まよらなブログ

18章4話。

「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮Ⅲ」妄想話です。


世界樹Ⅳの発売が近付いておりますが、
いよいよ獣人キャラグラフィックが出るようで、
「なんでもっと早く出さなかったんだよ」と思いながら、
ウキウキしている次第です。
ファミ通発表したし、そろそろ公式サイトでも発表ですかねえ。


美女と野獣(正確には美女と性格がイケメンのリザートマン)コンビの話
っていうのが、実はネタ帳にあって、そのキャラを流用したのが、
シェリアクさんとエラキスこと、うちのおっさんファラとパイ姐なんですが、
4に獣人出るって分かってたら流用しないで待ったよ!待ったのに!



それでは、興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。


18章4話
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 カリーナとマルカブは攻撃を連続的に叩き込むことにして、【ゲートキーパー】の頭部へと向かう。足の速いマルカブが先に、頭部に攻撃をしかける。彼は溶岩地帯のごつごつした地面を蹴って飛び上がり、頭部の角に片足を掛けた。そのまま足に体重を乗せながら、剣先を頭部に向けた。突く、というよりも上から押さえつけるような動きで一度剣を深く差し込んで、素早く剣を抜き、横合いへ跳ぶ。マルカブの体重と攻撃で、宙に浮かんでいた頭部は地面すれすれの位置まで低められた。そこへ剣を上段に構えたカリーナが、頭部に向かって踏み込んだ。踏み込みと同時に剣を振り下ろす。高から低へと剣先は宙を縦に薙ぎ、重力と速度は斬撃を強化した。マルカブが付けた点のような傷が、カリーナの斬撃で線になる。カリーナは、さらに一撃と剣持つ手首を返した。それを振り払うように、頭部の機械はばちん!と火花を散らし、小さな雷でカリーナを包んだ。カリーナの体がびくん!!と跳ねて、ゆっくり後ろに倒れ込む。そのカリーナに向かって、突進(むしろ頭突き、というべきか)する頭部の前に、横からマルカブが突剣を突き出した。目の前を掠めるようにした、刃の横一線の動きに頭部は素早く止まり、赤い目だけが動いてマルカブを確認した。
 機械の赤い目と目が『合って』、マルカブの背中が泡だった。その赤い目は本当に、機械の点滅だったのだ。オランピアのような意志の煌きは無い。背中に走る悪寒は戦いへの恐怖ではなく、存在そのものへの嫌悪感だった。
 マルカブは剣を引き、倒れ掛けたカリーナを掬うように抱き上げた。彼女を小脇に抱えつつ跳躍で頭部から距離を取ると、クー・シーがそこへ駆け寄ってくる。
「・・・雷による感電だ。姫!聞こえてますか!?」
 マルカブからカリーナを受け取ったクー・シーは、軽く頬をたたきながら呼びかける。カリーナは、う、と声を漏らし、そして目を開けた。クー・シーはほっと表情を一瞬緩めてから、すぐに真顔になって治療を開始した。
 一方、アヴィーも圧縮したエーテルをつかって胴体部に雷の術を叩き込んでいた。一定の速度で回っていた胴体部は一度揺らぎ、しかし次には回転を増し、アヴィーを吹き飛ばすように殴り付けた。
「爺さん!アヴィーも!!」
 ディスケはクー・シーにそう呼びかけながら弩を引く。宙に浮かび上がった頭部を再度打ち落とすと、分かってるよ!というクー・シーの少し苛立った声が返ってきた。
「クー爺はそのままカリーナの治療を!俺がアヴィーを見ておく!ディスケは攻撃を続けろ!」
 マルカブがそう言って、地面に倒れているアヴィーに駆け寄る。アヴィーは起き上がるよりも先に、星術の機械を展開させてエーテルを集めている。意識ははっきりしている上に、戦意はまったく喪失していない。マルカブは思わず苦笑してからメディカを使ってアヴィーの応急手当を行い、カリーナも治療によって再び立ち上がる。頭部は再度冷気を吐き、胴体部はアヴィーの治療に向かおうとしたクー・シーを殴り飛ばした。ディスケが矢弾を放ち、クー・シーにもう一撃を加えようとした胴体部を吹き飛ばした。
 ディスケからの攻撃に地面に倒れた胴体部だったが、のっそりと起き上がり体勢を整えた。そこに頭部が跳んでいき、やはり軽い音とともに胴体と頭は接合した。再び現れたのは、人造の巨兵・【ゲートキーパー】だ。
「・・・!腕を構えさせるな!構えの後に、あの光の攻撃が来たってクジュラが言っていた!」
 マルカブの声に、それぞれが腕を攻撃する。だが、傷を付けることは出来るが、腕を切り落とすことは不可能だった。外装を傷つけ、その中の配線や歯車が見えていたとしても、その中の機能は止まらない。
 【ゲートキーパー】はゆっくりと、両腕を上げていく。構えを取り、なぎ払う光を発するつもりだ。あの光の攻撃を、耐えられるとは思わない。その前に、【ゲートキーパー】を倒せれば・・・せめてあの技を封じることが出来るなら・・・、そう考えて総攻撃を叩き込む『アルゴー』だが、【ゲートキーパー】は倒れる様子は見せてくれない。
 腕が上がり、【ゲートキーパー】は構えを取る。そして、その瞳の光が数度瞬く。
「・・・、伏せろ!」
 これ以上の攻撃よりも身を守るべきだ。そう判断できるギリギリのところまで粘ったが、あの光の攻撃は防げない。だから、マルカブは仲間たちに防御を命じた。『アルゴー』は身を低くし、頭を抱えて地面に伏せることしかできない。【ゲートキーパー】の両の掌が光り、一帯のエーテルが【ゲートキーパー】により消費された。エーテルが空になったその空間を埋めるように、周囲からエーテルが流れ込んでくる。その暴風のようなエーテルの動きに、アヴィーは身を丸めながら震えるのだ。
 そのエーテルの流れに乗るように、
「ぴ・・・・・・・・・ッよーーーーーー!!!」
 仔フクロウの悲鳴のような叫びのような、鳴き声が聞こえた。
「・・・スハイル?」
 ディスケが疑問を口にしたときだ。流れ込むエーテルは圧縮されており、星術といった方法をとらずに、この大地の上で具現化する。大量のエーテルは風に形を変えて、その突風が扉を開いた。
「ぴよん!?」
 悲鳴とともに丸いものが、突風で吹き飛ばされてきた。雛から成鳥に近づいて、白い羽毛が極彩色の羽へと変化しかけている子どものサイミンフクロウ。それが、ぴよーー!と鳴きながら木の葉のように宙を舞い、べちゃ!と【ゲートキーパー】の顔にぶつかった。
「スハイル!?」
 カリーナが身を起こす。「バカ!伏せろ!」とマルカブの叱責が聞こえた。
 【ゲートキーパー】の顔面に貼り付いたスハイルは、自分が貼り付いている『物』が高密度のエネルギーを生じさせていることに気がついた。両の掌に『力』が集結している。この洞窟内の魔物が警戒し恐怖している力がこれだ、と動物の本能で理解する。
 スハイルは尾羽の先まで震え上がった。圧倒的な力の差を反射的に理解し、逃亡の行動をとる。それは動物の本能だ。スハイルは、半分パニック状態で【ゲートキーパー】から・・・、彼のいる部屋から離れようとした。スハイルは転ぶようにして地面に着地し、羽ばたきながら必死に部屋から逃げだそうとする。【ゲートキーパー】は構えた両手の掌を、ゆっくりと『アルゴー』へ向けた。【ゲートキーパー】はスハイルを敵と認識していない。だが、逃げようとするスハイルは、見事に掌の先にいた。
 カリーナが駆け出し、スハイルと【ゲートキーパー】の間に割り込む。その場で両手を広げて仁王立ちだ。
「・・・あの馬鹿!!」
 マルカブが身を起こす動作もそこそこに、疾駆する。カリーナを庇うつもりだ。それ以外の選択は彼にはない。だが、間に合うかどうか。間に合ったとしても、果たして盾にもなれるかどうか。何一つ、意味のない行為かもしれない。
 ・・・ただ、その動きは、恐怖で逃げようとするスハイルの目にも入っていた。
 自分とすれ違うようにカリーナに駆けていくマルカブに、スハイルは思わず立ち止まった。そういえば、とアヴィーがよく言われていることを思い出したのだ。「男なんだから、女の子のことはちゃんと守れ。」とアヴィーは言われて、ミモザを家まで送っていけだのカリーナに荷物を持たせて自分は手ぶらでいるなだの、マルカブとディスケ(と時々クー・シー)からしっかり教育を受けている。
 あ、ダメだ。
 ・・・と、仔フクロウが思ったかどうかは分からないが、ともかく思い出したのだ。それが正しいことなのかどうかも仔フクロウは分からないが、ともかくそれが『アルゴー』の男というものだとは分かったのだ。・・・ならば、自分もそうあるべきなのだ。
 動物の本能。遙かに強い存在に逆らわない、という生存本能もある。けれど、自分たちの「群」を守ろうという本能もある。スハイルの動物の本能は、後者へとシフトした。
「・・・ぴ・・・、・・・・・・ぴよッ!!」
 気合いを入れて、走るための足ではない足で【ゲートキーパー】に向かい直す。羽ばたきとともに跳躍し、吹き込む風に押されて前に跳んだ。そのままマルカブの背中を蹴り付けて、更に跳躍。羽を広げると、突風がスハイルを自然と前へ飛ばした。そういう風に、彼の羽は出来ている。
 スハイルはばっさばっさと羽ばたいて、今度は自分から【ゲートキーパー】の顔に突撃した。そして、その赤い瞳・・・人工の光を見つめる。一定の速度の点滅を、その瞳の中に見つけた。
 スハイルの中でもう一つの本能が動いた。魔物の本能だ。【サイミンフクロウ】と呼ばれる種族の、最大の武器。
 スハイルは【ゲートキーパー】の瞳に自分の瞳をぶつけるように、その視線を合わせた。嘴から、さえずりというよりも呼吸のような、低い音を連続して立てる。フクロウの「ホウ、ホウ」という深く低い音とともに、スハイルの虹彩の色が一定のリズムでゆっくりと変化した。【ゲートキーパー】は動きをとめ、その瞳をじっと見つめる。【ゲートキーパー】の瞳の点滅のパターンが、わずかに揺らいだが、それに気付いたのはスハイルだけだった。スハイルは低い声音と虹彩の色の変化を遅くさせる。それに合わせるように、【ゲートキーパー】の瞳の点滅も遅くなり、
 構えて掌を向けていた両腕ががくん!と下がり、続いて膝を折って【ゲートキーパー】が倒れこんだ。
 スハイルは【ゲートキーパー】が倒れる直前に、その顔から飛び立ち、ぽよんぽよん!と跳ねるように地面に不時着する。首を振るってから、羽を伸ばし、
「ぴ・・・、ぴっ・・・・・・っよーーーーーー!!」
 叫ぶかのように泣いて、逃げ帰るかのように踵を返し、マルカブに抱えられて地面に伏せられたカリーナの元まで駆け寄ってきた。
「スハイル!怪我はない!?」
「ぴ、ぴ、ぴ・・・!!」
「うん、怖かった。怖かったね、スハイル。」
 カリーナはぶるぶる震えるスハイルを抱き上げて、頭をよしよしと撫でてやる。あーマルカブに似てきたなー、とディスケは完全に場違いな感想を抱いた。
「ぴよおーーーーッッ!!」
 スハイルはカリーナに抱きしめられて、ぴよぴよ!と泣きだした。カリーナはスハイル撫でながら、マルカブを見上げた。
「マルカブ・・・、【ゲートキーパー】は・・・」
 マルカブはディスケに視線を投げ、カリーナもその視線を追った。ディスケは引きつった笑みを浮かべながら答えた。
「スハイルはサイミンフクロウだ。催眠で相手を眠らせることが出来るって、アル・ジルが言ってたぞ。」
 そう言いながら、弩を構える。【ゲートキーパー】はスハイルの催眠で眠っている・・・ようだ。実際に、【ゲートキーパー】が起きあがる様子がない。だったら今は何をすべきか、とディスケの言動すべてが物語る。
 カリーナはスハイルを抱きしめたままで号令を掛けた。
「攻撃を!!」
 カリーナの声で、呆気にとられていたアヴィーとクー・シーも我に返った。先陣を切るように、マルカブが倒れた【ゲートキーパー】に向かって踏み込んだ。


(18章5話に続く)

---------------あとがきのようなもの-------------------

ゲートキーパーには睡眠攻撃が効く(ウィキ調べ)
という事実を知って、こういう展開になりましたが、
その事実を知ったのは18章を書き出す直前です。

ゲートキーパーを機械的に描くことで
オランピアがどれだけ人に近いかも匂わせたいのですが、
機械に催眠が効くのはどうなのか、と思います。
なので、サイミンフクロウは鳴き声と虹彩の点滅をぶつけることで
機械が発する何らかのパターンを狂わせてスリープ状態にした、ということでここは一つ。

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