まよらなブログ

四章3話。

先走った志水の「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮?」妄想話です。


ところで、ウチのギルメンたちの身長設定というものを考えてみたところ

 黒ゾディ:兄さん(初期)と同じくらい
 金プリ子:ウィンリィと同じくらい
 赤パイ :増田と同じくらい
 眼鏡バリ:ハボと同じくらい
 モン爺 :伸縮自在

・・・という感じではないか、と思います。あ、もちろん参考は鋼です。
当然「黒ゾディの背が伸びて、赤パイを抜く」というオチは完備しております。
兄さんも増田を抜いているといいよねッ!!
(爺ちゃん伸縮自在設定はスルーらしい。)



では、興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。



4章3話


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「抜け道、見つけたよ!」
 小柄なアヴィーが木々の間に溜まった落ち葉を取り除き、人が入れる程度の穴を作る。カリーナがその抜け道を地図に書き加え、マルカブがそれを覗き込み、地図と地形を交互に確認する。そこは、いくつものぬかるみが存在する広い湿地帯。その一角で、泥が跳ね上がった。魚の尾鰭が見え、泥の中に消える。近づくと泥を渡るようにして逃げていくナマズの尾鰭。あれがナルメルの尾だ。
「これで抜け道、全部だな。」
「うん、多分。」
 アヴィーが立ち上がり、髪についた落ち葉をはらう。マルカブは地図の上を指でなぞり、
「・・・巣の隅に追いつめるしかねえよな。」
「抜け道を使えば、巣の奥にまでナルメルには気づかれないで行けるものね。」
 カリーナもその指の先を見て頷いた。
「ぬかるみを巣にしてるナマズ相手じゃなあ。抜け道でも使わないと追いつけないよなあ。」
 ディスケが弩の弦を軽く引っ張って、強度を調整しつつ先ほど泥があがった場所を眺める。そこは今は静かに、ぬかるみだけが存在している。
「まあ、ぬかるみの場所も把握したしね、後はナマズを追いつめるだけだね。」
 クー・シーが足についた泥を気にしつつ、ため息をつき、
「いやはや。結局、泥まみれですな姫様。」
「そうね。やっぱり街に戻らなくても大丈夫だったんだ。」
「・・・俺の親切心と罪悪感を踏みにじるようなことは言わないでほしいんだがな。」
 マルカブはため息をつきつつも、
「じゃあ、街に戻るのはアイツを倒してからだ。フェイデンが言うにはナルメルの唐揚げは美味いらしいから、身を土産に持って帰るぞ。」
「おお!そしてマリアさんに調理してもらうわけだね!楽しみだねえ!」
「なーんか、目的が違くなってる気がするけど、まあいっか!」
 わはははは!と笑うクー・シーとディスケを余所に、カリーナはじーっと地図を見つめている。
「カリーナ、どうしたの?」
 アヴィーが聞くと、カリーナは地図に視線を落としたまま頷き、
「うん、今のうちに地図を覚えておこうと思って。」
「・・でも、分かれ道とかないよ?」
「うん、ぬかるみの場所を記憶してるの。」
 そんなことがこの短時間に出来るの?とアヴィーは尋ねようとしたが、カリーナはよし、と頷き地図を丸めた。その二人に、すっとマルカブが寄り、
「アヴィー、カリーナ、」
 わずかに身を屈めた。
「・・・お前ら、ヤバくなったら逃げろよ。」
「・・そういうの、水くさいと思うな。」
 言い聞かせるような姿勢のマルカブに、カリーナは肩を竦めた。
「でも、ありがとう。本当にマズいな、と思ったら、アヴィーを引きずって逃げるね。」
「え、逃げるの?」
 アヴィーが思わず聞くと、カリーナは腰に手を当て、そうよ、とだけ答えた。それを見て、マルカブは満足そうに笑い、カリーナの頭に手を置いた。
「いざという時は、お前の方が大人だな。頼んだ。」
「うん、任せておいて。」
 憮然としたアヴィーを余所に、カリーナははっきりと頷いた。

 
*******


 抜け穴の先の隠し通路を使って、泥の中を潜って逃げるナマズを湿地帯の片隅に追いつめる。木々と「アルゴー」の面々に囲まれ、ナルメルは一瞬止まった。そして、追い詰められた鼠・・・ならぬナマズは、たぷん!と泥の中に潜る。
「また逃げ・・・」
「逃げられんことは奴も分かっとるよ。」
 アヴィーがナルメルの姿を探そうと視線を動かそうとしたときだ、そうクー・シーがのんびりと言い、
「そういうこった。構えろ、アヴィー。」
 マルカブが銃を抜くのと同時に、泥の中からナルメルが飛び出してきた。
 その巨大な体を宙にくねらせ、そのまま5人に向かって落下してくる。巨体で押しつぶすつもりだ。5人はとっさに散開し、ナルメルの巨体は、散開した5人の間に泥をまき散らしながら着地する。巨大な口から低い息を吐くナルメルを見て、カリーナは小さく身震いをした。
「カリーナ!ディスケ!無事か!?」
 ナルメルの巨体の向こうからマルカブの声がする。分断された、ということにカリーナは気がついた。
「おうよ!無事だ!!」
 ディスケの声はカリーナの真横からする。カリーナがそちらに視線を移す。弩の弦を引く準備をしているディスケもカリーナの視線に気がつき、
「カリーナも無事だ!唐揚げのために、ちゃちゃっとやっちまうぞ!」
 と、マルカブに伝えながらもカリーナに声をかけ、いつものように陽気に笑うのだ。カリーナは頷いて、声を出した。
「アヴィーはそっちにいる!?」
「うん!僕、ナルメルの・・・ええっと・・・左手側!」
「正確には左のエラ側かねえ。」
 どうやら左のエラ側にはアヴィーと共にクー・シーもいるらしい。ちなみに俺は尾の左の方!とマルカブの声もする。
 カリーナは先ほどまで描いていた地図を、頭の中で素早く確認する。
「・・・ディスケとアヴィーは頭の方に回って!そっちは足場がしっかりしてるから!」
「おうよ!」
「分かった!」
 ディスケとアヴィーの声がして、ディスケは弩を担いで走り出した。動きを見せた相手に、ナルメルも反応する。カリーナはぱっ!とその視線の前に走り込んだ。
「マルカブ、クー・シー!こっちに来られる!?」
「はいはーい!今行きますぞ!」
「ちょっとナマズの気をひいとけ。」
 気楽な口調のクー・シーと、気楽なようで既に動き始めているらしいマルカブの声がする。カリーナは剣を抜いた。走るアヴィーの姿がナルメルの影から飛び出してきて、カリーナの数メートル横を駆けていく。カリーナの背後数メートル後ろでは、足場を確保したディスケが弩の脚を下ろして地面に固定する。これで最大火力で弩を発射させても反動を最小限に抑えられる。
 ディスケとアヴィーにナルメルの攻撃が届かないように、この位置から動かない。少なくとも、マルカブとクー・シーが合流するまでは動かない。
 カリーナはそう決めて剣を構えた。ナルメルは泥に半分顔を埋めたままでカリーナを見、ずずず・・・と泥の中を這ってくる。カリーナは息をつめ、泥の中の足場でじりじりと後退した。光を放つ触覚(のようなもの)が、ゆらゆらと揺れる。ナルメルはゆっくりとカリーナに向かって前進してくる。いつ飛び掛るか、計っているようだった。
 そのナルメルの背中の上で動きがあった。マルカブが樹海の木々から枝とツタを使ってナルメルの背中に着地、そのままナルメルの頭に向かって背中を駆け降りてくる。濡れて揺れる足場のはずだが、船の上での動きに慣れているマルカブは持ち前の身の軽さで一気に駆け降り、最後にナルメルの頭を思いっきり踏み台にしてからカリーナの隣に着地する。口を開けていたナルメルは、一度軽く泥に沈んだ。それを見て、クー・シーは木々を蹴って跳躍し、沈みかけたナルメルの背中に飛び乗り、そこからまた跳んでカリーナの背後に着地する。
「・・・そこから来るとは思ってなかった。」
 カリーナが、半ば呆れてつぶやくと、マルカブは笑って銃をナルメルに向け、
「泥の中を歩くより早そうだったからな。」
「しかしナルメルはヌメヌメだねえ、気持ち悪いよー。」
 クー・シーが足を草にこすりつけながらぼやく。
「靴履けよ。」
「素足が長寿の秘訣だよー。」
 そんなやりとりをしているさらに背後から、
「まずは炎でいくよ!」
 動かないでね!と声がかかる。三人の頭上をぢぢ・・・っ!と火花が走る。ナルメルはヒレで泥を打った。泥が派手に跳ね上がる中、ナルメルの顔面で小さな爆発が起きた。
「・・・あれ・・・?もっと大きく爆発すると思ったんだけど・・・」
 炎の星術を起こしたアヴィーはその威力に首を捻る。
「あの魚・・・泥で爆発を消したぞ。」
「む、ナマズのくせに頭いいねえ。」
 マルカブとクー・シーの言葉を聞き、アヴィーは再びエーテルを集め始めた。水分を多く含む泥では確かに炎は消されてしまう。しかし、水分があるということは、それが弱点にもなる。
「俺らは運がいいな、アヴィー!」
 弩を発射させながら、ディスケが言った。どうやらアヴィーが考えたことと同じことを考えたらしい。
「お前と一緒に作った火薬、きっとやつの弱点だぞ!」
「・・・うん!」
 ディスケの言葉にアヴィーが頷くのと同時に、ディスケの弩から発射された矢弾がナルメルの胴に衝突。矢弾を変えたのか、いつもよりも重い一撃だ。ナルメルはその衝撃に、ずずず!と泥を滑るように背後に押された。それでも、矢弾そのものから受けたダメージは決して大きくはないようだった。
 デカいだけあって体力あんなー・・・とディスケはボヤきつつ次弾を装填しようとする。そこへ、ナルメルが尾鰭を振って泥をまき散らした。粘り気のある泥がディスケとカリーナの目に入る。思わず目をこすろうとしたカリーナに、「こするな!」とマルカブが忠告し、
「クー爺!治療!」
「はいはい!」
 カリーナに駆け寄ろうとしたクー・シーに、カリーナは「ディスケから!」と言った。射手は目が見えなければ当たらない、そしてこのパーティの主力はディスケの弩とアヴィーの星術だ。
 クー・シーはカリーナの指示に満足げに頷いて、ぬかるみを飛び越えてディスケの元まで移動。
「悪い、カリーナ!」
「平気!」
 ディスケからかかった声にカリーナは答え、不意に自分の体が横抱きに抱えられたのを感じる。そして、すぐ近くで発砲音。それから汗の匂いと体温。おそらく腕一本で抱えられている胴の感覚と頬に感じる風の感触。時々、腕にかかる飛び散る泥の感触。ナルメルの攻撃をマルカブが自分を抱えて避け、安全な場所へ移動してくれているのだろう、とカリーナはすぐに理解する。その耳に、ぶん!と低い音が一段と大きくなるのが聞こえた。次に何が起こるか、カリーナは理解した。
 だから、カリーナは持っていた剣からとっさに手を離した。武器を落とすことが戦場では自殺行為であることは分かっていた。でも、次にきっと起こるのは雷だ。ナルメルとの距離が正確には分からない今、剣に通電し、結果自分を抱えるマルカブにまで通電するかもしれないのだから。
 その直後に、ぢり!という音がして、続いて空気を裂くように雷鳴が轟く。焦げる臭い、とナルメルの悲鳴のような息。そして、アヴィーの、「やっぱり雷が弱点・・・!」という声。
 カリーナは自分の体がすとん!と地面に下ろされたのを感じ、「そこにいろ、カリーナ!クー爺さんがそっちに行くから!」とディスケの声を聞き、そしてギギ・・・ッ!と弩の弦を引く音を聞く。
 ナルメルが吼えた。空気を震わすその音に、それでもカリーナは微笑むのだ。目が見えていなくても、何が起こったのか私は分かる。仲間たちが何をするか、全部分かる!
 カリーナの瞼に手が当てられる。皺の感触。クー・シーのものだ。彼が何かをつぶやき、軽く瞼を押すのと同時に、カリーナの目から涙が溢れて、目の中の泥を押し流す。痛みも消えて、カリーナは目を開け、ぐっと瞼を拭ってから、
「・・・うん、そうだ。」
 カリーナは頷いて、先ほど落とした剣へと走る。ナルメルの尾がムチのようにしなり、カリーナへ向かう。カリーナは剣に向かって滑り込み、剣を手にし頭上に掲げる。そこを尾鰭が通り、剣は一筋の傷をつけた。ナルメルは泥の中でもがき、後退する。下がったナルメルに追い打ちを駆けるように、矢弾がナルメルの鰭を破る。
「私、全部分かるもの。」
 カリーナは立ち上がり、剣を構えてナルメルを見た。全身泥だらけで、けれども王族の典雅な微笑を浮かべて。
「怖いなんて思うわけ、ないよね。」



(四章4話に続く)

---------------あとがきのようなもの-------------------


うちのPCでは「炎」が「焔」に変換されメンドくさかったです。おのれ、増田め。

一応、コマンド入力を考えながら書いてはみましたが、後半は諦めました。
「マッドスロー」は一列攻撃、前衛のプリと後衛のバリに盲目つかないよ、失敗失敗。


プリ子は「王族も前線に立つ騎士の国の姫」という設定なので、
帝王教育の一環として軍事の勉強をしています。
外にほとんど出たことがない彼女が、
曲がりなりにも指示を出せるのはそういう背景があるからのようです。


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