まよらなブログ

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12章2話。


先走った志水の「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮Ⅲ」妄想話です。

昨日の夏コミで、井藤さんのロマン本・世界樹の迷宮3個人誌「そらゆめ」を
お買い上げいただいた方々、どうもありがとうございます。
志水がふらっとサークルに立ち寄ったら、ラスト一冊になっててビックリしました。
ファラ子が表紙だからでしょうか、さすがです。

表紙といえば、井藤さんから、5ページぐらい話を書いてよ、と頼まれた時に
「表紙はバリとファラ子だから、赤パイの話とか書くなよ。」
と念を押されてしまいましたが、「書くな。」と言われたら書きたくなるのが人の性、
敢えて「うちのギルマスの受け売りなんだけど。」という台詞を入れることにしました。
まあ、元々、将来的にうちのファラ子は赤パイの嫁になる設定はあったので
「眼鏡バリに言われた言葉で、ファラ子の人生が少し変わって、
 その結果、進んでいった先に、その言葉を最初に言った人に会う。」
というコンセプトの元、あんな話になったとかそんな裏話を暴露しつつ、

あの本から、このサイトに来てくださった方はどうぞゆっくりしていってください、
最初から読むの大変だと思うので、6章辺りから読むのがいいかもしれません、
どこから読んだとしても、擬似家族でキャッキャッしてるのがメインです、
ナルメル戦は4章で、ケトス戦は10章で、深都到達は11章です、
バリの言ってた「うちのギルマスの受け売り」の言葉については3章5話にあります、

と、書いておこうと思います。



あ、ちなみにファラ子は大人になってから赤パイと会うので、
年の差15だけど、ついでにうちのプリ子・カリーナとファラ子は同い年だけど、
決してロリコンではない、と、ヤツの名誉のために言っておこうと思います。
うちのプリ子とファラ子、同い年だけどねッ!!(重要らしい)



で、妄想話に興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。



12章2話
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『アルゴー』が深都から戻ってきて、6日目の昼。アーマンの宿に、ディスケが地図を持ってやってきた。
「ほい。これが地下8階の地図。元老院には写しを提出したから。」
「悪いな。コロネにもよろしく言っといてくれ。」
「あ、そうだ。聞いてくれよおとーさん。昨日、その地図を元老院に持ってくときにさーアヴィーと会ったんだけどさー、」
「ああ。アヴィーから聞いてる。」
「アイツ、ホントに素直だよなー。おとーさんが思わず甘くなるのも分かるわー。」
「甘やかしてるつもりはないんだけどな。」
 マルカブは地図を見ながらそう言い、本当に甘い父親みたいなことを言ってるな、とディスケは苦笑する。今度、町中で「おとーさん!」と呼んでやろう、絶対に振り返るに決まってる。
 ディスケがそんなイタズラを画策している中で、マルカブはふと顔を上げ、
「あー・・・。そういや、落ちてなかったか?」
「ん?何を?」
「俺の帽子。ケトスの広間で落としたらしいんだけど。」
「あー・・・見てないな。あの時、拾っておけば良かったんだろうけど、悪かったな。」
「そんな場合じゃなかったろうよ。謝るな。」
 礼を言うべきなのは俺なんだし、とマルカブは言いながら地図を丸めた。ディスケは笑いながら、
「それは言わない約束だろうよ。」
「・・・いつの間に約束になってるんだ。」
「じゃあ、今から言わない約束だ。お前といいアヴィーといい律儀だよなあ。まあ、律儀なところは似てもいいんだけど、鈍いとこまで似られてもなあ、女の子たちが泣いちゃうー。」
「あ?」
「そういえば、うちの可愛いお子ちゃまたちは今日はどうしてんの?いつもおとーさんの周囲でキャッキャッしてるのに。」
「買い出し頼んでんだよ。」
「なんだ、残念。俺、この後、知り合いに時計の修理頼まれてるんだよなあ。すぐに帰ってきてくれれば会えるんだけど。」
 とディスケは肩を竦める。地元民であるディスケは宿には泊まっていない。探索も休みにしていることもって、4日ほど会っていなかった。ほぼ毎日会っていたせいで、数日会わないだけで不思議な感じがするのだろう。マルカブは呆れた様子で息を吐き、時計を見て、もうすぐ帰ってくるだろ、と言った。
 
*****

「アヴィー!ほら、早く!」
 カリーナが買い物袋を抱えながら、同じように買い物袋を抱えつつ店に飾ってある望遠鏡を物欲しそうに見ているアヴィーに声をかける。アヴィーは生返事をして望遠鏡を見つめ続けているので、カリーナは来た道を戻って、アヴィーの耳をぎゅーっと引っ張った。
「痛いよう!!やめてよう!」
「もう!道草食ったらダメでしょ!」
「だって、この望遠鏡新しいのだよ!この倍率なら今まで見てた星ももっとはっきり見えるんだよう!・・・いいなあ、ほしいなあ・・・」
 目を輝かせるアヴィーを見てから、カリーナは値札をちらりと確認した。そして、溜め息まじりに、
「・・・アヴィー。マルカブにおねだりしたらダメだよ。とてもじゃないけど買えないし、それにマルカブはウチが貧乏なのを気にしてるんだから・・・。」
 と忠告した。分かってるよう、とアヴィーは答えて、望遠鏡から離れた。
「・・・バイトしようかなあ。ちょっとずつお金を貯めたら、何年ぐらいで買えるかなあ。」
 歩き始めて、時給750エンだとして・・・とアヴィーはぶつぶつ計算を始める。その様子を見て、カリーナが首を傾げた。
「ねえ、“ばいと”って何?」
 アヴィーはきょとん、とカリーナを見つめ、それから、ああ、と頷いた。そうだった、カリーナはお姫様なんだっけ。
「ええっとね、仕事をすること・・・うーんと、普通の仕事とは違うんだけど・・・、そうだ!仕事してる人の手伝いをすることだよ!」
「お手伝い?」
「お手伝いの仕事だよ。だから、お金ももらえるんだよ。」
「お駄賃みたいなもの?」
「・・・カリーナはバイトを知らないのに、お駄賃を知ってるの?」
「マリアさんに貰ったことあるから。お掃除を手伝ったら、これでアイスでも食べなさいって。アル・ジルとミモザと二段重ねのアイス食べちゃった!」
「え!?ずるいよう!僕も食べたかった!」
「ずるくないもん。」
 そんな話をしながら、今度はカリーナが足を止める。そして、道の脇にある小さな店をじっと見たかと思うと、つかつかつかとその薄暗い店内に足を踏み入れる。
「カリーナ?どうしたの?」
 アヴィーが慌ててそれを追い、そしてカリーナがある品物をじっと見つめているのを見た。アヴィーもその品物を見つめ、あ!と声をあげる。
「・・・アヴィー。私でも“ばいと”出来る?」
 カリーナはその品物の値札を見ながらアヴィーに聞く。アヴィーは、うん、と頷いてから、
「僕も!僕もバイトする!!」


*****


 三時間経っても帰ってこない子どもたちを心配して、マルカブは松葉杖をつきながら、街を歩いていた。
「・・・どこに行ったんだ・・・うちのガキどもは・・・怪我人を歩き回せるんじゃねえよ・・・」
 ぶつぶつ言いながらやってきたのは、贔屓の酒場・蝶亭だ。準備中の札が掛かっているが、この付近で二人を見た、という人がいたのだ。マルカブは札の掛かったドアに手をかけ、
「準備中のとこ悪ぃ、ママさん。もしかして、うちのガキども来てな・・・」
「うわあああん!マルカブ、助けて!!」
 蝶亭の扉を開けるなり、泣きながら小柄な誰かがマルカブに駆け寄ってきて、その後ろに隠れる。それを、リボンを持った蝶亭の女主人が追いかけてきて、
「コラ!カクレるナ!リボンをつけタラ、完成ダゾ!」
「完成、じゃないよう!!」
 背中の後ろでみぎゃーー!と泣くのは、メイド服を来た14歳ぐらいの、さらさらストレートな黒髪の美少女だ。『彼女』は大きな瞳を潤ませながらマルカブを見上げて、
「ヒドいんだよう!ママさん、働くならこの格好じゃなきゃダメだって言って・・・僕の服もどっかに隠しちゃうし!カリーナは笑ってるだけでママさん止めてくれないし!!」
「だって・・・!似合ってるんだもん・・・!!すごく可愛い・・・・・・ッ!」
 店のカウンター席に腰掛けて涙まで浮かべて笑っているのはカリーナだ。
 そう、まったくもって可愛かった。(当のメイド服の『少女』は、「可愛い」の一言にむきゃーーーー!!と怒りだした。)マルカブは蝶亭の女主人から『美少女』を庇いつつ、
「・・・あー、大丈夫だ。俺が来たからには大丈夫。」
 と根拠のないことを言いつつ、ごほん、と咳払いをして、
「あー・・・、ところで、"お嬢ちゃん”。おねーさんかイトコのおねーさんはいる?」
「・・・・・・・・・・・・は?」
「・・・あと5年してればなあ・・・。」
 折角可愛いのに子どもじゃなあ、と呟かれた一言に、メイド服の『少女』と、それ以上にカリーナの方の何かがびきん!!と音を立ててキレた。
「ッマルカブッ!!何を誤解をしてるのッ!?」
「・・・あ?そういや、この子、カリーナの友達か?可愛い子だな。」
 マルカブはそんなことを聞き、それからぽかっと口を開けている『少女』の頭を撫でながら、
「カリーナと仲良くしてやってくれな?」
 と、言った。『少女』は、しばらくマルカブを見上げたあとで、顔を真っ赤にしてプルプル震えだし、
「マルカブのバカああああ!!!」
 と叫びながら、彼の髭をぐぐぐぐぐ・・・!!と引っ張って主張する。
「僕だよ!アヴィーだよ!!」
「・・・・・・・・・・・・え?」
 マルカブは髭を引っ張られながら、じっと『少女』を見つめ、そして、はっ!?と声をあげた。アヴィーは更に髭を引っ張る力を強くして、
「今の驚きは何なんだよッ!?」
「い、いや、なんでもない、冗談だアヴィー、分かってた、分かってたぞ、少しからかっただけだ、いくらお前が女の子みたいな顔をしてるからってマジで間違えたわけじゃない、本当だ、本当だッ!」
「何でムキになってるんだようッ!?」
 メイド服の『少女』・・・というかメイド服を着せられたアヴィーがぷんぷん!と両手を振り上げる。それを見て、マルカブはアヴィーの肩に手を置き、
「・・・・・・何でお前、女の子じゃないんだ・・・」
 がっくりと項垂れるので、とりあえずカリーナはそんなマルカブの背中をぎゅうううう!!と抓った。アヴィーは「だからッ!僕はッ!可愛くないッッ!!」と地団太を踏みながら抗議した。蝶亭の主人だけが大爆笑した。
 アヴィーは、もう知らないよう!!と言ってスカートの裾を翻し、蝶亭の主人に駆け寄って、
「ママさん!僕の服、返して!!」
「イイゾ!その代わり、椅子を使わないデ、届いたらデス!」
 と、天井に近い飾り棚の上を指す。アヴィーは棚の上に自分の服が載っているのを見て、はう!と声を上げた。アヴィーは泣きそうな目で、マルカブを見上げた。
「・・・あんまり、ウチのガキんちょイジメないでくれよ。」
 捨てられた子犬の眼差しで見上げられたマルカブは、女主人にそう言いながら、ひょいっと腕を伸ばしてアヴィーの服を取ってやる。それをアヴィーに渡すと、
「ありがとう!マルカブ!」
 と、自分の服を胸に抱いて満面の笑みで礼を言う。姿は『美少女』に天使の笑みで礼を言われたマルカブは、おう、と答えながら頭を掻いた。着替えてこよう!と店の奥へと駆けていくアヴィーの背中を見ながら、
「・・・ホント、男にしとくの勿体ねえなあ。」
 と、呟いて、カリーナにますます肉を抓上げられた。


「・・・で、何でお前等、蝶亭を手伝ってるんだ?」
 買い出しから帰ってこないから心配したぞ、とマルカブはカウンター席に座りながら、カウンターの中にいる子どもたちに聞く。カウンターの中では、カリーナは皿洗いを、メイド服からエプロン姿に着替えたアヴィーが料理の手伝いをしている。
「“ばいと”することにしたの!」
「探索が休みの間だけ、働かせてもらうことにしたんだよ!」
「だからね!私たち、もうお店の人なの!」
「だから、売り上げがあると嬉しいんだよ!」
「だからね!マルカブ、注文して!」
「ウニのパスタがオススメだよ!」
 サッソク営業えらいナー、と女主人は子どもたちを撫でながら、
「そういうわけダ!オタクのガキんチョは、アタシが預かっタ!暗くなる前に帰スから、安心しろナ?オトーサン!」
「・・・ママさん、本当に俺がコイツらの父親だと誤解してない?」
 マルカブは女主人の胸元を眺めながら誤解を解こうとしたが、サー!仕込みを始めルのでス!と主人は店の奥へと引っ込んでいった。マルカブは溜息をついて、子どもたちに向き直る。
「お前ら、なんだ?金が必要なのか?」
「そ、その、あの、」
「ほ、ほしいものがあるの!」
「何だよ、欲しいものって。」
「あ、あの、あのね!」
「い、いいでしょ!何でも!!」
「俺に言えないようなもんなのかよ?」
「「・・・・・・・・・。」」
「・・・何でそこで黙るんだ・・・。エロ本でも買うのか?アヴィー。」
 からかい半分でマルカブに問われ、アヴィーは真っ赤になって抗議した。
「・・・お、おおおおお女の子の前でなんてこと言うんだよう!?」
「あ、私、気にしてないから。アヴィーくらいの年なら興味あるよね。」
「なんで年上ぶった理解を示すの、カリーナ!?」
 アヴィーは、もう知らないよう!と拗ねだした。間髪入れずにマルカブが聞く。
「で、何が欲しいんだ?」
「ぼう」
「・・・!ダメーーーーー!!」
 思わず答えかけたアヴィーの口をカリーナが塞ぎ、きっ!とマルカブを見て、
「今のわざとでしょ!?アヴィーが慌てたところで口を滑らせるつもりだったでしょ!?」
「・・・あー、カリーナがいないところでやればよかったな。で、何が欲しいんだよ?」
「「・・・・・・、とにかく!!少しの間、バイトするの!!」」
 二人はユニゾンではっきりと宣言し、マルカブは頬杖をついて溜息をつく。「バイトをする!」と宣言しておきながら、反対されないかそわそわしながら二人はマルカブを上目遣いで見つめる。
 ・・・その目に弱いんだよなあ、とマルカブは自覚した。
「・・・まあ、お前等のことだから妙なモンは買わないと思うからいいけどさ。働くからにはしっかりやれよ。ママさんに迷惑かけんじゃねえぞ。」
「「・・・・・・うん!」」
 保護者の許可も出た二人は、ぱあああ!と顔を輝かせて頷いた。
「ねえ、じゃあマルカブ!注文して!」
「お茶だけじゃなくて注文して!」
 メニューを見せながらオススメを伝えてくる子どもたちの相手をしながら、とりあえず酔っ払いに絡まれたら助けてやってくれと、ママさんによーく頼んでおこうとマルカブは思うのだ。



(12章3話に続く)

---------------あとがきのようなもの-------------------

かなり初期から「黒ゾディにメイドの格好をさせる」と決めてたけど、
やっとそこまで辿り着いたどー!

深王様を書くのは気乗りがしなかった志水ですが、ママさんはノリノリで書いてまス!
ちなみに、ママさんは素でうちの赤パイは子どもらのお父さんだと誤解してまス!
もちろん、間違えた情報をママさんに刷り込んだのは眼鏡バリでス!
モン爺は自ら「二人のおじいちゃん」だと言いましたが、ママさんは騙されませン!



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