まよらなブログ

三章6話。

先走った志水の「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮?」妄想話です。


「いつから『成人』という設定にしているか」ということを
某所でI藤さんが描いていたので、ウチの場合を書いてみようかと。
ウチの設定の場合、体が出来上がる時期、という単純な理由で、
18ぐらいになれば、大人扱いされ始めるのではないかと。制度的なものはありません。
煙草とお酒の問題も、体に影響することだと分かっている世界なので、
お酒は○歳になってから!という決まりはないものの、
体が出来上がっていない成長期の子がやってたら説教されます。

うちのギルドの子どもらが「ガキんちょ」扱いされるのは、成長期だからです。
まあ、あの子達、年齢よりも低めの精神年齢に設定していますが。
なお、カリーナには
「家庭環境のストレスにより成長ホルモンの分泌が阻害されたため、年の割に成長してない」
という設定があったりします。

「成人」と関連して、他の設定部分。
あの地域(旧日本)の大体の国では
12歳でいわゆる「義務教育」(義務でもないですが)が終わるので、
13歳ぐらいから、いわゆる法的にも扱いが変わるんじゃないかと。
教育制度に関しては、12歳で初等教育を終えた後、
中等教育に進む子もいるし職業訓練校みたいなトコにいく子もいます。
その後の大学に進む人は、限られてきます。
アヴィーが海都に来てるのは今で言う「海外留学」扱いかなあ。

(各キャラの設定メモを見ながら)
・・・あ。ウチのギルメンの中(姫除く)で一番高学歴なの赤パイだ。(笑)



あとI藤さんとは、「食事をで箸を使うか。」っていう話題もあったような気がします。
教育と成人の問題と関連するように「結婚の平均年齢」も何となく設定としてあります。
まあ、長くなるのでそれらはまた別の時にでも。



では、三章6話、興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。


三章6話

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 ・・・夕日差し込む王宮の一室で、喪服の女性が椅子に座っている。その腹は大きく膨らんでいた。
 彼女は足音に顔を上げ、そして自分を認めて立ち上がろうとした。そのままで構わない、と仕草で示し、女性の前まで歩み寄り、そして頭を下げた。
「・・・父の最期を看取っていただき、ありがとうございます。」
 女性はわずかに躊躇いを見せたが、しっかりと頷いた。
「・・・私こそ、最期まで陛下のお傍にお仕えさせていただき、・・・セイリアス様にはどうお礼を申し上げていいか・・・。」
「最期に父は何か言っていましたか?」
「セイリアス様にご伝言を承りました。」
 女性は、静かに、けれども強い瞳で自分を見つめた。
「大変な時期に王位を譲ることになり、すまない、と。」
「・・・そう、ですか。」
「・・・そう、大変な時期です。」
 女性は命が宿る己の腹を撫でながら、静かに呟いた。
「私の父も・・・貴方様から力を奪おうとするでしょう。そのために、陛下の血を引くこの子を利用するつもりです。」
 女性は淡々と、
「・・・貴方の障害になり、陛下が愛したこの国に要らぬ混乱を招くなら・・・この子は生まれてこない方がいいのかもしれない。」
「・・・そのようなことを仰るな!」
 思わず声を大きくして、そして慌てて口を噤んだ。女性はその反応を予測していたのか、ただ微笑んだ。
「セイリアス様は本当にお優しい。」
「・・・私は、」
「そのような優しい御方に仇をなすようなことは、私の本意ではありません。ですが・・・」
 女性は腹をそっと撫で、夕日差し込む窓を見つめた。
「・・・私はこの子を・・・、私に夕焼けの美しさを教えてくださった陛下の子を、生みたく思います。」
「・・・無論です。」
 女性の前に屈む。
「新たな命が生まれて来ようと思えぬような、そんな国にはしたくありません。例え、私の政敵となっても、幼い子どもの命が奪われるようなことはあってはならぬと思います。」
 そして、その命に向かって、静かに言うのだ。
「この子は私の妹です。他の兄妹のように、仲良く暮らすことは出来ないかもしれませんが、せめてこの子が、生まれてこなければ良かったなどと思わぬよう、私も全力を尽くすことを約束します。」
「ありがとうございます。」
 女性は微笑んだ。その目は潤んでいた。
「・・・きっと、セイリアス様を陛下は誇りに思われるでしょう。私は、それが嬉しい。」
 女性はそして、ますます紅さを増す夕日を眺め、懐かしむように悼む様に願うのだ。
「・・・この子も、いつか、私が陛下に見せていただいたような夕日が見られるといいのですが。」
 必ずその日は来ます、と答えた。


*********


「・・・・・・」
 夕日を眺めながら、ベッドの上のセイリアスは16年近く前のことを思い出す。母となろうとしていた女性。自分とそう年の変わらない、父の側室。彼女と言葉を交わしたのは、あの時だけだった。だが、父の死を最も悼んでいたのは彼女だった。
 妹であるカリーナエに言葉をかけたのも、あの時と、彼女に国外追放を命じたときだけだ。二回目のときは、彼女の母によく似た瞳で、けれどもあの時の彼女の母の瞳の美しさは無く、カリーナエは静かに言葉を聞いていた。
 あの時の瞳の美しさが、誰かと共に夕日を見たかどうかに由来するのだとしたら。
 セイリアスは溜め息をついて瞳を閉じる。自分だってどうだったのだ。あの海の都で、仲間と出会わなかったらどうだったのだ。あの海の都で、大切だと思える娘に出会えていなかったら、どうだったのだ。
 ・・・きっと、全てを諦めていただろう。
 セイリアスは瞳を開けて、夕日を見た。
「・・・そんな日が来ているといいが。」
 そして、ため息をついて、届いた手紙の封を切った。


********


 その日の夜、「アルゴー」が「海水浴」から宿に帰ってくると、そわそわと一行を待っていた宿の少年が慌てて手紙をもって走ってきた。
 小さな封筒の差出人は、フェイデンだ。受け取ったマルカブが、封もしてない封筒から一枚だけの便せんを取り出して読み、
 そして、ほら、と一行に見えるように紙面を見せた。
「マリアさん、昨日の夜に無事に女の子を産んだってさ。」
「本当!?女の子!?」
「おおー、やっぱり女の子だったかねー。」
「マリアさんも赤ちゃんも元気なのかー、良かったなー。」
「明日、赤ちゃんに会いに行こうよう!!」
「ダメだ。昨日産んだばっかだぞ。母親疲れてんだろうから、もうちょっと落ち着いてからにしろ。」
「僕、赤ちゃんに会いたいのに。」
 アヴィーがぷう、と膨れると、カリーナが手をぽん!と打ち、
「じゃあ、明日は出産のお祝いを買いに行こう?」
 アヴィーに提案すると、アヴィーはぱっと顔を輝かせて頷いた。
 「何がいいかなあ。」「喜んでくれるかなあ。」と、きゃっきゃっと楽しげに話す子どもたちを見ていると、何だか今日の出来事が嘘みたいだな、とマルカブは思いつつ、
「じゃあ、飯を食いに行きながら考えるか。」
 そう提案すると、さんせーい!と子どもたちは両手を上げた。


 夕食をどこで食べるか話しながら、灯りが灯る街を歩く。夜に出歩くことが多くなかったらしいアヴィーとカリーナは、灯りのついた店の窓をのぞき込んで、いつもと同じなのに違う、と笑っている。
 その二人の視線を追うように店を眺めていたディスケが、あ!と声を上げ、
「そうだ!出産祝いもだけどさあ、コロネの退院祝いも頼むよ。明日退院なんだよ。俺、葡萄酒がいいなあ、葡萄酒。」
「お前のリクエストかよ。」
「だって、俺も一緒に飲むし。」
「おやおや、お熱いねえ。」
「やだなー!クー爺さん、からかうなよー、その通りだけど!」
 あっはっはっは!と豪快に笑うディスケを無視して、「ほら、ガキども、先行くぞ。」とマルカブはアヴィーとカリーナに声をかける。葡萄酒ー、とディスケがしつこくリクエストを繰り返し、「わしはお茶セットがいいねー。」とクー・シーもリクエストをした。
「え?何?何か買ってくれるの?」
 と、駆け寄ってきたアヴィーが聞く。そうだよー、とクー・シーが言うので、
「僕、欲しい本があるんだよね・・・」
 と、おずおずとアヴィーは言い、
「・・・私、服が欲しい。」
 カリーナは遠慮がちなようできっぱりと言った。
「・・・買わないぞ。ウチのギルドに無駄金は無えんだから。」
「ああ、おとーさんの稼ぎが悪いからねえ・・・。子どもたちにひもじい思いをさせないだけで精一杯だよ・・・。」
「すまないなあ・・・おとーさんに甲斐性がないばっかりに・・・」
 と、とっさにクー・シーとディスケが『貧乏家族ごっこ』を始めるので、と二人の耳をマルカブは引っ張った。
「・・・お前等こそ樹海潜って金稼いで来いたらどうだ?」
「いやー、俺とクー爺さんじゃなあ?」
「そうそう。きっと野営地で昼寝しかしてないよねえ?」
 と、そんなことをいう二人に、マルカブのこめかみに血管が浮き出たが、
「あ!そうだ!!」
 カリーナがぽん!と手を打って、無邪気に報告した。
「あのね、私、野営地で不思議な生き物をみたの!」
 あれ、魔物だったのかな、とカリーナは首を傾げる。どんな生き物だったの?とアヴィーが聞くと、カリーナは手で大きさを示し、
「あのね、これくらいで、綿毛みたいで、でも手足がついててパタパタ動いてたの。金色っぽい白だった。」
「なんだか、可愛い魔物だね。」
「うん、可愛かった。みんなにも見せたかったけど、いなくなっちゃったし・・・あの後、あの人が来たから・・・・・・」
 カリーナが最後をためらいがちに付け加えると、ディスケが素早く言葉を発し、
「あー、そりゃケセランパサランだな。」
「ラッキーでしたな、姫。」
 と、クー・シーが続ける。マルカブは二人の耳を一度強く引っ張ってから手を離し、問いかけた。
「何だそりゃ?」
「いててて・・・たまーに出現するらしい魔物だよ。俺も噂でしか聞いてないけど。」
 地元民のディスケが耳を押さえながら言い、クー・シーは両耳を何故か押さえながら必要以上に痛がる真似をしつつ、
「わしも20年前にこの町にいたときに、数回しか見たことないけどねえ。見つけた者に幸運をもたらす、といわれている魔物ですよ。」
「幸運?」
「ええ、幸運を。」
 カリーナはもう一度、幸運、と呟いた。
 その後に起きたことを考えれば幸運なんかもたらしてないだろう、とマルカブは思い、話題を逸らそうと口を開きかけたが、
「うん!」
 カリーナは晴れ晴れとした笑顔で頷いた。
「その通りだった!」
「それは何よりです。」
 クー・シーは穏やかに微笑んで頷く。カリーナはもう一度頷いて、それから複雑な表情で自分を見ているマルカブに気が付き、彼を見上げて、
「だって私、『家』が出来たんだもの!」
 そう言って満面の笑みを彼に向ける。マルカブは、おう、と低い声で答えながら頭を掻いた。
「・・・改めて言われると、俺は恥ずかしいことを言ったよな・・・」
「でも、私は嬉しかった!」
 照れもなくカリーナはそう言って、夜空を見上げる。そこに、かつて独りで逃げ出したときのような月はない。今そこに見えるのは、星と街のどこからでも見える世界樹。そして地上にいる自分も独りじゃない。
 カリーナは、マルカブとアヴィーを交互に見て、自分の幸運に笑うのだ。
「あの海で、私を助けてくれたのがあなたたちで、本当に良かった!」



(4章に続く)

---------------あとがきのようなもの-------------------

おっさんが子どもの頭をわしわしわしわし撫でるシチュエーション・・・!!!
というそれだけのために6話使った三章でした。背中をさすってあげるのも萌えます。

「ギップリャー!!(@グルグル)」な内容だったと思いますが、
結果的に出産の話にもっていけて良かったように思えます。
あとケセランパサランも出せて良かったです。

次回から4章です。いよいよ、一層ボス・ナルメル戦に突入します。
やっとプリ子が自由に動き出すよ・・・!


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