・・・」
「じゃあ、二人はお茶飲んで待っててもらいましょう。あ、あとメディカも渡すわね。」
 マリアは、カリーナたちに「どうぞ、こちらへ。」と声を掛けリビングへと通し、フェイデンはアヴィーを二階へ招待した。


 二階の奥の部屋がフェイデンの書斎で、部屋の中は、本棚や机の他に小さな植木鉢や水栽培の瓶が置かれ、様々な草と花に彩られている。書斎と言うより植物園だな、とアヴィーは思った。本棚の上にも植木鉢があって、さすがにそれはどうかと思った。書斎にはテラスに出られる窓もあり、窓の向こうのテラスも大小さまざまな植木鉢とプランター、そこに植えられた植物で一杯になっている。
 テラス側から差し込む光の先に、引き出しもないシンプルな机があった。机の上には、お茶の入ったグラスとガラスのポット、それに10冊近い本が積まれて置いてあった。そしてその机の前には、薄い金色の髪の男が座っている。彼は一冊の本のページをめくりつつ、机の上に積まれた本を叩き、
「これだけ借りていく。錬金術の本も借りていくから、マリアさんに伝えておいてくれ。」
「ああ、構わないぞ。でもな、ベク。その前にちょっといいか?」
 ああ、と男は生返事をする。顔をあげる気配もない。フェイデンは「しょうがないなあ。」とぼやいて、ベク、と呼んだ男の手から本を奪いとった。非難の目で自分を見上げてくる男に、フェイデンはにこにこと笑いながらアヴィーの方を指した。男はその指の動きを追って、アヴィーを見た。
 アヴィーもその男を見る。年は40を過ぎたころか、血色の悪い痩せた男だ。顔色は悪いのに目は鋭くて、アヴィーは思わずたじろいだ。
「前に話したろう?彼がアヴィーだ。占星術、教えてあげてくれないかなあ?」
 フェイデンは取り上げた本を肩に担ぎながら気楽な口調でいう。この人が僕に紹介したいっていっていた占星術士か、と思うと、アヴィーは自然と緊張してしまう。相手はどこからどう見ても、偏屈の固まりのようだった。
 そんなアヴィーの思いに気がついているのかいないのか、フェイデンはやはり気楽にアヴィーに彼を紹介した。
「彼はベクルックス。僕の知りうる限り、この街一番の占星術士だぞ。」



(4話へ続く)
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繋ぎの話なので、なんかイマイチだな・・・。

マリアとフェイデンは12年前のエトリアで
「世界樹の王」を倒したギルドのアルケミストとレンジャーです。
一般的に「ケミ姉」とか「緑レン(黒レン)」とか呼ばれてる方です。
植物学者であるフェイデンは、世界樹の王を倒した後、
マリアとともに各地の環境を調べに旅立ちました。
どこかの誰かが前時代から続けてきた世界樹計画を見守るためです。
その旅の中でハイラガの樹海も訪れており、
後のハイラガの英雄たちに協力したり、ハイラガの治療士と枯れ木の研究をしたり、
スキュレーとジャガーさんレアドロップ狩りで核熱ぶっとばしたりしてました。
それからあちこち回って、アーモロードにやってきて樹海の調査をしながら
10年以上にわたる研究をまとめている、という設定です。
アザステ→核熱コンボが得意技、
ファミリーネームは「フィニック」、実は婿入り、という夫婦です。


ベクルックスについては次回でご紹介します。
分かる方は分かるでしょうが、病みゾディです。

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