まよらなブログ

三章4話。

先走った志水の「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮?」妄想話です。

生粋のガンガンっ子である志水と井藤さんの会話を一部暴露です。
井藤:「・・・ウチの○○が鼻血を出して倒れる、という『ハー○ルン』ギャグになる。」
志水:「ウチの○○に女装をさせた場合も、『ハーメ○ン』ギャグになる。」

「話数使ってるのに、一向に話が進まない」辺り、
既に『ハ○メルンのバイオ○ン弾き』仕様な妄想話です。(またはスパイ○ル仕様)

あ、女装ギャグは一回やっときたいんですけどね、
やっぱオチは「オレが悪かった、送っていくよ・・・。」ですかね。
(このネタに付いてこられる人たち、多分ここ読んでない。)


と、いうわけで(?)興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。

三章4話です。



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 ――、お前は生きねばならないのだ。
 祖父は指を自分の鼻先に突きつけて、宣言する。
 ――、お前は、私のために生きねばならないのだ。
 それはずっと、言葉ではない何かで伝えられ続けたことだった。
 ――、そのために、お前は生まれてきたのだから。
 ・・・そうだ。母は自分を愛してくれたけれど、でも自分を愛もないところから産んだのだ。祖父のために、自分を産んだのだ。
 それでも、カリーナは必死で言い募る。
 ・・・でも、でも、私はお祖父様とは違うんです。私は外に行ってみたいし、自分の目でみてみたいし、お祖父様の言ってることが正しいか確かめたいんです。
 ――、何も考えるな。私のために産まれたのだから、私のために生きるのだ。そのためだけに、お前はいるのだ。
 そうでないなら、と祖父は言い、砕けた盾を見せるのだ。
 ――、また人が死ぬ。お前が『外』を確かめて、一人死んだことを忘れるな。
 盾の欠片にカリーナはイヤイヤ、と首を振った。剣と茨の紋も確かめられないほどに砕けた盾。祖父の言いつけを破って外に出て、そこで出会った騎士の盾。見たことのない肌の色の、母以外で初めて自分の頭を撫でてくれた人の盾。
 ――、ああ、しかし、奴は『人』ですらないのだな。
 と、祖父は笑った。カリーナは耳を塞いだ。違う、ただ私たちと肌の色が違うだけで、笑って、転んだ私を抱き上げてくれて、『大好きな人』の姿を見つけて大きく手を振った、そんな人間だ。
 違う、と思うのに、反論できない。そうすることで、また誰かが死ぬかもしれない、母が殺されるかもしれない、私も殺されるかもしれない。だったら、そうだ、考えるのはやめてしまおう。
 それを『生きていない』というのなら、私は確かに『死んだ』としても何も変わらないのかもしれない。生まれてきた理由がないなら、ここにいる意味もないのかもしれない。
 ・・・・・・でも、私は、
 カリーナは、しゃくりあげながら首を振る。それはただ見苦しいだけかもしれない。誰も望んでいないことかもしれない。もう、生まれてきた意味もないのかもしれない。ここに居てはいけないのかもしれない。
 ・・・でも、私は!
「俺はお前に居てほしいよ。」
 誰かが、そう言ってくれた。その言葉が頭に響いたとき、カリーナは目を開けた。


「あ、起きた。」
 起きあがったカリーナに、明るい女性の声がする。部屋の窓辺に椅子を置いて、薄い本を読んでいる女性がいる。
「・・・コロネさん、どうしてここに?」
 カリーナは目をこすりながら、女性の名を呼んだ。白いスモッグの上にカーディガンを羽織っているコロネは本を閉じて、彼女が寝ていたベッドに近付き腰を下ろす。
「カリーナちゃんが大変だって聞いたから。とはいえ、野郎が女の子が寝てる側にいるのもねえ。だから、あたしが見てるねって立候補したの。」
「・・・ごめんなさい。」
「何が?カリーナちゃんだって、入院中に着替え持ってきてくれたりしたじゃない。おあいこおあいこ。」
「・・・そうだ・・・、コロネさん、入院中なのに・・・」
「大丈夫。治療院には外出届け出してきてるから。明日、退院なんだ。」
「そうなんですか、良かった。」
 カリーナは胸を押さえて、安堵のため息をつく。それを見て、コロネはカリーナをがばっ!と抱きしめて、
「やだ、もう!可愛いなあ!!自分が大変なのに、他人の心配して!」
「・・・は、はわわわ・・・」
 コロネの柔らかな胸に抱きしめられる形になったカリーナは、自分のそれとは全く異なる弾力におろおろする。それを知ってか知らずか、コロネはカリーナの背中をぽんぽんと撫でて、
「ディスケはアヴィー君とちょっと散歩に行ってる。アヴィー君も、ちょっと元気がないんだ。マルカブさんは、ちょっと確かめたいことがあるって出かけていったよ。ディスケもアヴィー君もマルカブさんも、カリーナちゃんのことすごく心配してた。クーおじいさんもだと思うよ。」
 あたしはさ、と続けながら、コロネはカリーナをそっと離して、彼女の目をのぞき込む。
「何があったか知らないけどさ、それだけは知っていてほしいなって思うんだ。」
 カリーナはコロネをじっと見上げ、じわじわと涙を滲ませて俯いた。俯くことで、スカートに水玉の染みが作られる。コロネは、大丈夫よお、と根拠のないことを確信を持っていいながら、カリーナの肩を叩いた。

*******

「技術と暴力は裏表だもんな。」
「・・・うん。」
 ディスケがパンくずを海に投げながら言い、アヴィーは桟橋に腰掛けながら頷いた。桟橋の下の海には、パンくずを求めて魚が集まっている。
「ショックなのは分かるけどよ、後悔はしてるのか?」
「・・・してない、と思う。」
 アヴィーは答え、小魚を見つめる。
「もしかしたら、人を焼き殺してたかもしれないけど・・・でも、カリーナとマルカブが死んじゃうのはイヤだ。」
「誰も傷つかないでっていうのは難しいよなあ。」
「・・・誰も傷つけないか、守るために傷つけるか、選ぶのも難しいよ。」
 アヴィーの言葉にディスケは、それもそうだな、と呟いた。アヴィーは、パンくずを求めて海面にぱくぱくと口を開けている魚を見ながら、
「あの人が死ななくてよかったって思うんだよ。・・・僕は・・・、魔物をたくさん倒しておいて・・・こんなこというの変かもしれないけど・・・人を殺したくないよ。でも、またあの人がカリーナを殺しに来たら、僕、きっとあの時に殺しておけばよかったって思うんだ。」
 それがイヤだよ、とアヴィーは言い、ため息をついてからディスケを見上げる。
「ごめん、ディスケ。こんな話、困るよね。」
「そうだなあ、何を言ってやればいいか、全然分からん。」
「・・・じゃあ、もう止めにしよう。宿に戻ろうよ。カリーナも心配だし・・・」
「でもよ、」
 アヴィーの言葉を遮って、ディスケは彼の隣にしゃがみ込んだ。
「これからもそういう話しろよ。」
「・・・でも、」
「俺じゃなくてもマルカブやクー爺さんでもいいよ。フェイデンやマリアさんでもいいな。コロネでも大丈夫だ。みんな、何も言えないかもしれない。でも、話せよ。」
「・・・・・・うん。」
 アヴィーは頷き、一度海を見て、それからディスケを見て笑った。
「僕もカリーナも幸せなのかもね。そんなに話を聞いてくれる人がいて。」
「・・・お前は大人だなあ。」
 ディスケは笑い、アヴィーの背中をばん!と叩いて立ち上がった。
「帰るか。」
「うん。」

********


「政略結婚なんかは、よくある話だしね、産まれた子を権力争いの道具にすることもよくある話だよ。」
 クー・シーは冷酒を舐めるようにしながらそんなことを言った。その話を聞くマルカブの前には酒ではなくて冷たい茶だ。どうにも酒を飲む気になれなかった。
「けれど、姫の祖父君はちょっとばっかりそれが強すぎたんだよねえ。姫の父王は姫が生まれる前に亡くなられてね、その後に王位を継いだ兄王・・・わしの友人だがね、彼をないがしろにして祖父君は政事を行っていたんだよ。幼い姫を母君と一緒に王宮の一区画に閉じこめたのも、それが許されてしまったのも、国一番の権力者だったからだね。」
「何で、ンなことしたんだよ。閉じこめる必要はねえじゃねえか。」
「正直なところ、分からんよ。分かりたくもないが。ただ、目的から考えれば、女王になった孫娘を意のままに操るためじゃないかね。」
 クー・シーは冷酒を一飲みし、徳利から自分で杯に注ぐ。
「自分の言葉が正しいのだと信じ込ませたり、逆らう力を奪ったりするためなんじゃないかね。もともとご息女・・・つまり姫の母君だが、かの女人は父の人形のような方だったらしいが、王の側室として過ごすうちに父に意見をするようになってね、それがショックだったんじゃないかね。だったら、一切、外の世界との関係を切ってしまえと。・・・何も考えるな、と祖父君が娘と孫娘に呪文のように繰り返していた、という噂を聞いたことがあるがね。まるで呪いの言葉だよ。」
「・・・それが事実なら正気の沙汰じゃねえよ。」
「そうだよ、きっと正気じゃなかった。まあ、彼がそうした原動力は怒りだったのだから、誰のことも幸せにするつもりはなかったんだろうがね。王が、その権力者を引きずりおろすのに15年近く掛かってしまった。」
 王がもうちょっとしっかりしてたらどうだったろうね、とクー・シーは自嘲するようにつぶやいた。
「そんな正気の沙汰じゃない中で育った姫様だ。母君が必死にお育てになられた甲斐あってか、それでも素直さも希望もなくしていない。とはいえ・・・あの忍の暗殺者に何を言われたのか知らないが、祖父君の存在を思い出したのではないのかね。それはきっと、恐怖でしかないのだろう。」
「・・・『いなくなったりしたくない』って言っていた。」
「そうかね。」
「怖いのは、自分がいなくてもいいんじゃないかってことだとも。」
 マルカブはグラスの氷を見ながら呟き、ため息をついた。
「アイツ、昨日の夜まであんなにはしゃいでたのに。」
「本当に楽しそうだったねえ。」
 クー・シーは笑い、それから両手を合わせて、マルカブに礼をした。
「ありがとうねえ、マルカブ。」
「・・・何がだよ。」
「いや、姫様に楽しい思いをさせてあげてくれたのと、」
 そして、とクー・シーは片眉を上げて笑うのだった。
「姫様を守ってくれたこと。」
「・・・ジジイ、お前の目的はなんだ。」
 マルカブはクー・シーを睨みつけ、
「カリーナをどうするつもりでこの街に来た?」
「さて、どうだろうね。」
 クー・シーは笑い、そして少し声のトーンを落として言うのだ。
「けれど、君らは、わしらが望む姫様の未来に必要なことを教えてくれている。それは感謝しているよ。」
「未来?」
「もっとも、そんな未来、姫自身は望んでいないかもしれないがね。」
 特に『今の』姫様はね、とクー・シーは呟いて杯を煽り、まあそんなことよりだ、といつもの調子で、
「わしとしては姫様をばんばん楽しませてほしいねえ。ねえ、どっか遊びに行こうかね、みんなで!」
「・・・あのな、カリーナが出かけたくないほどにヘコんでんならそれは逆効果だろうが。今はそっとしておいた方がいいのかもしれねえし。・・・俺だって、アイツの今までの暮らしを聞いたら、もっといろんなモンを見せてやりたいし『外』に連れていっ・・・・・・・・・」
 ふとマルカブは黙り込み、どうしたね?とクー・シーが尋ねた。マルカブは髭を撫でながら、独りごちる。
「・・・『ウチ』が無いのに、『ソト』ってあるのか?」
「む?」
「・・・・・・、クー爺。」
 マルカブは立ち上がった。
「船を出すぞ、海に行く。」
 そしてテーブルに勘定を置いて、クー・シーを待たずに蝶亭から出ていく。クー・シーは杯を煽ってから、
「ふむ。馬鹿かもしれんが、ただの『いい人』ではないようだね。」
 満足そうに頷いてから、待ってよー、とマルカブを追いかけた。



(三章5話に続く)


---------------あとがきのようなもの-------------------

志水の中では「エトリアが新○ならアーモロードは沖○!」なので、
食べ物のベースは日本食のイメージなんですよね。
(旧世界で生き残った人が民族関係なく生きられる場所に集まって再び離散したので、
 血統や文化はいろいろ混ざっている、とそんなイメージ。)
そんなんで、モン爺が飲んでるのは日本酒です。なんでもあるぞ、ウチの蝶亭には!

話については、中二くさい設定引き続き発症中と、恥ずかしくてそれくらいしか言えない。


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