まよらなブログ

19章1話。

「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮Ⅲ」妄想話です。

実は、世界樹3まではおススメしないようにしてました。
あまりにも序盤が辛いゲームなので、
「軽い気持ちで始めた人がいたら、申し訳ない・・・」と思ったからです。
(しかし、スキルが揃う中盤から楽になるゲーム)
しかし、世界樹4は「カジュアルモード搭載」で難易度変更できるので、
まめにツイッターなどで話題に出して、こっそり広報活動に励んでます。
まあ、実際にやってみたら「カジュアルはNORMALで、ノーマルがHARDで、EASYがない」
というそんなゲームなのかもしれませんが。
ともあれ、あと一ヶ月ほどですね。気球にのってどこまでもいけるんでしょうかね。


それでは、興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。

19章1話
---------------------------------------

 四階層の磁軸から、海都の樹海の入り口に戻ってくる。そのまま元老院に報告に行こう、と、『アルゴー』は海都の市街へと向かいだした。朽ちた城壁のようなものを幾つかくぐり、道祖神の前を通ったころ、
「クケーーーーッ!!」
 と、甲高い猛禽の声がして、風を切る音とともに彼らの頭上を翼が舞う。ギェナーだ。空を数回旋回した後に、彼は手近な枝に止まり、もう一回甲高く鳴いた。その声を聞き、カリーナに抱かれていたスハイルが「姿勢を正した。
「ギェナー!スハイルが見つかったー!?」
 少し先から声がする。アル・ジルだ。いなくなったスハイルを探して、樹海周辺までやってきたのだろう。アヴィーが「スハイルはここにいるよー!」と声のした方に向かって呼んだ。
 すぐにアル・ジルが駆けてくる姿が見えてた。彼女はカリーナの腕に抱かれているスハイルを見つける。
「スハイル!よかった!迷子になってるかと思った!!」
 駆け寄ってきたアル・ジルは、数歩前で速度を緩めた。一行が土まみれであることや、真新しい絆創膏や包帯が当てられていることに気がついて、おずおずと聞く。
「みんな、怪我、大丈夫・・・?」
「ああ、平気平気。それより悪かったなー。スハイルのやつ、俺らを追ってきたみたいでさー。」
 ディスケが軽い口調で謝りながら、話題を怪我からスハイルへと戻す。アル・ジルはその誘導で、スハイルを見つめた。
「スハイル、心配したんだよ?家に戻ったらいなくなってるんだもん。」
「ぴよんぴよん。」
 スハイルは甘えた声を出す。ご機嫌をとりたいようだ。気の優しいアル・ジルは頷いて、
「うん、無事でよかったよ。もし、スハイルが迷子になったり、どこかで怪我とかしてたら・・・どうしようって・・・、」
 言いながら、アル・ジルの大きな瞳にじわじわ涙が溜まりだし、
「もし、スハイルがどこかで、怖い思いをしてたら・・・って・・・心配で・・・何かあったら、ディスケになんて謝ったらいいんだろうって・・・」
 そして、アル・ジルはしゃくりあげだした。
「無事でよかったよお・・・・・・」
「な、泣かないで、アル・ジル!スハイルも私たちも無事に帰ってきたんだし・・・」
「そうだよう!アル・ジルが心配したようなことは無かったんだよう!!」
 友達が泣き出して、カリーナとアヴィーが慌てて慰めだした。ギェナーがアル・ジルの肩にとまり、心配そうに彼女の顔をのぞき込む。
「それにね、スハイルは大活躍だったんだよ。」
 カリーナがそう言うと、スハイルは「ぴよー!」と得意げに鳴いて羽ばたいた。そのスハイルの頭に、マルカブがごんッ!!と拳骨を落とした。
「ぴ、ぴよ!?」
 スハイルはきょろきょろと周りを見回した後、拳骨を落としたのがマルカブだと気づき、ぴよぴよ猛烈な勢いで鳴きながら羽をばさばさと振った。両手を振り回しながら抗議するアヴィーの姿を真似ているようだ。
「何を得意になってるんだお前は!」
 と、マルカブは一喝し、スハイルのむんず!と頭を掴んでアル・ジルに向けた。
「確かに俺らは助かったけどな!アル・ジルを泣かしておいて胸を張るな!」
 そんな叱責を受けて、スハイルは一瞬固まった。心配したよお・・・!としくしく泣いているアル・ジルを改めて見て、慌てだす。(ついでにアル・ジルの肩に止まっているギェナーにも睨まれて慌てた。)
「ぴよぴよ!!ぴよー!!」
 マルカブに頭を掴まれたまま、羽と脚をばたばたさせてアル・ジルに向かっていこうとする。マルカブはそのままアル・ジルにスハイルを渡した。アル・ジルがスハイルを受け取ると、スハイルは慰めるように優しくさえずり出す。アル・ジルは「ごめんね、泣いちゃって。」と微笑んでからマルカブを見上げた。
「わたし、もう泣いてないから、スハイルをもう怒らないで。」
「っていうか、お前はスハイルのおとーさんじゃないだろー。スハイルを叱るのは俺の役目ー。」
 ディスケがわざとらしく唇を尖らせた。・・・まともに叱らないくせに、とマルカブはぼやいてから、
「アル・ジル。スハイルのこと、サビクやフェイデンも探してるか?」
「うん。みんなで探してるよ。」
「じゃあ、スハイルは見つかったって連絡してくれ。後で、スハイルとディスケを謝りに行かせる。」
「うん。元老院に行くんでしょ?・・・スハイルも?」
 マルカブはうんざりしつつも頷いた。
「まあ、一応な。立役者だし。」
「ぴよッ!」
 得意げに鳴くスハイルを、ディスケがアル・ジルから受け取って頭の上に乗せる。アル・ジルは、分かった、と答えてから、
「スハイルとディスケだけじゃなくて、みんなでお家に来てね。マリアさんが、わたしとカリーナにワンピース作ってくれるって言ってるの。寸法測りたいって。」
「本当?い、いいのかな。」
「うん。かわいいお洋服は作ってて楽しいからって。なんなら、アヴィーにも作るって言ってたけど。」
「・・・・・・えっと・・・、それは、ワンピースをってこと?」
 アヴィーが恐る恐る尋ねると、アル・ジルは頷いた。
「アヴィーは可愛いから、きっと似合うって言ってたよ。」
「僕は可愛くないッ!!」
 アヴィーが両手を振り上げて、むきー!っと怒ると、一緒になってスハイルが「ぴよー!」と鳴いた。アル・ジルは、それを見て笑い、
「絶対に来てね!」
 と手を振りながら駆けていった。


*****

 元老院にやってきた『アルゴー』の前に、すぐにグートルーネ姫が現れた。クジュラから先に報告を受けており、元老院で待っていたようだ。彼女は明るい笑顔で一行を迎え、ねぎらってから、安心したように口にする。
「…これで、ついに私たちはフカビトの住む深層へ向かうことができます。 」
 グートルーネは安心しきっていて、もうこれで大丈夫、と確信しているようでもあった。グートルーネは一行を見回す。その瞳には、【ゲートキーパー】を倒す前にはなかった信頼の光があった。深都の人造兵を倒すことは、姫にとっては奇跡めいたことだったのだろう。
「きっと、これまで以上に厳しい戦いになるとは思いますが…。…皆さまが協力してくださるなら、きっと目的を達成できると 私、信じています! 」
 その口調は、快活だった。もしかしたら、本当は物怖じしないお転婆な姫なのかもしれない。自分達を買いかぶり過ぎているようにも思えたが、少女が安心したのなら、それで良しとしてしまうのが『アルゴー』だ。世界平和はピンと来なくとも、目の前の女の子が笑っていることには意味も見いだせる。
 グートルーネは自ら謝礼を渡すと、顔を紅潮させつつも疲れた様子で息を吐く。もともと体が丈夫ではないらしいので、少しはしゃいだだけでもすぐに疲れが出るのだろう。グートルーネは丁重に退室を謝罪して、ゆっくりと部屋から出ていった。彼女の言葉は、元老院の老婆・フローディアが引き継いだ。
「…姫さまの言った通りさ。まずはお疲れ様と褒めてやるよ。」
「可愛い姫様の素直なお言葉の後に、そんな風に言われるとちょっとがっかりだよね。」
 とクー・シーが聞こえよがしに呟き、ディスケの頭の上のスハイルが「ぴよッ!」と同意した。宿に帰ったら空気を読むことをスハイルに教えよう、とマルカブは決意した。
 フローディアは、ぎろり、とクー・シーを睨んでから、つまらなそうに鼻を鳴らし、テーブルの上に置かれた巻物を突き出した。
「そして、これをあんたらにやろう。クジュラのヤツがあんたらにならこれを託すことができるってさ。それを役立てるかどうかはあんたら次第さ、精々頑張るんだね。」
「・・・なんだ、こりゃ。」
 マルカブが巻物を受け取り、それを紐解きながら尋ねる。アヴィーとカリーナがそれを左右からのぞき込んだ。画数の多い文字らしきものが並ぶ。おそらく、古い文字だろう。
「【大将軍の采配】って言うものらしい。それを冒険者ギルドに持っていきな。冒険者ギルドを通して、【ショーグン】って呼ばれてる剣士を、あんたらのギルドに派遣してやる。」
「そうは言っても、今の面子で十分だ。」
「ギルドに加えるかどうかは、あんたらが決めればいい。クジュラとしては、全てをあんたらに任せているのは申し訳ないんだろうさ。その気持ちは汲んでやっとくれ。」
 そこまで言われれば断ることもできないし、なにより既にアヴィーが不思議な文字に興味津々だ。すぐに、「ショーグンってどんな技を使うのかなあ!僕、見てみたい!仲間になってもらおうよう!」とか言い出すに違いない。預かろう、とだけマルカブは答えて、アヴィーが好奇心だけで何かを口走る前に、巻物を丸め直した。
 アヴィーが何か言いたげにしていたが、フローディアは「さて、あと一つ話があるよ。」と切り出した。
「あんたらのお陰で、探索が可能になった第四階層の話さ。あの海底神殿に進入可能になった今、新しい頼みがあるんだよ。」
「急だなあ。」
 ディスケが苦笑すると、フローディアはふん、と鼻を鳴らした。
「あんたら以外にゃ無理な話なんだからね。準備ができたら、受領しな!」
「準備も何も、受けないわけにはいけないんだろ。」
 マルカブは巻物をカリーナに手渡してから(アヴィーに渡すと勝手に持ち出しそうだし、クー・シーやディスケもやっぱり勝手に持ち出しそうだからだ)、許可なく部屋のソファに腰を下ろした。
「話を聞こうか。」
 横柄な態度にフローディアは眉を寄せたが、ディスケとクー・シーはわざと横柄さを醸し出していることに気がついた。マルカブは、自分たちに選択権があると、せめて錯覚させておきたいのだ。そうでもなければ、付け込まれる。それが、この老婆に通じるかは別の話だが、フローディアはあっさりと話を進めることにしたようだ。
「それじゃあ、依頼の内容を説明するとしようかね。次の階層、海底神殿はね、今はフカビトの巣になっているが、昔は海都の領土にあったのさ。それが深都と一緒に海に沈み、手の届かない場所にいっちまったって訳なんだ。」
「・・・あの四階層、フカビトの絵が描いてあったけど・・・、海都のものなの?」
 アヴィーが恐る恐る尋ねると、フローディアは舌打ちをした。アヴィーは、怒られた、と思ったのか、半歩後ずさった。「坊やに対してじゃないよ。」とフローディアはつまらなそうに告げながら、
「元々は海都のものだった神殿に、フカビトどもが手を加えたんだろうね。・・・腹立たしい。」
 低く呟いてから、フローディアは頭を振り、話を戻した。
「その神殿に…、海都で昔から育てていた花があったんだ。【アマラントス】っていって、永遠に色あせず凋まないという、とても不思議な花なのさ。」
 話しながら、トーンダウンしていき、それから心配を滲ませた口調になる。
「…あんたら、もう気付いているかも知れないけど、姫さまはとても体の調子が悪いんだよ。先日もとても具合が悪くなって…。」
 フローディアはそう言いながら、沢山の指輪をはめた両手をこすりあわせた。祈りの姿のようでもあった。
「・・・けどね、そんな姫さまの容態を、【アマラントス】の花があれば和らげることができるのさ。フカビト退治は姫さまの体調が戻ってから話すことにするからね。まずは、【アマラントス】の花を探し、摘んできてほしいのさ。」
「いやー、なんか断りにくい話だよなー。」
「女の子には優しくするもんだって考えてるからねえ、うちのおとーさんは。」
 ディスケとクー・シーが茶化すように言い、「そういうことなら引き受けようよ。」とアヴィーが口にした。マルカブは、カリーナに視線を投げた。カリーナは頷いた。
「・・・姫様の容態に同情したとしてもしなかたとしても、受けるしかないんでしょう?」
 冷静なカリーナの言葉に、マルカブは頭を掻いた。受けないわけにはいかないんだろう、と言ったのは自分なのだ。
 マルカブは膝を叩いて、立ち上がった。それが受領の返事だった。


(19章2話に続く)

---------------あとがきのようなもの-------------------

とにかく文語表現の多い、世界樹ゲーム内テキストですが、
「凋まない」を何と読むのか、実は分かっていません(爆)。
攻略WIKIのテキスト集が無かったら、
ゲーム内の台詞再現率は相当に低かったろうと思います。

スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する