まよらなブログ

七章2話。

先走った志水の「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮?」妄想話です。


今日は、モン爺の昔の仲間【ムルジム】の皆さん名前の由来でも書いてみようかね。

ギルド【ムルジム】:おおいぬ座β星から。意味は「予告するもの」。
         ちなみに19年前に6階まで到達した実力派ギルドです。

セイリアス:おおいぬ座α星、つまりシリウスのギリシア読み。(?)
     ちなみに本名はセイリアス・ソティス・アルファルド。
     ソティスはエジプトのナイルの女神でシリウスを神格化したものだそうな。
     ちなみに20年前のグラフィックが金プリなので、今は30代後半のおじ様です。

ピーコック:くじゃく座α星・・・っていうか孔雀のこと。実は偽名。
     マイ設定では、ハイラガにいる桃パラの従姉で本名は「ブレリア・パヴァン」。
     「パヴァン」はスペイン語の「pavon」(孔雀)からとってますが
     桃パラの鎧の肩についている紋が孔雀の羽みたい、と思って、つけていたので
     くじゃく座を見つけたときは「これだああああ!」と思った。(笑)

ベクルックス:南十字星β星から。
      20年前のグラフィックが病みゾディですが、今もそんなに姿が変わってない。
      探索中に内臓破裂の怪我を負い、体の中が細かく損傷しているので、
      病みゾディの名に恥じない(?)虚弱体質だったりする。      

クー・シー:20年前から全く姿が変わってないんですが、誰もツッコんでないあたり、
     「まあ、クー・シーだから。」で仲間たちも納得してる気がする。


彼らがいなかったら、
師匠パラ子はエトリアには行かないし、デコソドもハイラガには行かないし、
そうなってくると、結果的に黒ゾディと赤パイもアーモロードには来ないんだよな。

というわけで、興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。



七章2話
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 クー・シーは紅茶を一口啜って、話を続ける。
「そうしてわしはこの町にやってきて、そしてお前たちに会ったわけだ。案の定というか、姫の命を狙う輩もいた。まあ、わしよりもよっぽど熱心に姫を守ってくれるナイトがいるからね、護衛の役目はほとんどしてなかったわけだけど。」
 クー・シーはやれやれ、とわざとらしく肩をすくめる。そうだなあ、と言いながらディスケは茶を啜り、
「もう一個、爺さんに任された仕事はどうしたんだ?」
「姫の監視・・・かね。まあ、やっとるよ。姫がセイリアスに反旗を翻すような動きを見せたら、わしは姫をくびり殺すつもりだから。」
 しれっと言ったクー・シーの一言に、反応を示したのはマルカブとアヴィーだ。カリーナは、そうでしょうね、とだけ答えてから、
「でも、そんなことを言ってしまっていいの?」
「姫にそのつもりは全くないようなので。」
 もう監視役の意味もないよねー、とクー・シーはまたわざとらしくため息をつく。カリーナは淡々と、そうね、と答えた。どうでもいい、という態度のカリーナに、クー・シーは苦笑を浮かべた。
「・・・まあ、あとはわしが樹海で思わず喚いた通りだ。姫の護衛も監視も必要なさそうだし、ずっと疑問を抱いていたピックの死の真相を知るためだけに、あの場所で何が起きたかを知るためだけに、わしはあの場所に行こうとした。それしか、なかった。だからあの場所で何が起きたかさえ分かれば、ピックと同じ運命を歩んでもよいと思ったのだ。後先なんか考えなかった。」
 クー・シーはそして、深く頭を下げた。
「・・・そのために、皆を危険な目に合わせた。本当に申し訳ない。」
 クー・シーの頭が下げられている間、少しの沈黙が周囲を包む。何となく、皆の視線が自分に集まっていることにマルカブは気がついた。
「・・・俺が思うのはさ、」
 マルカブが頭を掻きながら口を開いた。
「お前、謝る相手を間違えてるぞ。」
「・・・違っているかね?」
「樹海でも言ったがよ、お前がお前の昔の仲間のために死んだとして。一番後悔をするのはお前の昔の仲間だ。だから、お前は謝る相手を間違えている。」
「・・・む。そこを謝れ、というのかね。」
「ああ、そうだ。結局お前は自分のことだけしか考えてなかったんだ。だから、その仲間の死の真相さえ分かれば、俺らが危険な目に会うことも自分が死ぬのことも、仲間たちが悲しむことすら、全く気にしなかったんだ。」
「・・・そうだね。」
「自分勝手な無茶を、仲間のためだ、と言ったことを謝っとけ。」
「・・・そうだね。」
「それが済んでから俺らに謝れ。そしてこれからは、今まで以上に働けよ。」
「・・・・・・・・・。」
 話は終わりだ、と言わんばかりに、マルカブはアヴィーに茶のおかわりを要求する。アヴィーは頷いて立ち上がり、お湯を沸かし直そうとキッチンへ向かった。ディスケが「茶菓子持ってくればよかったなあ。」と呟き、カリーナが冷めてきた茶を飲みながら「レモンもあるとよかったな。」とつぶやいた。
「・・・あのね、マルカブ。それって、あれかね?わしはまだこのギルドで冒険するってことなのかね?」
「何だよ、引退でもする気か?」
 らしくねえな、とつまらなそうにマルカブが呟いた。
「そうだよなあ。爺さん、生涯現役っぽいもんなあ、いろんな意味で。」
 ディスケがへらへら笑う。クー・シーだけが狼狽える、という珍しい現象がそこでは起きていた。
「いや、まあ、引退はしないけどね。・・・あのね、わしは随分なことをお前たちにしたんだと、思っているんだがね。それでも、まだ一緒に冒険するつもりかね。」
「おじいちゃんがいないと怪我が治せないよ?」
 アヴィーがポットに茶葉を入れ直しながらそう言い、
「そうね。そうしたら大変ね、主にマルカブが。」
 カリーナがおかしそうに笑いながらそう言った。
「・・・・・・俺は前衛で頑張っているだけだ。」
 マルカブの呻きは全く無視して、クー・シーは、
「やはり人が好すぎないかね?わしはそういうのはどうかと思うね。」
「なんだよ、爺さん、自分がやったこと反省してないの?」
 ディスケが含み笑いをする。
「そんなことはないよ。だって、」
「・・・だから、反省してしっかり働けって話をしてんだろうがよ。新しく気功師探すのもめんどくせえし。」
 とマルカブが再び呻いた。
 クー・シーはしばらくぼんやりと一行を見てから、ぐすん、と一つ鼻を鳴らし、
「うわあああああん!お前たち、大好きだよ抱きついちゃうよ!!」
「抱きついてくんな!!」
 隣に座っているカリーナとまとめて抱きつかれたマルカブは、クー・シーを蹴りとばした。

*****

 『これからおじいちゃんは心を入れ替えて頑張っちゃうよ、いやっふーー!』と、クー・シーのあまり説得力のない宣言を聞いてから、アヴィーとクー・シーはベクルックスの家に向かい、マルカブとカリーナは宿にいるだろうシェリアクのところへ向かうことにした。
「・・・シェリアクさん、いるかな。」
「どうだろうな。探索に向かっているかもしれないし。」
 マルカブは答えてから、
「前にも会ったって言ってたよな。シェリアクって一人で探索してるのか?」
「ううん。エラキスさんっていう人と、あとファーマーの子がいるって。」
「三人で6階か。まあ、あれだけ強けりゃ分かんなくもないけどな。」
 マルカブは腕を組んで何かを考えている。カリーナは下から彼をのぞき込むようにしながら、
「シェリアクさんを仲間に誘うの?」
 カリーナの見上げる視線を受けて、マルカブは頭を掻いた。
「そういうことも必要かもな、と思ったんだよ。仲間にっていうか、手伝ってもらいたい。・・・あの部屋をちゃんと調べる為に。」
「・・・私は、イヤだな。あの部屋に行くの。」
「分かってる。お前とアヴィーをあの部屋に連れていくつもりはない。ただ、クー爺の気の済むようにはしてやりたいし・・・俺もあの地図の場所をちゃんと調べたい。」
「・・・・・・、」
 カリーナは目を伏せてため息をつき、それから意を決したように顔を上げた。
「ねえ、マルカブ。あの地図は、マルカブの何なの?」
 カリーナの問いかけに、なぜかぎくりとして、マルカブは懐に入れている地図に服の上から触れた。
「・・・何なのって、何だよ。」
 カリーナはマルカブの手を見つめながら呟くように問いかけた。
「だって、ただの地図じゃなさそうなんだもの。」
「・・・昔の仲間のものだよ。」
「仲間の?」
 カリーナは少し考えて、
「違うよ。」
「何が。」
「その「仲間」は、私たちとは違うよ。」
「そりゃそうだろ。違う人間なんだから。」
「そうじゃない。仲間っていうか・・・もっと違う存在だったんじゃないの?」
 何だか「一体、あの女は何なのよ!」と女に問い詰められているみたいだ、などとマルカブは思うのだ。もっとも目の前の少女も「女」なのだが、その辺りの意識はマルカブには欠落している。
「・・・ガキに話す話じゃねえよ。」
「それって恋人だったってこと?」
「違う。」
 それだけは即答できた。恋人ではなかったのだ、残念なことに。体は重ねても、想いを重ねられたことは一度だってなかったのだから。だからこそ、子どもに話す話ではないのだが。
 カリーナはぷう、と膨れて、「うそつき。」と言った。嘘をついてないのに嘘つきはないだろう、とマルカブは思ったが口には出さなかった。無言は、カリーナに誤解を確信に変えさせるだけの効果はあった。カリーナは何かを訴えようと口を開きかけて、でもやっぱり噤むのだ。
「言いたいことがあったら言え。」
「・・・言いたいことが何なのか、分かんないんだもの。」
 カリーナはぼそりと呟く。
「・・・最近の私、変なんだもの。」
「・・・そりゃあ疲れてんだよ。昨日の今日だし。シェリアクに礼をしたら、またのんびり休もう。蝶亭でアイスでも奢ってやる。」
 気遣いはうれしいけど、そうじゃないよ。
 カリーナはそう言いたかったが、それを口にはしなかった。アイスも食べたかったし、奢ってももらいたかった。彼に、奢ってもらいたかった。
 だから、カリーナは頷いた。ガキは単純だなってマルカブは思うんだろうな、と思いながらも頷いた。彼は、少しほっとした様子を見せ「アヴィーには内緒にな。」と言って、カリーナの頭を撫でた。どうやら、彼女がまだ古代魚の恐怖を引きずっている、と思っているようだった。
 ・・・何でだろう。この人に頭を撫でられるの、ちょっと嬉しかったのに。今はあんまり嬉しくない。
 カリーナはむすっとしたまま、自分の頭の上のマルカブの手を見上げようとして、急に泣きそうになって俯いた。
「どうした?」
「・・・なんでもない。」
「・・・カリーナ、もしまだ辛いなら、俺一人でシェリアクんとこ行ってくるから・・・」
「違うの!そうじゃない!」
 カリーナは声を荒げ、そんな自分に驚いて口を押さえて、
「そうじゃないんだよ・・・。」
 そう呟いて、くすん、と鼻を鳴らすのだ。

*****

 変な空気のままで二人は宿に着いてしまったが、宿屋の少年が満面の笑みで「おかえりなさい!」と出迎えてくれたので、少しだけ救われたような気がした。その少年に、事情を説明し「ファクト」について聞くと、本当は他のお客様のことはあまり教えちゃいけないんですけどね、と言いながら部屋の場所を教えてくれた。
 「ファクト」が使っている部屋は二部屋。(おそらく男女で分けて使っているのだろう。)「アルゴー」が使っている部屋から、最も遠い位置にあった。宿の中で会ったことがないのは、使う廊下が違うからなのだろう。
 その部屋の扉を、マルカブはノックする。中から、「はーい。」と少女の声がした。
「突然、すまない。『アルゴー』というギルドのモンだ。シェリアクはいるだろうか。」
 中で何か話す声がしてから、「今開けるわね。」と女の声がした。
 その声を聞いた途端、マルカブの心臓がどくんと跳ね上がるのだ。
「・・・・・・ガーネット・・・?」
 思わず呟いた女の名に、カリーナはマルカブを見上げる。マルカブはドアを見つめたままだ。その手が押さえる左胸。そこに地図があることをカリーナは知っていた。カリーナの鼓動も一つ大きく跳ね上がった。
 そして、ドアが開いた。開けたのは、ゆるくウェーブのかかった亜麻色の髪の女性。カリーナに、エラキスと名乗った女性だ。彼女はマルカブを見て、そしてカリーナを見て、
「シェリアクから話は聞いてるよ。大変だったね、お嬢ちゃん。」
 と微笑んだ。カリーナは、おずおずと頷いた。
「ちょっと今、シェリアクは出かけてて。すぐに戻っ・・・」
「ガーネット!」
 エラキスの言葉を遮って、マルカブが彼女の肩を掴んだ。強く強く、しっかりとそこに繋ぎとめるように。
「何だよ!お前、生きてたのかよ!何で、元締めのモンに手え出したりしたんだ、お前らしくもねえ!そんなバカなことやったら、どうなるか分かってんだろうが!いくら金にガメつくったって、命あっての物ダネだって、いつも言ってたくせに!」
 マルカブは一気にまくし立てから、何を言ったらいいか分からなくなって言葉を無くす。そんなことを言いたいわけじゃないんだ、と呟いた。それから、溜め息をつく。たった一つ、言葉が滲み出た。
「・・・・・・生きてて、良かった・・・・・・。」
 静かに、優しく、祈りすら込めて。マルカブのたった一言に、カリーナは打ちのめされた。昨日、自分とアヴィーに言った「無事でよかった」という言葉とは、全く違う意味を感じて。そしてその意味はどういうことかを理解して。
 ・・・ああ、マルカブはこの人が好きなんだ。
 その事実に、カリーナはぐっと拳を握りしめた。どうして二人でここに来てしまったんだろう。そう思う。
「・・・あ、あのさ、」
 と、彼女ーーガーネットとマルカブに呼ばれ、エラキスと名乗った女性は、マルカブの肩をぐっと押して、彼を引き離し、
「・・・もしかして、私のこと、知ってるの・・・?」
 不安げに、そう尋ねた。


(七章3話に続く)

---------------あとがきのようなもの-------------------

次回、修羅場ですかね。

後半、はずい。がふがふ。(口から大量の砂を吐き出す音)
とりあえず、読んだ方がうちの赤パイをグーでぶん殴りたくなったら、7章は成功です。

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