まよらなブログ

九章3話。

先走った志水の「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮Ⅲ」妄想話です。

今日は、『アルゴー』のメンバーではないけど、彼らとお友達な
コロネ、サビク、アル・ジルの名前の由来でも書いてみましょうかね。
彼らは、「アルゴ船に乗っていた人に由来する星座」から名前を取ってます。

コロネ:本名はコロネフォルス・ベータックで、ヘラクレス座β星が由来。
    コロネフォルスは「棍棒」の意味なので槌装備です。
    彼女が便宜上使っているギルド名『エルキュール』はヘラクレスの仏語読み。

サビク:本名はサビク・イータスウッドで、蛇使い座η星が由来。
    蛇使いのモデル「アスクレピオス」もアルゴ船に乗ってたぽいので。
    意味は「第二の勝利者」とかそんな意味らしいです。
    ちなみに、彼の連れている羊「ハマル」はおひつじ座からとっていて、
    意味は「羊」です。(笑)アルゴ船の目的の金羊毛ですね。

アル・ジル:本名はアル・ジル・ゼータ(アル・ジルまでが名前)。ふたご座ζ星が由来。
      カストルとポルックスもアルゴ船に乗ってたらしいので。
      意味は「ボタン」という説もあるようですがハッキリしてないようです。
      彼女が連れてる鷹の「ギェナー」は白鳥座の星から。意味は「翼」
      双子座の片割れの父は白鳥のゼウスですし、というぐらいの繋がりで。


あと二人「アルゴ船に乗っていた人」に由来する名前がいるんですけど、後日にでも。
では、世界樹妄想話に興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。






九章3話
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「ジル!!」
 樹海に向かう階段を駆けあがってくるサビクの声に、目に涙を溜めて樹海の入り口をのぞき込んでいたアル・ジルは、ひゅう・・・!と喉の奥で息を漏らし、
「サビクーーーー!!」
 泣きながらサビクに抱きついた。サビクは倒れそうになるのを必死でこらえて、照れも何もとにかく置いておいて真っ先に確認すべきことを確認する。
「ケガは!?」
「・・・大丈夫、大丈夫!でも、カリーナが!」
 アル・ジルが、ひいん!と泣き出す。ギェナーがばさばさとアル・ジルの周りを飛び回った。
「大丈夫、マルカブたちが助けにいったから!」
 サビクはアル・ジルに力強く言い聞かせ、一緒にやってきたアヴィーを振り返った。
「アヴィー!おれたちはもう大丈夫だから、カリーナを助けに・・・」
「うん!二人はフェイデンさんの家に戻ってて!」
 アヴィーはそう言って磁軸の方へ駆け出そうとする。そのアヴィーに向かって
「あ!あそこにいるのアヴィーくんじゃない!?丁度よかった!」
 明るい声がかかる。アヴィーが声の方を見ると、樹海に向かってやってくるエラキスがこちらを指さしている。エラキスだけではなく『ファクト』のメンバーがいた。
「・・・よかった!」
 アヴィーは助かったとばかりに声を上げ、エラキスの隣にいるシェリアクに向かって簡潔に頼み込んだ。
「シェリアクさん!助けてください!」
 泣き出しそうなアヴィーに、シェリアクはただ事ではない様子を察し駆けてきた。アヴィーは必死の口調で、
「カリーナを助けにいかなきゃ・・・!」
「・・・、」
 シェリアクが短く答えようとしたときだ。それをさええぎるかのように、
「カリーナ、とは姫様のことですね!?」
 巨漢のシェリアクの後ろから、黒髪の気功師の少女がぱっと飛び出てきて、アヴィーに噛みつくように問いかける。
「姫様に何があったのですか!?」
「・・・、え、えっと・・・」
「姫様になにが!?」
 ずんずんずん!と詰め寄ってくる少女に、アヴィーがずりずりずりと後ずさりシェリアクに助けを求めた。シェリアクは
「彼女はツィー。クー・シー殿の孫娘だそうだ。」
「・・・おじいちゃんの!?」
 アヴィーはまじまじとツィーと言うらしい少女を見、小さな声で、
「・・・似てないね。」
「そんなことはどうでもいいんです!姫様はどこに!?」
「・・・二階層かもしれないって・・・!カリーナ、逃げて樹海に・・・!」
 シェリアクが、混乱した様子のアヴィーの肩を軽く叩き、
「ともかく向かおう。マルカブたちはどうした?」
「マルカブとおじいちゃんは3階からカリーナを追っています。ディスケは磁軸から二階層にいくって・・・」
 アヴィーの説明にシェリアクは頷き、ツィーを尋ねる。
「・・・ツィーも来るか?」
「はい!私もお力になれると思いますし!」
「では向かおう。エラキス、その子たちを街に連れていってくれ。」
 シェリアクがサビクたちを視線で示し、エラキスは「分かった。」と答える。アヴィーがエラキスに「お願いします!」と頭を下げてから、「こっちです!」と走り出した。ツィーが「ありがとうございました!お礼は改めて!」とエラキスとミラに伝え、シェリアクは「行ってくる」と短く告げて、それを追う。エラキスは、気をつけて、とシェリアクの背中に声をかけ、それから泣きじゃくっているアル・ジルとその肩に手を置いて「大丈夫」と繰り返すサビクを見た。
「君たち、街に戻りながら何があったか教えてくれる?」
 エラキスの言葉に、サビクはためらいがちに頷いた。

*****

 カリーナは古代魚が周遊している通路をのぞき込んだ。古代魚の群は見えない。おそらくロの字型になっている通路の向こう側を泳いでいるのだろう。このまま走り抜ければ、古代魚に追いつかれることなく通路を抜けられる。そればかりか、
 ・・・・・・タイミングをはかれば、古代魚の群とあの刺客をぶつけることも・・・
 と考えかけたカリーナの背中が泡だった。急に、古代魚の巣で体験した空気に包まれたように感じる。そして、『ムロツミ』に起きた出来事と自分が体験したことが混ざり合い、古代魚に呑み込まれる自分までをまざまざと想像しそうになり・・・
 カリーナは自分をぎゅっと抱きしめて、一度大きく息を吸い、吐き出した。落ち着け、今は思い出してる時じゃない。そう自分を言い聞かせ、唇を噛みしめた。無事に帰ったら思い出そう、思い出したことはマルカブに聞いてもらおう、いつものように頭を撫でてくれるはずだ。
 カリーナは自分を慰めるように、奮い立たせるように、自分の頭を一撫でした。彼は撫でてくれるはずだ、撫でてもらいたい、だから生きて帰らなきゃ!
 カリーナは素早く通路に飛び込んで、通路を抜けるべく駆け出す。その背後で、ざっと風の音がし、カリーナは剣を振るうようにしながら振り返った。刺客の苦無とカリーナの剣がぶつかり、弾け、間合いを取るように刺客は背後に飛んだ。
「・・・ダメ!」
 思わず、カリーナが声を出した。刺客の背後に、すうっと古代魚が現れて、そしてその目だけが動いて刺客をとらえた。刺客は背後に現れた気配に振り返る。古代魚と刺客の視線がぶつかり、古代魚は尾鰭で宙を一打ちした。その一動作だけで、古代魚はまっすぐに推進。泳ぐ魚の速度と巨体の重さでもって、刺客に突進。刺客の腹に古代魚は頭から突っ込んでいき、そして刺客はカリーナの方へと吹き飛ばされた。
 カリーナはあわてて刺客を受け止めようとして、彼の背中を抱えるようにした。だが、成人男性の重さと古代魚から受けた衝撃の速さに巻き込まれるようにして尻餅をつき、刺客を抱き抱えるようにしながら地面を転がってしまう。それでも意識は手放さず、彼女は首を上げて刺客の耳元ではっきりと声をかけた。
「大丈夫!?」
 カリーナの声を聞き、刺客の体が震えるように動き、そして咳込みだした。どうやら気を失ってはいないようだ。
 カリーナは刺客を受け止めようとして、放り出してしまった剣を探す。自分たちと古代魚の間、自分たちからは数歩前に剣が落ちている。カリーナは刺客の体をぐっと起こしてから、剣に向かって駆けだした。ほぼ同時に古代魚もカリーナに向かってくる。カリーナは足から剣に向かって滑り込み、剣をすばやく天に向けた。カリーナの頭上を古代魚の腹が走っていく。カリーナの剣は古代魚の腹を一直線に切りつけた。温かいものがカリーナの顔にかかったが、考えないようにした。
 古代魚は刃から逃れるように、頭を上げて上昇した。そのまま大きく宙返りをする。その隙にカリーナは立ち上がり、剣を中段に構えた。宙返りをして再度自分と対峙する古代魚を見たままで、カリーナは背中の方へ鋭く命じる。
「走って!」
 見たわけではないが、カリーナの背後で動きがある。カリーナは剣を構えたままで、じりじりと後退していく。その彼女の背後から苦無が飛び、古代魚の目に突き刺さった。
 カリーナはぱっと身を翻し、古代魚に背を向けて走り出す。その前には刺客の姿があり、彼も古代魚の縄張りである回廊を抜けようと這うように走り出している。
「そこを曲がったら海流に入って!」
 カリーナは走りながら刺客に指示を出し、刺客はその通りに海流に倒れ込むようにして飲まれた。カリーナも海流に飛び込み、古代魚の回廊から一瞬で遠ざかる。そして海流の先に吐き出された二人は、は、と息を吐く。刺客は咳込み、腹を押さえた。ごぽり、というような水の音が刺客の喉からした。刺客は覆面を下ろし、口元を手で押さえる。水のような音を聞いたカリーナは、刺客に駆け寄った。
「血を吐いて・・・!?」
 古代魚が腹にぶつかったときに、腹の中の損傷したのだろうか。刺客は血の滲んだ胃液を吐いた。
 カリーナは己のハンカチを刺客の口に当て、背中をさすり、
「・・・クー・シーがいれば・・・」
 と助けを求めるように、流されてきた海流の向こうを見つめる。そんなカリーナの手を振り払い、刺客はどうにか身を起こした。
「・・・何故、」
 刺客は問いかけようとしたが、横隔膜を動かすだけでも苦しいのだろう。言葉を止めて再度口を押さえる。
「休んでなさい。」
 カリーナは簡潔に命じて、刺客の肩を押し、その背中を壁に預けさせた。そして彼女自身は立ち上がる。
「・・・私の仲間が必ず私を探しにここにきます。それまで休んでいなさい。」
 そう言いながらも、彼女は抜いた刃を納める様子はない。周囲をぐるりと見回しつつも、目の前の刺客に対しても警戒を続けている。
「・・・いいのか・・・」
 胸から上で声を出すように意識しながら、刺客はカリーナに問いかけた。
「・・・私から、逃げるべきだ・・・」
「そんな状態でよくそんなことが言えますね。」
 カリーナは刺客を見下ろし、剣の切っ先を彼に向ける。その剣の先は彼の膝に触れた。
「必要ならこのまま足を刺します。その後は手の甲を。あなたは両利きのようだから、両手を刺さなくてはなりません。」
 淡々と、事務的にカリーナは告げる。
「しかし、その必要はないと判断します。その状態では、あなたは呼吸をすることで精一杯のはず。立ち上がることも針を吹くことも出来ないでしょう。」
 刺客はゆっくりと、腹の中にあるであろう傷を刺激しないように息を吐いた。彼は理解した。この姫は自分を許したわけでもない。ただ単に「殺さない。」といった己の言葉を実践しているだけなのだ。足と手の甲を傷つけて、機動力と武器持つ手を奪っても確かに死にはしないのだから。
 刺客はカリーナを見上げたままで、そして、ため息をつき、それが腹に染みるのか腹を押さえた。そして、ぽつりと、
「・・・つまらないことだ。」
「私は必死です。」
「・・・貴女を、侮辱をしたのではない、姫。私の依頼主と・・・それに仕える私が・・・つまらない。」
 そして、と彼は言い、
「そんなつまらない仕事に失敗した以上、大人しく去るべきだ。」
 彼の視線が一度宙に浮き、急に強い光を宿す。カリーナの背中が総毛立った。刺客の頬が一瞬緩み、それから舌を噛むべく筋肉が収縮する。カリーナは問答無用で剣の柄で刺客の鉢金の上を殴りつけた。金属音とともに、刺客の頭は後方に大きく揺れ、カリーナは男の口に己の手を突っ込んだ。彼女の4本の指を、男の歯が噛みしめた。カリーナは呻き声をあげたが、口に入れた手を抜こうとはしなかった。刺客の頭を抱えるようにして自分の胸鎧に彼の額を打ちつける。刺客の意識が一瞬遠のいた隙に、カリーナは素早く手を抜き、代わりに剣の柄を男の口に押しつけて、猿ぐつわ代わりに噛ませる。ガチガチと歯と柄が重なる音が響く中、カリーナは剣を必死に押さえて、
「殺さないと言ったでしょう!!」
 そう、叫ぶ。
「私は、あなたを殺さないし、あなたは、私と樹海に負けました!死を、覚悟するほどに、負けを認めるのなら、私の、言うことを、聞きなさい!」
 カリーナは、剣をぐっと押して抵抗を示す刺客を地面に倒す。そして、彼にのし上がり剣の柄を噛ませたままで、
「敗者は、勝者に、従いなさい!」
 一喝した。脳に直接叩き込まれるような声に、刺客は反射的に思わず口の力を抜いてしまう。カリーナは、その反応は当然だ、とばかりに頷いた。そこに安堵などはなかった。ただ彼女が見せたのは、己の命令に従った男を誉めるかのような悠然とした笑みだった。
 カリーナは男の口から剣の柄をはずさなかったが、そこに込める力はゆるめた。
「このまま大人しくしていなさい。直に私の仲間が私を探しにきます。」
 カリーナ・・・というよりも一人の姫君は淡々と
「そうしたら貴方を治療してもらいます。」
 冷徹に、男にそう宣言した。


(九章4話に続く)


---------------あとがきのようなもの-------------------

うちのプリ子は土壇場で女王様な行動をとる子だと思うんですが、
仲間と一緒にいると甘えがちなので、単独行動中にしか女王様っぷりを発揮せず、
結果、「なんか嫌な子だなあ。」と思わなくもないが、
彼女を甘えさせているうちの赤パイが悪いんだという結論に落ち着くことにする。


そして、この9章は何故か書いては消し書いては消しを繰り返し、
まだ4話が出来ていないのである!ひー、来週休みないのにー!!

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