まよらなブログ

20章4話。

「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮Ⅲ」妄想話です。


相変わらず、
世界樹4ED後のNPCの話を書きたいのに、恥ずかしくて最初の一文が書き出せません。
頭の中でゴネゴネ会話させてるんですが、巫女と皇子周りに辺境伯も入れてみたら、
「マジで志水的萌え家族。」ということに気がついてしまい
萌えだけ滾らせております、しかもペットつき!
皇子と巫女にふんふん尻尾を振って寄って行くマルゲリータ!!
子ども(志水の中では皇子は「子ども」)と犬とそれをほのぼのと見守る大人!
やっぱり、やってること、今の世界樹話と何も変わらない!

・・・・・・書き出しの一文・・・誰が口火を切るかだけ決めておこうかな。


それでは、興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。

20章4話
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 『アルゴー』は数日かけて下へ下る階段に到達し、14階に降りた。とはいえ、そこに辿りつくまでにボロボロになっており、見つけたばかりの抜け道と磁軸を使って、一行は海都へと戻ってもきた。
「あー、おとーさん。明日の探索、中止にしてくんない?」
 樹海の入り口から街に戻る途中、ディスケがそんなお願いをし、子どもたちがブーイングをする。「コロネちゃんとデートかねー、この色男ー。」とクー・シーが茶化し、マルカブはうんざりした様子でディスケを睨みつけた。違う違う、とディスケは手を振り、
「『ファクト』に頼まれてたアンドロが、もうちょっとで完成するんだよ。今日は徹夜して仕上げてやりたい。だからさ。」
「ホント!?僕も手伝う!アンドロが動くとこ見たい!」
「私も!」
「ぴよ!」
 アヴィーとカリーナ(とスハイル)が、目を輝かせて意見を変えた。じゃあ今日は俺んち泊まるかー?とディスケは笑う。マルカブは溜息混じりに「そういうことなら。」と答えた。
「ま、いいだろ。姫さんには申し訳ないけど、一日ぐらい。俺もゆっくり寝てたいし。」
「おとーさんも手伝いに来いよー。お子ちゃまたちだけでお泊まりさせる気なのかよー。」
「だからだろ。たまには子守りを代われよ。」
「何、それ!また私たちのこと、子ども扱いして!」
「僕たち、子守りなんかされてないもん!」
「ぴーーーー!」
 ぷんぷん怒り出す子どもたちの言い分をマルカブは聞き流し、ディスケが笑って、
「しょーがねえなー。よし!俺ん家来たら、おとーさんに怒られることもしちゃおうな!歯を磨いた後にお菓子食べてもいいし、いくらでも夜更かししていいぞ!」
 そっちの方が子ども扱いだ、とアヴィーとカリーナの文句はディスケに向いた。ディスケは「じゃあ、おとーさんに内緒で酒飲んじゃおうぜ!煙草も吸ってみる!?」と聞き、聞こえてるぞ、とマルカブにツッコまれた。
 相変わらず、しょうもない会話をだらだらと続けている『アルゴー』の前に、人影が現れて、一行は足を止める。彼らを待っていたかのように現れたのは、海都の剣士・クジュラだった。
「・・・悪いな、まだアマラントスは見つかってない。」
 マルカブがそう告げると、クジュラはそうではない、と首を振る。彼は一行を(スハイルも含めて)見回し、口を開いた。
「・・・お前たちにある方から伝言がある、少し長いが・・・聞いてくれるか? 」
 クジュラの視線は、マルカブとカリーナをゆっくりと交互に行き来した。少し戸惑いながらも頷きを返すと、クジュラは礼を返すように続けた。
「・・・そうか。これは、古い時代の、とある兄妹の微笑ましい話だ。お前たちも知っているだろう? 海都が興るその前に、世界に白い光が降り注いだという昔話を。それは分け隔てなく降り注ぎ、手にした全ての者を癒したという。」
「ああ、【白亜の供物】の話か。」
 と地元民のディスケが言い、アヴィーが
「僕、蝶亭にいた詩人さんから聞いたことあるよ。大昔、疫病が流行ったときに白い光が降ってきて、それに触ったら病気が治ったんでしょう?そのときに世界樹が出来て、その世界樹を中心に町を作ったんだよね?」
 とディスケに聞くと、よく出来ました、と返事が返ってきた。クジュラも頷き、続ける。
「・・・子供のお伽話といえばそれまでだが、妹はそのお話を信じ、その白い光を欲しいとせがんだ。兄は体の弱かった妹の希望を聞きいつか必ず・・・と約束した。・・・しかし、程なくして兄は姿を消した。」
 先ほどのクジュラの視線の意味を考えていたカリーナは、思わずマルカブの上着を掴んだ。マルカブがカリーナに視線を落とすと、カリーナは不安そうに彼を見上げてくる。俺はどこにも行かないよ、とマルカブは囁いた。囁きながら、むしろお前がどこかに行くんじゃないかが心配だよ、と心の中だけで告げるのだ。クジュラの話は続いている。
「・・・妹はそのことを嘆き悲しんだ。だが、妹は、もしかしたら兄はあの時の光を探すためにどこかへ行ったのではないか・・・、そう考えた。それ故に妹自身も探すことにした。」
 自分が求めたその【白亜の供物】をな。とクジュラは溜息を交えて語る。
「・・・だが、見つからなかった。兄も【白亜の供物】も・・・、手にしたのはただコレだけだった・・・。」
 そう言って、彼は懐から黄金色の碗を取り出した。
「・・・【空の玉碗】。そう呼ばれている。」
 クジュラの言葉を聞き、昔話なんかじゃねえじゃんか、とマルカブは心の中で毒づいた。クジュラは、その碗を『アルゴー』に向かって差し出した。
「・・・それを、お前たちに持っていて欲しいそうだ。」
「・・・・・・・・・、誰が?」
 マルカブは、一度唾を飲んでから尋ねる。ディスケの弩に停まっていたスハイルが、ぴー・・・と鳴いた。一人と一匹を見つめながら、「・・・伝える必要があるか?」とクジュラは尋ねた。答えなどお前たちは分かっているだろう、と言外に匂わせる。
 マルカブが(そしておそらくスハイルも)、碗を見ながら思い出したのは、先日の元老院で会った姫だ。姫の異変、フカビトを思わせる何か、ごぷりと波打つ腕、「羨ましい」という言葉と「私は失ってしまった。」という言葉。明白に繋げる手がかりはないが、この碗は姫からの預かり物だと理解する。あの時、姫から感じた冷気のような夜の闇のような濃厚な毒花の匂いのような空気・・・それを薄く引き延ばした雰囲気を、その碗は持っていた。
「・・・・・・ッ、・・・ぴよーぴん!」
 スハイルが弩からマルカブの肩に降りてきた。そして、嘴を碗に向け「ぴよッ!」と何かを主張する。何かを退けたいときのスハイルは、それを蹴り飛ばす(カリーナの近くにいるマルカブは、彼女を独占したいスハイルによく蹴り飛ばされる。)ので、受け取るな、というわけではないようだ。・・・と、いうより。むしろ。
 マルカブは肩にとまっているスハイルを、横目で見ながら、
「・・・こんな得体の知れないものを持っとけって?」
「ぴよッ!」
「・・・・・・動物の勘か。信じるけどよ。」
 マルカブはそう言って、碗を受け取った。スハイルは肩の上で「ぴよ!」と鳴き、そのままカリーナの胸に向かって飛び降りた。カリーナが降りてきたスハイルを抱きとめる。
「とにかく、そいつを持っていてくれればそれで構わん。ではな・・・。」
 役目を果たした、とクジュラは踵を返した。何だよ、と呟くマルカブの手元にある碗を、アヴィーとクー・シーが覗きこむ。
「・・・何だろうね。お茶碗ってこともないだろうし・・・何かの儀式の道具なのかな・・・。」
「味のある碗だよねー。夜中にここから手が出てきて、中に人を引きずり込むような!もしくは、ここから血とか黒い泥が溢れてくるような、そんな味わいがあるよね!」
「・・・そういうのは『味がある』とは言わない。」
 マルカブは溜息を付きつつ、碗を背嚢に放り込んだ。アヴィーがぱたぱた腕を振りながら、
「や、やめてよう!そういう話!」
「アヴィーは怪談が苦手かねー。夜中におトイレ行けなくなっちゃうかねー。」
「あー、じゃあ、今日は百物語しようぜー。」
 ディスケが笑い、やだよう!とアヴィーが慌てて首を振る。カリーナとスハイルが首を傾げる。
「『ひゃくものがたり』って?」
「ぴ?」
「怖い話を100個するんだよ。一つ怖い話をするたびに、蝋燭を消していってな、最後の一本を消すと・・・」
「・・・この世のものとは思えぬ物が・・・・・・、・・・ッぬわあっ!とでてくるのですよ!!」
「ぴーーーーッ!?」
 スハイルが飛び上がって、「ぬわあ!」とでてくる真似をしたクー・シーを蹴り飛ばし、その後でカリーナにしがみついた。カリーナはスハイルをよしよしと撫でつつ、「スハイルを脅かさないで!」と文句を言い、「別に脅そうとしたわけではないのですが。」とクー・シーが言い訳をする。マルカブが呆れて、
「あー、もー。どーでもいいから帰るぞ。ディスケも、早く作業した方がいいだろ。」
「そうだなー。早く完成すればそれに越したことないし、それに早く完成すれば、百物語なりお子ちゃまたちに酒を飲ますなり出来るしなー。」
「僕はどっちもしないよ!」
「なんだよー、百物語はともかく、お前も年頃なんだから酒とか煙草とか興味あるだろー。」
「未成年の飲酒・喫煙は成長を阻害するって本に書いてあったもん!僕、背が伸びなかったら困るもん!」
 やたらと可愛い理由を一生懸命述べたアヴィーは、それに、と続ける。
「初めてお酒を飲むときは、楽しい気分で飲めってマルカブが言ってたよ!だから僕、最初はマルカブと飲むんだもん!」
「・・・・・・あ?」
 マルカブが聞き返し、アヴィーは慌てて口を押さえてから、
「な、な、何でもないよう!は・・・は、は、早く帰るよッ!」
 たーっと駆けて行ってしまい、競争だと勘違いしたスハイルが「ぴよーー!」と鳴いてカリーナを急かすので、カリーナも後を追って駆けだした。そういえば、アヴィーに「人生最初の酒の話」をしたなあ、とマルカブは思い出す。
「おとーさんはモテモテだねえ。」
「マジで両手に花だよなあ。」
 クー・シーとディスケがぷーーっと吹き出しそうになりながら、茶化す。うるせえよ、とマルカブは言いつつも鼻の頭を掻いた。
「でも、少年少女に愛されすぎてて犯罪臭がするよー」
 とクー・シーが鼻を押さえながら眉を寄せるので、うるせえよ!とマルカブは言いつつ、クー・シーの髭を捻りあげた。


*****

 一行は宿に帰り、傷の手当てや入浴などを済ませた。一息ついてから、アヴィーとカリーナ、スハイルをディスケの家に送り出す。
「近所迷惑になるから夜中に大騒ぎするんじゃねえぞ。」
「暗くなってきたから、大通りを通って行くんだよー。」
 マルカブとクー・シーに、宿の玄関でそんな風に送り出されて、「はーい!」と二人と一匹は出かけていった。
「・・・ホントに分かってんのか、あいつ等・・・。」
「大丈夫だよー、あれで結構しっかりしてるんだから。それより、マルカブ。子どもたちもいないし、たまにはナンパにでも行ってきたらどうかね?わしが留守番してるからさ。」
 クー・シーの提案に、マルカブは心底迷惑そうな顔で睨みつつ、
「・・・・・・・・・ガキどもに言いつけるつもりじゃないだろうな?」
「さすがのおじいちゃんも、そこまで酷くはないよ。うちのおとーさんは悪い男じゃないからね、恋人が出来ればいいと思ってるのに。」
「・・・お前らしくないこと言うな。」
 クー・シーは曖昧に苦笑しただけだった。・・・お前の為っていうか、姫とエラキスさんのためなんだけどね、と心の中だけで付け加える。彼に恋人でも出来れば、カリーナは初恋を諦めやすくなるし、エラキスが思い出せないことを引け目に感じることも減るのだが。まあ、こればかりは仕方がない。
 クー・シーが曖昧な苦笑を浮かべるだけだったので、からかわれているのではない、とマルカブは判断した。彼が頭を掻いてから、
「・・・まあ、たまには遊びに行くのも・・・」
 と、呟きかけたときだった。
「『アルゴー』の方とお見受けしますが。」
 正面から声が駆けられて、二人はそちらに目を向ける。そこには異国風の装束を身に纏い、二本の刀を腰に差した娘がいる。長い黒髪は光の加減で青く見え、花を象った髪飾りをつけている。
 背はカリーナよりも少し高い程度。小柄な方で、可愛らしい容姿をしている。しかし、やたらと鋭い視線を持っていて、可愛らしいという感想をマルカブもクー・シーも抱けなかった。
 その視線で、娘は二人を見つめ、もう一度「『アルゴー』の方ですか?」と聞く。二人が頷くと、彼女は続けた。
「クジュラ殿から【大将軍の采配】を受け取ったのは、貴方方ですか?」
「・・・そうだが?」
「不躾ですが、お願いがあります。」
 彼女は深く一礼し、
「私はショーグンのオリヒメと申します。どうか、貴方方のギルドに入れて頂けませんでしょうか?」
「「・・・・・・・・・は?」」
「貴方方のギルドに加入する義務が私にはあります。どうか、お願いいたします。」
「・・・なんで?」
「・・・・・・詳しい事情を話すことは出来ません、現段階では。」
 マルカブが下げられたままの頭を見つめて、
「・・・・・・・・・クー爺。」
「なんだね?」
「お前がうちのギルドに入ったときのことを、思い出すんだが。」
「・・・・・・あーーー。そうだ、何かに似てるなって思ったら、数ヶ月前のわしに似てるのかー。」
「・・・なので、関わると、ロクなことがないと思う。」
「そうかね?意外と良い子かもよ?わしに似て!」
「お前に似てたら絶対に御免だよ。」
 マルカブはそう言い、オリヒメと名乗った娘に告げた。
「事情も話せない奴を、二人も置くつもりはない。帰ってくれ。」
「虫のいい話だとはわかっています。ですが・・・。」
 オリヒメは、腰から鞘ごと刀を抜き、宿の前でどっかりと正座をする。刀を、膝の前に揃えて置き、
「了承していただけるまで、帰りません。」
 マルカブを見上げながら、きっぱりと言い切った。
「・・・そんなところに座り込むな。」
「必要なら、土下座もしましょう。泣いてお願いすることも出来ます。公道の真ん中で。」
 目がマジだ、とマルカブは頭を押さえた。クー・シーは感心したように娘を見つめた。
「どうか、ご了承ください。」
 彼女は深々と土下座をし、そのとき探索帰りの冒険者らしい団体が宿に向かってくるのが見えた。娘はおそらく動かないだろう。マルカブは唸ってから、
「・・・話だけは聞いてやる。蝶亭にでも行こう。」
 そう言って、歩きだした。娘はぱっと立ち上がり、そのマルカブの後に続く。クー・シーは「絶対に、おとーさんが根負けするねー。」と呟きながらそれに続く。マルカブは頭を掻きながら、結局ゆっくり休むことも出来なければ夜遊びにも行けやしないんだ、と諦めるように呟いた。


(20章5話に続く)

---------------あとがきのようなもの-------------------

黒ゾディが最初に酒を飲む相手に赤パイを指名してますが、
最終回後は別れて行動するので、初めて一緒に酒を飲む相手は赤パイじゃない。

そんなオトンが泣いちゃう事実を暴露しつつ、真ルートへの道が開きかけております。
そして、「志水の世界樹3話における真のラスボス」への道も、こっそりと拓かれました。

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