まよらなブログ

19章2話。

「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮Ⅲ」妄想話です。

先週、お休みして申し訳ありません。
この妄想話もいっぱいいっぱいな感じの中、
世界樹4が発売されたら、私はどうなってしまうのでしょうか。
あちらはあちらで書きたいネタが出てくるような気がするんですが。
この妄想話の記事の前書き(つまり、ココ)が
世界樹4のプレイ日記と化しそうな気がするんですが。

なお、世界樹4はキャラ名を鳥の名前から取る予定でして
ギルド名は「数珠掛け鳩」を意味する言葉となる予定ですよ。
発売されたら詳細を書くかもしれませんよ、ココで。



それでは、興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。

19章2話
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 元老院からのミッションを受けた三日後。『アルゴー』が蝶亭で注文した昼食を待っていると、そこに『ファクト』もやってきた。
「あ!丁度、よかった!」
 と、エラキスが『アルゴー』を見て声をあげ、丸めた紙を持ったミモザとともにテーブルまでやってきた。
「突然ごめんなさいね。ちょっと、聞きたいんだけど。」
 と、エラキスはディスケに視線を投げた。
「ディスケは機械いじりが得意だって聞いたけど、本当?」
 ディスケは眼鏡の奥で数度瞬いてから、いつもの調子でヘラヘラ笑って、
「ホントホント。何でも直しちゃうぞー。ミモザちゃんの持ってる紙は、何かの設計図?」
「深王様から、【アンドロの設計図】を貰ったんだけど、私たちにはさっぱりで・・・」
「設計図!?アンドロって、人造兵のことか!?」
 ガターン!!とディスケは立ち上がり、ミモザから巻かれた紙を奪い取るように受け取って広げる。
「マジで!?・・・うお!?本当に設計図だ!」
 ディスケは顔面まで紙を近づけて、超至近距離から細かい図面を見つめる。図面の完成図は人型を模してある。オランピアやゲートキーパーのような、人造兵の設計図だ。
「・・・、あ、なるほど、関節の構造はこうなってるのか・・・この部分がクッション代わりになるわけだな・・・、動力部はここか・・・でも何で動いてるんだ・・・?」
 ぶつぶつ言いながら、ディスケはポケットから煙草のパッケージを取り出した。それをエラキスは奪い取った。ディスケは煙草を追い、そしてエラキスが呆れた様子でパッケージを軽く振っているのを見つけた。ディスケは我に返ってから苦笑した。
「ごめんごめん。あんまり珍しくて、つい嬉しくなっちゃったよー。でも、いいなー。いいなー、俺、組み立てたいなー、この通りに作ったらオランピアみたいな機兵が出来るのかなー、いいなー。」
「・・・組み立てられそうですか?」
 ミモザがおずおずと聞く。もじもじと両手をこすりあわせながら、
「パパに見てもらったら、自分には無理だって・・・。ネイピアのお店の職人さんも、忙しそうだし・・・。もし、出来れば、」
「え?組み立ててもいいの?」
 ディスケが聞くと、ミモザはエラキスを見上げた。エラキスは煙草をディスケに返しながら、
「・・・『アルゴー』に設計図を貸したって言ったら、深王様は怒るかしら・・・?」
 と、シェリアクに尋ねる。シェリアクはしれっと「貸したと言わなければ分からんよ。」と答えた。エラキスはそれもそうね、と笑って頷く。
「それじゃあ、お願いしてもいい?材料は、ネイピアのお店に届けてもらってるの。あなたたちも探索があるのに、申し訳ないんだけど・・・」
「平気平気!じゃあ、この設計図は借りてくな!家で作るからさ!うおー、テンション上がっちゃうー、技術屋魂に火がついちゃうーーー。」
「ディスケ、僕にも見せて!」
「私も見たい!」
 アヴィーとカリーナがねだると、ディスケは席に座って「しょーがねえなー、特別だぞー」と言って設計図を広げた。アヴィーが次から次へと繰り出す質問に、ディスケは設計図を指さしながら答えていく。それに、ミモザだけではなくミラやツィーも興味をもって、一緒に設計図を覗き込んだ。
 マルカブはクー・シーを促して立ち上がり、『ファクト』の三人娘に席を譲る。隣のテーブルからもう一つイスを移動させてから、その隣のテーブルについた。シェリアクとエラキスもそこに着く。
「・・・、深王にバレてるのか?」
 小さく短く、マルカブが尋ねると、シェリアクは苦笑混じりに頷いた。
「ゲートキーパーのことだろう?さすがに隠せないな。」
「本当に、タイミングが悪いというか良いというか・・・。私たちに、ゲートキーパーを護れっていうミッションを出そうとしてたときに、ゲートキーパーが倒されたっていう報告が来るんだもの。」
「それじゃあ、深都に行きにくくなっちゃうねえ。」
 クー・シーが茶をすすりながら独りごちると、エラキスは首を振った。
「歓迎はされないと思いますけど・・・、『アルゴー』には今まで通りに深都の施設を使わせるように、という通達が出てます。」
「・・・どうして?」
「更に下の階層から持ち帰ってくるものが深都を発展させる、とのことだ。まあ、それが本音かどうかは分からないが、通達が出た以上は厳守されるのだろう。・・・あの町は、そういう町だ。」
 シェリアクは、低い声で呟いた。確かに、とマルカブは答えたが、それがある種の異常であることは分かっていた。そんな中、エラキスはメニューを広げた。設計図で盛り上がっている隣のテーブルに、注文を決めるように言って、メニューを見つめながら、
「それで、私たちは今度は世界樹と話してこいって言われてね、」
 そう続ける。『ガーネット』は話しながら別のことを考える女だったな、とマルカブはぼんやり思い、我に返って頭を振った。
「本当に樹と話せるのか分からないけど。何か聞いてきてほしいことあるかしら?・・・ああ。私、アサリのパスタにしよう。」
「世界樹が我々の質問に答えてくれるかも分からないがね。」
 エラキスからメニューを渡されながら、シェリアクは言う。彼は、会話をしながら別のことを考えることは苦手なのか、それとも既に注文が決まっているのか、メニューに視線は落とさなかった。
「・・・以前、深王が周期的に記憶をなくす話も聞いた。その原因が世界樹にあるなら・・・、世界樹は『話す』以外のことも出来るのだろうが。」
「世界樹に『ファクト』の皆さんの記憶が消さ・・・ぶほう!?」
 クー・シーがやっぱり茶をすすりながら、何気なく言った一言は、隣のテーブルから足を伸ばしたディスケの蹴りで遮られた。
「悪いなー、爺さんー。俺、足が長いからさー。」
 と、気楽な口調だが、「爺さんー、それをそのメンツの前で言うのはマズいだろーよー。」と視線と手振りで訴える。クー・シーは、ぽん!と手を打って、「そうだったそうだった。おじいちゃんってば、うっかり!」と己の頭を小突く真似で応えた。それを見ていたアヴィーは、なんでディスケとおじいちゃんはパントマイムをしてるんだろう?と首を傾げた。当事者のエラキスは、「一周回って、思い出したりしてね。」と事も無げに肩を竦めるのだ。エラキス以上に当事者なのかもしれない男二人だけが、何とも言えずに口を噤む。その場を動かしたのは、結局のところエラキスだった。
「シェリアク、注文決めた?」
「あ、ああ。」
「あなたたちも決めた?」
 エラキスが隣のテーブルに問いかけると、それぞれから返事が返ってくる。エラキスは女主人を呼んだ。
「あ・・・、あの、シェリアクさん!」
 エラキスが女主人を呼んでいる間に、カリーナの声が隣のテーブルから飛んでくる。シェリアクが視線を向けると、カリーナは慌てて話題を探す様子を見せてから、隣のアヴィーをつついた。
「・・・ほ、ほら、アヴィー。シェリアクさんに、防御の術を教わる話があったじゃない?せっかくだし、この後に教わったらどうかな?」
「あ!そうだ!シェリアクさん!ご飯の後、お時間ありますか?」
 アヴィーがにこにこしながら問いかけて、シェリアクは頷いた。エラキスに続いてカリーナが話題を変えたのは明白だったので、クー・シーが「女性と女の子にフォローされて、情けない男共だよ。」と小声ながらも鋭く呟き、そもそもお前のせいだ、とその情けない男共に睨まれた。

*****

「・・・本当にこんな材料でいいの?」
「そうみたいだぞ?」
 昼食の後、カリーナとディスケとマルカブは台車を押しながら海都の坂を上っていった。カリーナは、蝶亭の外に待たせていたスハイルを抱きながら、台車の上の金属や水晶などの鉱石を見つめて首を傾げた。スハイルも一緒になって首を傾げる。
「・・・この材料で、人造兵・・・アンドロだっけ?その体が出来るのは分かるんだけど・・・、どうして動くんだろう・・・。」
「この箱の中が動力炉らしいんだけどなー。どういう理屈なんだか。」
 分解しちゃうと元に戻せなそうだしなー、とディスケは手のひらに載せた丸い赤い球と設計図を交互に見ながら呟いた。赤い球の小さな穴からは銅線が数本出ているが、その穴以外には隙間も接着した痕もない。一流の職人が吹いたガラスのように薄いが、割れる気配すらない。その中に、薄い板とさらに小さな金属の箱が幾つか入っているのが透けて見える。オランピアの胸部に、同じような球があったのを思い出す。
「まあ、この中身はともかく。それ以外なら、俺の技術でも再現できそう。ちょっと金属の加工と配線には骨を折る気がするけど・・・ま、締め切りもないし丁寧にやるよー。」
「・・・その前に、お前も台車を押せ・・・。」
 一人で金属やら鉱石やらの乗った台車を押していたマルカブが呻いた。「だって俺、設計図と動力炉持ってて両手が塞がってるもんなー。」とディスケは笑って、相手にしない。
「私も一緒に押してあげる。」
 と、カリーナはスハイルを台車に乗せてマルカブの隣に立って、台車を押した。「おかしいだろ。カリーナにやらせる前に、お前が押せよ。」とマルカブはディスケに小言を飛ばすのだが、ディスケは設計図に集中して聞こえていない振りをした。スハイルは台車の上で「ぴよよえー!」と声を出した。蝶亭の女主人の「イザユケー」の声真似のようだ。ディスケは「ほーら、スハイルも応援してるぞー。」と全く他人事のように笑うのだった。
「ねえ、その、設計図通りに作ったアンドロって、オランピアみたいなのかな。それとも、ゲートキーパーみたいなのかな?」
 カリーナが台車を押しながらディスケに聞く。ディスケは設計図を見ながら、
「多分、オランピアタイプだな。多分、能力って言うか・・・知力・・・?みたいなものも、オランピアタイプだと思う。ゲートキーパーみたいにローテーションの行動しか出来ないんじゃ、冒険できねえもん。」
「自律型って、やつか?」
 台車を押しながら坂を昇ってきたため、息を切らしながらマルカブが問う。そうそう、とディスケは頷き、マルカブは感心からか疲れからなのか溜め息を一度吐いた。
「・・・不思議だな。まるで、人間みたいなのが、作れちまうのか。こんな、材料で。」
 感心の方だったようだ。ディスケは肩を竦めて、
「これを突き詰めると、どこからが『人間』ってやつなのか分かんないよなー。そうなるともう哲学だけど。逆に、お人形みたいな人間だっているんだろうし。」
「・・・、」
 カリーナが小さく息を飲んだ音に、隣のマルカブと人間より聴覚がいいスハイルが気がついた。
「カリーナ?」
「ぴぴーぴ?」
 マルカブとスハイルが一緒に尋ねる。カリーナは我に返った。
「・・・、あ、うん、・・・ううん、何でもない・・・」
 カリーナは、前を見たままで答えるが、その色白の頬は蒼白だった。マルカブはもう一度溜め息をついて、左手の位置をずらしてから、右手を台車から離し、カリーナの頭を撫でた。よしよし、と撫でられて、カリーナは一度唇を噛んでから、意を決した。話を聴く、とずっと言ってくれるこの人に、応えよう。
 ・・・昔の私が、どうしてお祖父様の人形のようになってしまったのか、知ってもらおう。
「・・・ううん、何でもないわけじゃないから、」
 後で話を聞いて、とマルカブに囁いた。おう、とマルカブはいつもの調子で短く答えた。


(19章3話に続く)

---------------あとがきのようなもの-------------------

と、いうわけで、アンドロは『ファクト』の一員になりますが、制作者は眼鏡バリです。
ちなみに女の子のアンドロ(帽子かぶってる方)なんですが、
「『ファクト』はハーレムパーティだから、女の子じゃなきゃダメだと思ってさー。」
と眼鏡バリが要らぬ気遣いを見せた結果らしいです。

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