まよらなブログ

四章2話。

先走った志水の「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮?」妄想話です。

最近、この話を読まれている方がちょーっとずつ増えているような気がします。
ありがとうございます。嬉しいです。
今後もこそこそと頑張っていこうと思います。

井藤さんに、「世界樹カンケーなさすぎない?」と言われたんですが、
本日の話からボス戦イベントに入りますので、カンケーあるような展開になりますよ。

では、興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。


四章2話

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「鹿も曲がり角を曲がってきた!」
「追いつかれるぞ、急げ!」
「むむ!足が泥にハマったよーー!」
「あー、丁度いいや!カリーナ、爺さん踏み台にして先進んじゃえよ!」
「・・・っ、ごめんなさい、クー・シー!!」
「むぎゅう!」
「爺さん、引っ張り上げてやっから弩に掴まれ!」
「・・・うう・・・、ひどいよひどいよ!ディスケに姫!わしを踏み台にして先に進むなんて!」
「いいから掴まれって!」
「あ!前にも鹿!」
「大丈夫だ!鹿の方が先に通り過ぎるから、後をついてけ!カリーナも先に行け!」
「うん!」
「ディスケ!クー爺!進めるか!?」
「おうよ!」
「聞いておくれよマルカブ!この子たちったら、わしを踏み台にだね・・・」
「見事な忠誠心ってことでいいじゃんか!」
「良くないッ!」
「分かった分かった!後で聞くからとにかく走れ!先行くぞ!」
「・・・・・・、あ!宝箱発見!」
「何!?開けろ、アヴィー!そしてまた走れ!」
「うん!カリーナも手伝って!」
「うん!じゃあ、せーの、で開けよう!・・・せーのっ!!」
「・・・っと!・・・・・・マドラだ!」
「わあ!やっぱり下の階層の方がいいものがあるんだ!」
「ラッキーだな!マドラの販売価格は400エン!」
「・・・400エンということは売値は定価の4割だから160エンか・・・」
「・・・早速売り飛ばすことを考えているのかね、マルカブ。そこまでウチのギルドのお財布は切迫してるんだね?」
「誰かが財布を落としたからだろうが・・・!」
「ほほう、そんなうっかりさんは誰かねえ?」
「・・・マルカブ!今は耐えろ!後で俺も一緒にそんなウッカリ爺さんぶっ飛ばしてやっから!」
「ちょっと、何を揉めてるの!?先に行くからね!」
「・・・ッ、カリーナ!横!」
「?」
 いぶかしむカリーナに向かって、茂みから紫の尾が振るわれる。茂みに潜んでいたのはオオアナコンダだ。最初にそれに気がつき、かつ一番足の速いマルカブが土を蹴ってカリーナに向かう。彼女に飛びかかるようにして突き飛ばし、ふきゃあ!とカリーナは情けない声を上げて前方に吹っ飛ばされ、彼女を前に突き飛ばしたマルカブは顔面から地面に着地した。オオアナコンダの尾はそんな二人の頭上を掠めていった。オオアナコンダは、マルカブが土を蹴るのと同時に弩を構えたディスケによって撃墜される。
「・・・痛てて・・・・・・カリーナ、無事・・・」
 鼻を押さえながら身を起こしたマルカブは、そして蒼白になっった。突き飛ばされたカリーナは、泥の中に顔から突っ込むハメになっていた。
「・・・あーーーーーー!!!」
 と、クー・シーが、楽しいおもちゃを見つけた!とばかりに生き生きと駆けてきて、
「女の子を泥の中に突き飛ばしてーーー!いーけないんだ、いけないんだ!言いつけてやるんだー!」
「誰にだ!?」
「あーあ、見事に吹っ飛ばしたなあ。いーけないんだ、いけないんだ!」
 弩をかつぎ上げて、ディスケも一緒になって囃し立て、
「カリーナ、大丈夫!?」
 アヴィーが駆け戻ってきて、カリーナに手を差しだし彼女を泥から引っ張りだしている。オイシイところは全部アヴィーが持っていった。囃し立て続ける大人げない大人達にマルカブは拳骨を落とし、ハンカチで顔の泥を落としてあげようとしているアヴィーと口の中に入った泥を吐き出しているカリーナまで駆け寄って、
「悪い!カリーナ!」
 どう考えても自分のミスなので素直に謝った。
「・・・もう!ちゃんと前を見て!」
 カリーナは金髪まで泥にまみれながら、ぷん!とそっぽを向き、アヴィーの出してきたハンカチを受け取って顔についた泥を拭く。そして、ちらり、とマルカブの顔を見て、その表情に吹き出した。
「でも、大丈夫、怪我はないから。何だか泣きそうよ、マルカブが。」
「・・・正直、泣きてえよ。」
 バツが悪そうにするマルカブに、カリーナは立ち上がりながら笑いかけ、
「それより鹿から逃げないと!」
「お、おう。」
 カリーナが話題を変えたのを見て、頭の上にたんこぶを作ったクー・シーとディスケが、
「女の子を泥の中に突き飛ばしておいて、あげくにフォローされるなんてー。」
「最悪だー、最低だー。」
 と背後で茶化すので、とりあえずマルカブは背後を振り返らないままで、銃口を二人に向けて引き金を引いた。

*********

「うう・・・髪まで泥だらけ・・・」
 二匹の鹿の縄張りを抜けた後、小川のほとりでカリーナは顔を洗い、髪の先を摘みながら嘆くのだ。
「悪かったって。・・・今日は、町に戻るか?風呂入りたいだろ?」
 やはり責任を感じているらしいマルカブの言葉に、「えー、ナルメルの巣まで一気に行ってしまう予定じゃなかったかねー?」とクー・シーが混ぜっ返すので、マルカブはとりあえず小石を投げつけた。カリーナは、平気、と言ってから、
「この先も泥だらけかもしれないもの。余力があるなら先に進みましょう。」
「・・・お前がいいならいいけどさ・・・。」
「うう・・・姫様、なんと健気な・・・・・・・・・それもこれも全部ギルマスのせい・・・・・・!」
「・・・・・・お前はもう口を開くな。」
 嘘泣きをするクー・シーの髭をぎぎぎぎぎ・・・!と引っ張って、マルカブは釘を刺していると、
「あっちの道、一つは行き止まりだったよー!」
 周囲の道を探索に行ったアヴィーとディスケが戻ってきた。
「でもね、すごく大きな蜂の巣があった!」
「いやー、ありゃ見事だね!後で蜂蜜取りに来ようぜ!」
「・・・取りに来ねえよッ!」
「・・・痛い痛いよマルカブ!お髭が抜けるよ!!」
 お気楽なディスケの言葉に、思いっきりマルカブはクー・シーの髭を引っ張り、クー・シーはばたばたと手を振っている。何だよーご機嫌斜めかよーとディスケは笑い、
「それと、この先にお客さんがいたから連れてきた。」
 と、自分の背後を指し示す。長身のディスケの背後から、人懐っこい笑顔の忍の少年と申し訳なさそうに軽く会釈をする星読みの少女の二人組のギルドが現れた。


*******


 現在、「アルゴー」がいる場所は、地下4階。
 10日ほど前に地下三階から降りる階段を見つけ、喜び勇んで4階に降りたものの、ここから先は元老院の許可がなくては進めない、と刀を背負った青年に道を塞がれてしまった。元老院で理由を聞くと、4階の主と呼ぶ大ナマズ「ナルメル」を倒した冒険者に二階層探索の許可を与える、という試験を課していること、その試験を受ける気がある冒険者だけに4階の探索を許していることを告げられた。『アルゴー』は全員一致でその試験(ミッションと呼ばれているが)を受けることに同意し、地下四階の探索を許可をもらった。互いの出来ることと出来ないことを把握し始めた『アルゴー』は、初めて樹海に潜った一ヶ月ほど前の様子とは打って変わって、地下四階を順調に進んでいた。
 忍と占星術士の二人組のギルド「ムロツミ」に出会ったのは、その4階の探索も終盤にさしかかった頃だった。
 地下二階と三階の探索中に「ムロツミ」のそれぞれと会っている一行は、彼らのナルメル退治の協力を提案され「どうせ倒すつもりだし。」とそれを受けた。彼らから、ナルメルの習性を聞き「ナルメル退治の実戦は任せるよ!」と押しつけられ、なんだかうまく利用された気がしつつも、結局やることは変わらない。ナルメルを倒すこと。
 そのナルメルの巣の手前にある野営地で、彼らは休憩をとっていた。
「アイテムも十分だな・・・。」
 マルカブが荷物の中を確認しながら呟いた。十分、というより、これ以上の物を買おうとしても金がないのも事実だが。カリーナも荷物袋をのぞき込んで聞く。
「町に戻らないで、ナルメル倒しに行く?」
「そうした方が効率いいよなあ。ここで少し休めば回復するだ・・・」
「くしゅん!」
「・・・ろうと思うんだけど、やっぱ町に戻るか。お前、風邪引くだろうし。」
「平気!」
 カリーナは肩から掛けている上着の前をかきあわせた。
「すぐに服も乾くもん!」
 カリーナはそう言い、焚き火にかざしている自分のドレスを指す。野営地近くに流れる滝を使って、泥まみれになったドレスを洗い、干しているのだ。そして、カリーナはまたクシャミをして上着をかき合わせた。袖の破れたその上着はマルカブのものだ。小柄なカリーナはそれを、だっぽりと肩からマントのように掛けている。
 もうちょっとマメに洗濯しとけばよかったな、とマルカブは思いながら頭を掻き、
「あのなあ、女の子が体冷やすもんじゃねえだろ。やっぱ、町に・・・」
「そのフェミニストぶりの半分でもいいから老人に優しさを!!」
 と、ハイハイハイ!と手をあげるのは焚き火に当たっていたクー・シーだ。
「わしも泥にハマった上に、姫に踏まれて泥まみれなのに、何で誰も労ってくれない上に上着も貸してくれないんだね!?」
「お前、もともとロクに服着てねえじゃねえか・・・」
「そういうんじゃないんだよ!気分の問題だよ!おじいちゃんだって、上着借りてその優しさにトキメいたり、ほのかに漂う匂いにきゅんっ☆としたりしたいよ!」
「・・・汗くさいけど。」
「・・・・・・・・・そういう事は言うな。」
 カリーナの呟きに、微かに傷つきながらマルカブは辛うじて言葉を返した時だ、
「出来たー!」
 と、テントの中からディスケとアヴィーが出てきた。カリーナが不思議そうに首を傾げて聞く。
「どうしたの?」
「弾薬の開発!ほら、一気にまとめて攻撃できたらいいだろ?これ、目の前の魔物全部に弾薬打ち込めるようにしたんだ!そこに雷の効果もつけてみた!アヴィーとの共同開発!」
「あのね、エトリアの錬金術が使っている触媒の構造を応用してみたんだよ。」
「いやー、アヴィーが賢くて助かったわー。」
 ディスケが上機嫌でアヴィーの頭を撫で回す。やめてよう、とアヴィーは言いながら、
「触媒のことはマリアさんが詳しいから、強化したいなら聞いてみて。」
「おう!やっぱアレだよな!こういう時に仲間っていいよな!俺に足りないところを補ってくれて、倒れたら回復してくれて!で、火力のないのには俺がフォロー!」
「・・・誰の火力がないだ!?」
「別にマルカブだって言ってねえけど?」
 わはははは、とディスケは笑い、ま、そんなことより、とひらひら手を振り、
「俺の新しい火薬も使ってみてえし、休んだらナルメルの巣に行こうぜ?」
「お前、軽く言うなよ・・・」
「平気だって。言ったじゃんか。俺に足りないところは誰かが補ってくれる。今は、みんな、分かってんだろ?自分と相手に出来ること。」
 だから大丈夫だって、とディスケは笑い、なあ?とアヴィーとカリーナに問いかける。二人は顔を見合わせて、それから、
「「うん!だから、行こう!」」
 と声を合わせて言うのだ。
「僕、星術でナルメルの弱点をつくよ!」
「私、号令ちゃんとかける!」
 やる気満々の子ども二人の様子に、マルカブは頭を押さえてため息をつく。士気、というものも大切だ、ということは分かっていた。
「・・・そこまで言うなら分かった。カリーナの服が乾いたら行くぞ。それまでしっかり休んどけ。」
「「分かった!!」」
「わしの服のことは全く無視かね!?」
「どうでもいいよ、そんなもん。・・・ディスケ、言い出しっぺだ。しっかり、その弾薬使えよ。」 
「おうよ!任せとけ!お前の火力の分も俺が補う!」
「だから火力のことは口にすんなッ!!」


(四章3話に続く)


---------------あとがきのようなもの-------------------

「上着借りてその優しさにトキメいたり、ほのかに漂う匂いにきゅんっ☆としたりしたいよ!」
という台詞は、某Iさんが「裸Yシャツ!」と萌えている辺りから発想させていただきました。
でも、方向性が間違ってる。


ムロツミの登場ポイントがゲームとは違いますが、まあ細かいことは気にすんな。
そして彼らと協力した、ということは・・・二階層(以下規制)。

えーっと、さすがにウチのブログでこの話を載せるとなると、
「ゲームをやった人」だけが読むわけじゃないし、
これからゲームをやってみようという人もいるかもしれないし、
ゲーム内イベントを細かく書きたくないなあ、と正直思ってます。
さすがにネタバレ回避は無理ですけど、匂わせる程度にするイベントもあるかもー・・・。

なお、ゲームをやる予定のない人は、
ウィキのテキスト集などをみて補完してください。(超FUSINSETSU仕様)

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