まよらなブログ

12章3話。

先走った志水の「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮Ⅲ」妄想話です。

そろそろサブスキル、というものを考えねばなりません。
実際のゲーム一周目では、
プリ子 : サブ:ショーグン(号令かけて一斉射撃)
赤パイ : サブ:バリスタ(弩装備で前陣役)
黒ゾディ: サブ:ファランクス(パリィ発動率は本家顔負け)
モン爺 : サブ:シノビ(潜伏して回避率アップ)
眼鏡バリ: サブ:ビーキン(獣の警戒とアンブッシュで強襲部隊作成)
と、なっておりましたが、パイレーツに弩持たせるのはちょっと絵にならないなあ、
と思うので、その辺は変更しようと思います。

なお、うちの黒ゾディのパリィ発動率の高さは、
養母(師匠パラディン)の教育の賜物、ということになっています。
ボス戦でパリィするんだよなー、ボス戦でミリスラ一回のダメパイとは大違いだー。



まあ、妄想話に興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。

12章3話
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 深都から戻って一週間。ディスケは薄い書類を持って元老院へとやってきていた。自由気ままな冒険者とはいえ、元老院からのミッションには簡単な報告書が必要になることもある。まして、今回は元老院の悲願である深都発見を成し遂げたのだ。その報告書の重要性はいつもの比ではない。
 いつもはギルマス任せにしている報告書の作成と提出だが、そのギルマスは脚を怪我しているので元老院へ赴く役は主にディスケだ。(報告書自体は、療養中で暇なマルカブが作成した。面倒くさがりな割にマメな彼は、律儀に経過・結論・推測・要約までちゃんと作る。)元老院の老婆・フローディアはディスケから渡された書類にさっと目を通してから、部下らしい人間にそれを渡した。
「ご苦労だったね。アンタたちのとこは報告が丁寧だから、うちの連中が喜んでるよ。改めて記録書類を作らなくてもいいってさ。」
「まあ、あんな髭を生やしておいて結構マジメだからね、うちのギルマス。」
 ディスケが肩を竦めてから、
「じゃ、これで最終報告おしまいだよな?ミッションは完全にコンプリートだ。」
「そうだね。ご苦労さん。・・・ところで、」
「何だよー。ミッションの依頼なら、うちのギルマスの怪我が治ってからだ。」
「そうじゃない。アンタに聞きたいことがあるんだよ。まあ、個人的な話だけどね。」
「婆さんと個人的な話ねえ。」
「婆さん呼ばわりするんじゃないよ。」
 キッとフローディアはディスケを睨みつけ、それから彼女の執務室でもあるその部屋に飾ってある一枚の肖像画を指した。掌ほどの肖像画には、ぱっちりとした目の美少女が描かれている。
「へー、可愛い子だなー。何?昔の婆さん?・・・なんてことはないかー、お孫さんかな。」
「昔のあたしだよ。」
「へー、お孫さん、可愛いね・・・・・・・・・って、え?」
「・・・・・・・・・本当に失礼な男だね。昔のあたしさ。」
「へー・・・・・・・・・。そうか、分かってるけど、今は素直で可愛いお子ちゃまのカリーナだって60年後にはおばあちゃんになるんだよなー。・・・・・・、ああ!せめて素直なまま年を取って、こんな性格の悪そうなおばあちゃんにならないでもらいたい!おにーさんのお願い!」
「どこまで失礼な男なんだい、アンタは!?・・・まったく、イオタスさんの直系の子だとは思えないね。」
「・・・・・・・・・ん?」
 フローディアの言葉にディスケは振り返る。フローディアはソファにどすん!!と腰を降ろしていた。
「婆さん、今、なんて?」
「あんた、ファーストネームが『アスピス』」だろ?」
「そうだけど。・・・あれ?俺、自己紹介したっけ?」
「さすがにミッションを受ける冒険者のフルネームぐらいは知ってるよ。ただ、まあ、イオタスさん・・・あんたの曾々おじいさんを思い出したのは最近だね。」
 そして老婆はじっとディスケを見やり、
「・・・本当によく似てるのにねえ。何ですぐに思い出せなかったんだろう。年かね、あたしも。」
「ええっとね、婆さん。確かに、俺はアスピス・ディスケ・イオタス、だよ。でも、何だよ、急に曾々祖父さんって。しかも、会ったことあるような言い方してさ。」
「会ったことあるんだよ。アンタの曾々祖母さんはあたしの先輩だったしね。」
「・・・・・・・・・婆さん、何歳なの・・・?」
「女に年を聞くもんじゃないよ。だいたい、アンタの仲間にだって200年生きてそうなのがいるじゃないか。」
「あー。うちの爺さんはね、自称300歳だから。俺はそれでも100歳ぐらいサバ読んでるんじゃないかって思ってるんだけど。」
 ディスケは腕を組み、
「じゃあ、婆さん、もしかして知ってるの?俺の曾々祖父さんは大異変で海都の一部と一緒に消えたって。」
「・・・ああ、知ってるよ。あんたの曾々おじいさんは海都の王家に仕えてた兵士で王様の信頼も厚かった。だから・・・今なら分かるだろう?海都の一部とともに沈んだんだよ、海底にね。」
「うーん・・・もしそうなら、俺の曾々祖父さんはあの深都にいたってことなのか・・・。不思議な感じだなー。」
「・・・イオタスさんは気さくな人でね、当時、少女で宮仕えをしてたあたしにも親切にしてくれてたもんさね。奥さんも・・・まあ、アンタの曾々祖母さんだけどね、姫様の世話係の一人でね、姫様だけでなくあたしのことも可愛がってくれていたよ。」
「へー。俺のご先祖様、当時のお姫様の世話係だったのかー。やっぱその頃のお姫様も、今の姫様みたいに綺麗な子だったの?」
「・・・・・・」
「?どうしたの、婆さん?」
「あ、いや、何でもない、いろいろ思い出しただけでね。・・・そうだね、代々海都の姫はグートルーネの名前を受け継ぐけど・・・みんな、お美しい方々だったよ。」
「ああ、そうか。それの真似なのかな?俺の家、直系の長男のファーストネームに『アスピス』が受け継がれるんだけど。」
「・・・どっちかっていうと、あたしたちが真似をしたんだけどね。」
「ん?」
「何でもないよ。イオタスさんも、『アスピス』を名乗ってた。ま、あんたと同じでセカンドネームで呼ばれてたけどね。背の高さもイオタスさんの血を受け継いでるね。口に礼儀正しさは受け継がれなかったようだけど。」
「あっはっは!そういうこともあるよー。」
「・・・まあ、いずれにせよ、あの二人の直系の子が今も元気にしているのは嬉しいよ。・・・イオタスさんは身重の奥さんを残して、大異変とともに消えたのだから。」
「・・・・・・・・・え?」
「・・・さすがに知らないか。まあ、曾々祖父母のことは、そうそう知らないだろうけど。まあ、そういうことだよ。あたしの知ってるイオタス夫妻はまだまだ新婚で、赤ちゃんが出来たってことを笑顔で報告してくれて、・・・でも、あたしは子どもだったんだねえ。その時、二人がどこかしら寂しそうにしてることに気がつけなかったんだから。」
「・・・それって、」
「そうだよ。後になって、あたしもやっと気が付いたんだけど、二人ともこれから起こる出来事を知っていたんだ。奥さんも承知のことだったんだろう。その上で、イオタスさんは海都の一部と一緒に消えたのさ。何か、崇高な目的のためにね。」
 そして、フローディアはディスケをちらりと見た。その視線に、ディスケの背中にぞくりとしたものが走る。フローディアの中に、怒りなのか哀しみなのか失望なのか、長い年月をかけて変質し固く固く残る澱のようなものを見つける。
「・・・身重の妻を置いてまで、やらなきゃいけないことがあるんだろうかね?」
「・・・・・・・・・」
 飲まれるな、とディスケは自分に言い聞かせた。ああ、くそう!何で一人でここに来ちゃたかな!せめて爺さんでも連れてくれば良かった!!そんな後悔をしつつも、拳を握る。この老婆は、何かの目的のために、ここで自分を飲み込むつもりだ。まるで同情を引くように、己の言い分が正しいと言わせるかのように、ディスケの弱みを突いてくる。
 ディスケはこの老婆が、自分の最も愛しているものをすでに見抜いていることを知った。平穏やら日常というものを、自分が何よりも大切に思っていることをこの老婆は見抜いている。気の合う友達や大切な恋人や、家族にも似た仲間たちが誰も欠けることなく、くだらないことで笑って過ごすそんな日常だ。おそらく崇高な目的のために最も大切な人を『二人も』置いていくことは、ディスケの心情的に納得できないだろうと、そう老婆は読んでいるのだ。
 ディスケは軽く眼鏡を掛けなおした。フローディアの目的は分からない。分からないが、ただ。ただ、一つ事実がある。
 自分は、平穏な日常というものを愛している。だからこそ、ケトスに至近距離で矢弾も撃てたし、多量の血を流すマルカブを抱えるようにして深都を目指せた。極めて平穏ではない非日常だ。でも、それを乗り越えられたのは、子どもらとおとーさん代わりのやたらと可愛いやり取りとか、それをクー・シーとからかうこととか、探索から帰ってコロネが見せる笑顔とか、そういう日常を守るためなのだ。だから、大切な人を『二人も』置いていけたのも、その『二人』と暮らす日常の為だ、と言えないこともないのではないか?
「・・・・・・そうだなあ、ヒドい男だね、俺の曾々じいさんは。」
 と、ディスケは肩を竦めた。
「どんな目的なのか知らないけどさ、でも、きっとそれだけが俺の曾々じいさんの目的じゃないんじゃないかな?俺は、そう思うよ?」
 ディスケの答えに、フローディアは皺を寄せて、ふん、と鼻を鳴らした。
「・・・腹立たしいほどイオタスさんにそっくりだね。」
 ディスケはじっとフローディアを見つめた後に、苦笑を浮かべた。
「怒ってるようで、それ、誉めてるでしょ?婆さん?」
「誰が婆さんだ?」
 フローディアはぎろりとディスケを睨みつけた後、退室を許可した。ディスケには彼女が、少し疲れているように見えた。

***

(・・・何なんだろうな、あの婆さんの・・・妄執みたいなの・・・。)
 元老院から出て、ディスケは肩を軽く回しつつ首を捻った。
(・・・妄執っていえば、あの・・・深都の王様もだ・・・。何て言ったらいいか、分かんねえけど・・・まるで、目的だけ達成出来ればそれでいいような・・・目的と自分がすり替わっているような・・・)
 ディスケは、息を吐き世界樹を見上げた。
(そういや、ばあちゃん言ってたなあ。自分の母さんはよく樹海の入り口まで行ってたって。・・・曾々じいさんが帰ってくるんじゃないかって思ってたってことなのかねえ・・・)
 うーむ、とディスケは腕を組みながら、首を捻る。そうしていると、
「あー!ディスケだー!」
「ケー!!」
 傍らから可愛らしい声と、猛禽の猛々しい声がした。ディスケは周囲を見渡し、ふわふわとした髪と褐色の肌を持つ少女と、その少女が肩に停めている鷹を見つける。
「おう。アル・ジルとギェナーじゃんか。」
「ディスケ、どうしたの?」
 アル・ジルが駆け寄ってくる。冒険の報告、とディスケは答える。ふーん、とアル・ジルは気のない返事をしてから、そうだ!と手を打った。
「ディスケ、この後ヒマ?」
「そうだなー、一応、宿に行って報告終わったぞって行ってこようとは思うけど、暇っていわれたら暇だなー。」
「じゃあ、一緒にわたしのお家に行こ!(アル・ジルが、フィニック家を「わたしのお家」と言ったことにディスケはすこし安心した。フィニック夫妻には相当可愛がってもらえているようだ。)ディスケ、鳥の研究してるでしょ?」
「あ?ああ、鳥の翼の研究な。月まで飛んでいくために。後でまたギェナーの翼を見せてくれよー。」
「・・・・・・グゲー・・・。」
 抗議なのか、ギェナーは低く声を出す。アル・ジルはよしよし、とギェナーの背中を撫でながら、
「実はね、サイミンフクロウの卵を見つけたの!それで、今、お家で温めてるんだけど、見る?」
「・・・サイミンフクロウって・・・。フェイデンやマリアさんは反対しなかった?」
「ちゃんと面倒見れたらいいよーって。」
 大らかすぎないか?と思ったが、サイミンフクロウに対してすらマリアさんは笑顔でヒエラルキーの頂点に立つんだろうな、と思ったので、まあいいか、とディスケは思い直し、
「そうだなー、折角だし見せてもらおうかなー。雛がかえったら、翼の観察させてくれよー。」
「雛がいいって言ったらね!」
 アル・ジルはそう言って、行こう!とディスケの袖を引いて駆けだした。ディスケはそれを追いながら、
「ところで、今は誰が卵を温めてんだ?」
「ハマル!」
「ああ、なるほどねー。」
 なんとなく、情けない声をあげながら自慢の毛に卵を埋めている羊の姿を想像して、ディスケは苦笑した。


(12章4話に続く)

---------------あとがきのようなもの-------------------
 

うちの赤パイはあれでマジメでマメなので報告書はちゃんと書き、
だからこそ書類重視な古いお役所気質の元老院は、
頼りないと思いつつも「アルゴー」を多用する、ということにした。今、そういうことにした。

あれ、バリと婆ちゃんの会話、こんなに長いはずじゃなかったんだけど・・・。
まあ、いろんなことの伏線になる話なので多めに見てください。
サイミンフクロウの件は、サブスキルへの布石です。

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