まよらなブログ

一章第四話。

先走った志水の「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮?」妄想話です。
ところで、ゲーム本編、やっと20階まで辿り着きました。
もうちょっとレベル上げてからラスボス(海都ルート)に挑もうと思います。


では、興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。



では、前回の続きから。
私は、全ての学問の行き着く先は
「この世界と私達は、何なのか?」という問いかけだと思ってます。
・・・なーんちゃって。真面目なこと書くの、恥ずかしッ☆



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一章4話


 街一番の占星術士、と紹介されたベクルックスは、ふん、と鼻を鳴らした。そして、
「世辞を言っても弟子は取らん。」
 と、言うものの、まんざらでもないらしい。フェイデンも分かっているのか、気楽な口調で続ける。
「まあまあ、そう言わずに。アヴィーはわざわざエトリアから来たわけだし。昔のアヴィーは本当に甘えん坊でなあ、そんな子が母親から離れて一人旅をしてきたんだから、話だけでも聞いてあげてほしいなあ。アヴィーは本当にお母さん大好きっ子だったんだよな、大きくなったらシルンと結婚する!って言って譲らなかったし。」
「ぼ・・・僕はそんなこと言ってません!」
 慌てて否定するアヴィーに、フェイデンはやはり気楽な様子で、
「言ってたぞー。7つのころは。大きくなったらシルンより強くなるからお嫁さんになって!って。」
「む・・・昔の話ですよ!」
「おお、そうか。今はシルンと結婚する気はないんだな。何よりだなあ。あんなおっかない嫁ではなくて、僕のマリアみたいな可愛いお嫁さんをもらうべきだぞ。」
 さりげなくノロケたフェイデンを余所に、なぜかベクルックスは目頭を押さえていた。
「ベク、どうしたんだ?」
「いや、・・・ウチの娘も昔は『パパのお嫁さんになる』って言ってたのに、最近は口も聞いてくれない・・・。」
「見ろ、アヴィー。ベクは偏屈そうに見えて、ただの親馬鹿だ。そんなに緊張することはないぞ。」
「・・・お前ももうすぐそうなるぞ。」
 ベクルックスはそう言って、椅子の背もたれに背中を預けた。どうやら話だけは聞いてくれるらしかった。
 フェイデンは、アヴィーに「ご挨拶して」と目配せをした。アヴィーはぺこり、と頭を下げて、
「アヴィオール・D・イプシンです。お時間をいただきありがとうございます。」
 と礼儀正しく挨拶をする。ベクルックスは鼻を鳴らし、
「・・・躾は出来てるな。」
 どうやら第一関門を突破したようだった。ベクルックスはアヴィーに問いかけてくる
「何故、占星術を学びたい?エトリアなら、錬金術や医術も盛んだ。他に学べることもあるだろう。」
 なのに何故、とベクルックスは問いかけた。アヴィーは、その、と一度口を開き、
「僕は星を見るのが好きで・・・」
 言いかけたが、口を閉じる。そうではない、とアヴィーは思うのだ。それは事実だが、星を見るだけなら夜空を眺めていればいいのだ。そうではなく、学問として学びたい理由は――、
 思い出すのは、ハイ・ラガードで養母と一緒に見た夜空だ。死んだ両親は星になっている、と信じていたころの自分だ。
「ええっと・・・」
 何から言えばいいんだろう、とアヴィーは困惑したが、一度唇を噛んで、それでもオロオロと言葉を紡ぎだした。
「最初は、死んだ両親が星になったと思って、・・・空を見てたんです。でも、段々、そうじゃなくなって・・・、なんであんなものが空に浮かんでいるんだろう・・・なんで一年かけて空を回っていくんだろう・・・そう考えて・・・」
 アヴィーは少しためらいを見せて、
「・・・それに、人は死んだらどうなるんだろうって考えて・・・」
 言いながら、アヴィーは何となく泣きたくなった。自分が言いたいこと、考えたことをすべて伝えるのは無理だし、それに、こんなことをこの人は聞きたい訳じゃない、と思ったのだ。アヴィーは困った様子でフェイデンを見た。しかし、フェイデンは、続けなさい、と柔らかい口調で厳しく突き放した。
「・・・アヴィオール。」
 アヴィーを呼んだのは、腕を組んでいるベクルックスだ。
「私も、子どもの話を聞くぐらいの時間は取れる。」
 表情一つ変えないベクルックスの言葉に、アヴィーは数度瞬きをし、はい、と強く頷いた。アヴィーは一度目を閉じ、それから目を開けて、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「たぶん・・・僕は・・・この世界がどうしてこう出来てるのか知りたいんだと思います。」
 最初の一言を言ってしまったら、あとの言葉はにじみ出てきた。
「僕は・・・死んだ人は星になるんだって信じてました。でも、そうじゃないんだって分かって・・・じゃあ、死んだ人はどこにいくのか、って考えて・・・、そうしたら、生きてる僕らって何なのかとか、僕らがいるこの世界はどうしてここに、こういう形であるのかとか・・・考えるんです。」
 アヴィーは、一瞬言葉を止めてベクルックスを見た。彼は目を閉じている。けれども、彼が聴いていることは分かったので、アヴィーは続けた。
「占星術を学べば、その答えが出るのか・・・僕は分かりません。・・・何の勉強をすればその答えが出るのかも、僕は分かりません。でも、星を見て考えたことだから・・・星の勉強をするのは、僕の知りたいことの、どこかの答えの、一つにはなるんだと思う。」
 アヴィーは頬を紅潮させてそう言って、それから、はっと息を飲み、「僕はそう思うんですけど・・・」と小さく付け加えて、縮こまった。
「・・・一つ、謎かけをしよう。」
 ベクルックスは腕組みを解き、目を開けてアヴィーを見た。先ほどの視線より、ずっと柔らかくなっていた。
「月を手中にすることは出来るか?」
「・・・はい?」
「その答えが出たら、私の家にくればいい。」
 ベクルックスはそう言って、立ち上がり、そして机の上に積んである本を抱えた。どうしたらいいか困っているアヴィーに、フェイデンが、
「良かったなあ、アヴィー。君の熱意と情熱は認められた。あとは機転を示せ、ということだ。」
 つまり、この謎掛けが解けたら弟子にしてもいい、ということだ。それが分かったアヴィーは、ぱっと顔を輝かせて、
「ありがとうございます!」
 ベクルックスに頭を下げた。




「あら、お話は終わったの?」
 リビングにやってきたアヴィーに、マリアは問いかける。彼女はテーブルに地図を広げて、マルカブに見せていた。マルカブは自分の地図(ガーネットの遺品だ)と、その地図を熱心に見比べている。
「はい!」
「ベクさんは何て?」
「謎掛けを解いたら家に来い、と伝えた。」
 答えは、本を小脇に抱えたベクルックス本人から返ってくる。彼は、リビングに顔だけ出し、
「マリアさん、錬金術の本も借りていくが、いいか?」
「ええ。構いませんよ。返すのはいつでもいいですから。」
「感謝する。」
 ベクルックスは礼を言い、ふと、庭の方で光るものを見て動きを止めた。アヴィーも視線を追う。
 リビングの大きな窓から、広い裏庭に出られるようになている。裏庭も様々な木々が植えられていて、ちょっとした林のようだった。その裏庭をきょろきょろと見て回るカリーナがいる。光るものは、彼女の髪飾りだった。
「・・・。」
 ベクルックスは眉を寄せて、カリーナを――、というよりも、その髪飾りを見ている。
「あの・・・」
 アヴィーが声をかけると、彼は我に返り、
「あの娘はアヴィオールの知り合いか?」
「・・・は、はい。友達です。・・・あの、カリーナが何か?」
「・・・いや。」
 ベクルックスは、カリーナから視線をそらし、
「あの髪飾りが気になっただけだ。どこかで見た気がする、それだけだ。」
 その言葉にマルカブがちらりと視線を上げたが、それにベクルックスは気づかずに、
「では、マリアさん、失礼する。本は大切に読ませてもらう。」
「ええ。またいらしてね。」
 頭を下げるベクルックスを見送ろうと立ち上がったマリアを、ベクルックスは制してそこから立ち去った。入れ替わるように、グラスを下げてきたフェイデンがリビングにやってきて、
「あれ?エトリアの地図も見せてるのか?」
 マリアが広げてマルカブに見せている地図を見て首をひねった。マリアは頷き、
「マルカブさんが持っている地図が、エトリアのものかもしれないって思って。どう?マルカブさん。」
 マリアに聞かれ、マルカブは首を振り地図を畳んだ。
「じゃあ、やっぱりアーモロードの地図かしらね。」
 マリアも地図を畳み、コップにお茶を注いでアヴィーに勧めた。アヴィーは礼をいい、マルカブの隣に座る。マルカブが、
「さっきの人が占星術士か?」
 アヴィーに聞くと、アヴィーは、うん、と頷いた。
「少し偏屈だけどいい人よ。ベクさんなら、と思ってアヴィーくんを紹介することにしたの。」
 マリアはマルカブのコップにもお茶を注ぎながらいう。アヴィーは頷いた。
「そう思います。僕の話を聞いてくれました。」
「そうでしょう?で、謎かけって何のこと?」
「月を手中にすることは出来るかって。それが分かったら、弟子にしてくれるみたいです。」
「弟子になる気はある?」
「ええっと・・・どんな人かはよく分からないけれど・・・他に当てもないですし、悪い人じゃなさそうだし・・・。」
 なにより、僕の答えになっていない答えを認めてくれたんだし、とアヴィーは心の中だけで付け加える。マリアは言葉にはしなかったアヴィーの気持ちをどこかで察した様子で、
「それじゃあ、次は謎掛けの答えを考えないとねえ。」
 おっとりとそう言った。いつの間にか、カリーナが庭から戻ってきて話を聞いていて、
「月ってことは、夜になるまで待った方がいいのかしら・・・?」
 と、首をひねっている。マルカブが、
「そういうんじゃねえと思うけどな。なんかすごく単純な答えだと思うぞ。」
 と腕を組み、髭を撫でながら考えている。
 二人の様子を見て、アヴィーは苦笑した。
「二人とも、真剣に考えなくてもいいよ。僕の宿題なんだから。」
 そう伝えると、カリーナは「でも・・・」と言い、マルカブは照れくさそうに頭を掻き、そしてその様子を見たマリアとフェイデンは顔を見合わせて笑い、
「まあ、ゆっくり考えるといいぞ。ベクは締め切りなんて言ってないんだから。」
「そうよねえ。せっかくだし、街を見ながら考えたらどうかしら。」
「ああ、それいいな!案内してあげるぞ!」
「じゃあ、私はお夕飯の準備をしておくわね。今日はみんなの歓迎会よー!腕を振るっちゃうんだから。」
「みんなの・・・って、俺たちも?」
 マルカブが聞くと、マリアは頷き、
「せっかくだし、泊まっていかれたら?冒険者をやるなら、お金があっても必要になるまで使わない方がいいわ。」
 それは冒険者としての経験からでているようだ。もっともだ、とマルカブは思ったし、カリーナも会ったばかりの男と宿に泊まるよりは安心するに決まっている、とも思う。もっとも、当のカリーナはそういうことを気にしている様子は全くなく、
「どこか行きたいところはあるか?樹海の入り口まで行ってみようか?」
 とフェイデンに尋ねられて、アヴィーと共に好奇心で顔を輝かせているのだが。
 マルカブはそれを見て、呆れた様子でため息をついたが、夫妻の厚意に甘えることにした。




 
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14歳が中二病くさいことをいうのは、発達段階的に正しいと思ってる。(笑)

ベクルックスは病みゾディアックです。
20年ほど前、そこそこ実力のあったギルドで冒険者してましたが、
そのギルドが解散した後は研究に専念していました。
フィニック夫妻とは友達で、樹海の様子を教えたりエトリアの技術を学んだりしています。
本人も言っているとおり、娘がいます。ふるゆわゾディです。
どうやらカリーナの髪飾りに見覚えがあるようですが・・・さてさて。


次回、やっと樹海です。といっても、ギルドの登録はまだなので、入り口までですが。

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