まよらなブログ

24章1話。


「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮Ⅲ」妄想話です。


世界樹一作目が発売されて、6年目、と聞いたので
モン爺が、1作・2作目のアゲハの脅威をメタ発言しております。
一作目の「アゲハhage」は志水も経験しました。
二作目は「ここでアゲハだろう!?分かってるよ!
     でも避けたら世界樹をやる意味ないだろう!?」
と、果敢に挑み、アゲハ撃破しました。

そういう点も含めて
今から世界樹シリーズをやるゲーマーでない方には、
三作目か四作目から始めることをおススメしたい。



それでは、興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。


24章1話
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 クジュラにミッションが発動した、と告げられた翌日に、『アルゴー』は元老院に向かい、そのミッションを受けたのだった。ミッションの内容は、以前にも話された転移装置を探してほしい、というもので、グートルーネ姫直々のものだった。
 姫は、海都に昔からある【白亜の森】に転移装置がある、という。【白亜の森】とは姫が今安静に過ごしている王家の森で、平和で聖なるはずの森に見たこともない魔物たちが巣食うようになったらしい。
 「万が一、その海底にある転移装置が【白亜の森】と繋がっていた場合・・・」と姫は不安そうに語る。転移装置を深王たちが見つければ、それを使って【白亜の森】に来ることもある。『ファクト』からの情報で、深王が姫を疑っていることを鑑みれば、その可能性は高い。また、深王が転移装置を使わなかったとしても何かの弾みで起動し、【白亜の森】に魔物が入り込んでいるなら海都の安全面からも無視はできない。それに、それをフカビトに利用されることも考えられた。『アルゴー』は、深都に対する懸念というよりも、魔物やフカビトが海都に入り込む懸念から、そのミッションを受けることにした。自分たちの知り合いや友人、世話になっている人々の安全は守りたい。姫にミッション受領の返事をするマルカブを見ながら、私たち『アルゴー』の動機はいつでも身近な存在から発生するな、とカリーナは考えた。
 受領の返事を聞き笑顔になったグートルーネの傍らで、クジュラが告げた。
「ミッションを受けたことには感謝する。ただし、一つ頼みがある。オリヒメ殿の目的を、俺は信用できない。彼女には宿での待機を頼みたい。」
 『アルゴー』の一番後ろにいたオリヒメは、待機と言うより謹慎のようですが、と呟いた。クジュラは悪びれずに頷いた。
「元老院からの命令とさせてもらう。その目的が、海都に害のないことだと確証を持てたときに、その謹慎を解くことにする。」
「むしろ、私と深都の間に関係がないと証明されたとき・・・ではないでしょうか?」
 オリヒメは問いかけながらも無表情のままで、
「それは、いずれ『アルゴー』が証明してくださるでしょう。私の目的は【魔】の元に辿り着くことです。私と深都にいかなる関係もない、という証明は誰かが【魔】に辿り着くよりも先にされるでしょう。気長に待ちましょう。」
 と、一人で勝手に決めてしまう。スハイルが不満げに「ぴーー!」と鳴いたが、抱かれ心地のいい相手が一人減ることへの不満なので誰も取り扱わなかった。そして、オリヒメの目的はオリヒメだけのものである、とある程度は割り切っている『アルゴー』は、オリヒメが了承した以上それを了解するのだった。

*****

 そういうわけで、『アルゴー』はいつもの5人と一匹で、地下15階を探索中だ。地下15階は落とし穴も多く、16階と行き来をしないと先に進めない。15階の地図も、右下以外はほとんど埋まってきているが、地図上の右下の部分は落とし穴が多く、迷路のようになっている。
「・・・もう、落ちたくない・・・お尻痛い・・・」
 着地する度に尻餅をついているカリーナは、スカートの後ろを押さえながら階段を上がってきた。僕もやだよう、とアヴィーは半泣きだ。飛べるようになったスハイルだけは地面への落下の被害はなく、
「ぴぴ、ぴっよーーーー!!」
 と、得意げに鳴くので、この前まで飛べなかったくせに何を得意になっているんだ・・・!とマルカブに頭を鷲掴みにされた。
「まあまあ。そろそろ落とし穴も出尽くしたと思うがね?」
 と、落下する度に器用に着地を決めるクー・シーは地図を開いて道を確認する。その地図をのぞき込んだディスケが、
「でもさー・・・、下の階でスイッチが檻に囲まれてただろ?あれを押さなきゃ先に進めないよな?」
「そうだねえ。」
「でも、そのスイッチに辿り着く道がない訳よ?檻を開けるスイッチが檻に囲まれてるんだからさ。」
「そうだよねえ?」
「・・・でも、一個だけ道があるんだよなー。」
 ディスケがうんざりと口にすると、カリーナとアヴィーもその一個だけの道を理解して、やっぱりうんざりと顔を歪めた。
「落とし穴から落ちるっていう道がさー。」
「まあ、そうなるねえ。位置的にも、この辺がスイッチの上空になるね。」
 クー・シーは地図を差し示す。カリーナとアヴィーは涙目で、ディスケに聞いた。
「・・・もう一回落ちるの?」
「そうなるなー。」
「僕、嫌だよう。」
「おにーさんも嫌だよー。」
「・・・しょうがねえだろ。あと一回だ、・・・・・・・・・多分。」
 マルカブが言うと、「多分、は余計!」と子ども達に責められた。その様子を見ていたスハイルが、ばたばた飛び回る。
「ぴぴ!ぴぴ!!」
「何だよ。」
「ぴぴ、ぴよぴよ!」
「スハイルが、『ぼくがスイッチを押してくるピヨ!落ちても飛べるから平気ピヨ!』って。」
 クー・シーの通訳にスハイルは「ぴよッ!」と胸を張り、クー・シーの肩にとまって地図を見た後、
「ぴよーーー!!」
 と、おそらく階下のスイッチの真上にあたる場所に向かって、飛んで行ってしまった。
「スハイル!一人で進んだらダメ!」
「危ないよう!」
 カリーナとアヴィーが慌てて追いかける。
「お前らも二人だけで進むなよ!」
 と、マルカブが制止するが、子どもと仔フクロウはすでに曲がり角を曲がっている。うんざりしながらも、それを追おうとしたときに、
「ぴーーーーーッ!!?」
「うわあん!サウロポセイドンに見つかったよう!」
「スハイル!こっちに逃げてきて!」
 曲がり角の向こうからそんな声と、巨大な魔物のズンズン!という足音が聞こえて・・・というよりも振動が伝わってきた。
 なんでこうなんだ、と頭を抱えるマルカブと、お約束だねえ、と髭を撫でるクー・シーと、げらげら笑うディスケと、それぞれではあったが、いずれも剣を鞘から抜き、鎚を腰帯から抜き、肩に担いでいた弩を脇に構えて走り出した。

*****


 悶着があった上、落とし穴があるだろう床にスハイルが乗っても軽さからか作動せず、道を調べようとしたアヴィーのせいで結局落とし穴は作動してしまい、『アルゴー』はもう一度階下へ落ちることになったのだった。
 そうして、どうにか檻を開けるスイッチを作動させ、道を開けて進む。落とし穴の続きの道を抜け、今度こそ階段から地下16階へと降り立った。
「もうちょっとで、転移装置につくのかな・・・」
 道を進みながらカリーナが呟く。魔物は多いが何故か静かな四階層でも、この階は一層静かだった。魔物も息を潜めているためか、周囲に緊張感が漂っている。
「・・・・・・ぴ?」
 ディスケの弩に停まっていたスハイルが、前を見て声を出し、首を伸ばす。
「どうしたー?スハイルー?」
「ぴー。」
 どうやら前に何かあるようだ。アヴィーが目を凝らし、
「扉があるみたい。」
「扉ってドキドキだよね!その先に、何があるのかと思うとね!ドキドキしながら扉を開けたら花畑が広がっていてホッとしたのも束の間、いきなりアゲハが毒を撒いてくるとか、そういう二重のフェイントみたいなイベントが起こるかもしれないし!新米冒険者なら、騙されたー!と思うところだよね!しかし、それもこれも探索の醍醐味だからね!そういうわけで、おじいちゃん、扉を開けちゃうよーー!」
 クー・シーがそう言って駆け出し、スハイルも飛んで着いていった。もう止めるのも面倒なので、仲間たちは放っておいた。すぐに扉が開く音がして、
「・・・・・・・・・、おおい!早くこっちにおいでーー!」
「ぴーーーー!」
「扉の奥に、更にでかい像が付いた謎の扉があるよーーー!」
「ぴーーーーー!」
 と、クー・シーとスハイルが仲間を呼んだ。扉?と残りの四人は呟いて、
「・・・・・・・・・いかにも、その先に何かありそうだよな。」
「いよいよ転移装置じゃねえ?」
「どんな扉だろうね!行ってみようよ!」
「うん!」
 アヴィーとカリーナが駆けだして、マルカブとディスケは急ぎもせずにクー・シーとスハイルのいる小部屋に入っていった。クー・シーが扉を試しに開けようとしている。
 その小部屋の奥に、確かに大きな像のついた扉・・・らしきものがあった。像は、今まで檻を開けるスイッチでもあった像に似ている。蛙のような造形だが珊瑚のような鰭をもつ像は、フカビトを模したものだと思われる。
 クー・シーが扉を押したり、スライドさせようとしたりしているが、扉が全く動かない。クー・シーの肩に停まったスハイルがアヴィーとカリーナを呼び、三人で扉を開けようとし始めた。だが、扉は動かない。扉には取っ手らしきものはない。
「・・・・・・・・・、ふむ・・・開かないねえ。」
「何か、鍵のようなものが必要なのかも・・・」
「この奥に転移装置があるなら・・・困ったね・・・」
「ぴー・・・」
 扉の前で首を傾げる子どもと老人と仔フクロウの背後で、マルカブとディスケは扉ではなくそれについた像を見上げる。ディスケは周囲の壁に描かれた壁画も見ながら、
「・・・もともと、ここは海都のものだったって誰か・・・元老院の婆さんだっけ?言ってたよな・・・。」
「そうだな。フカビトの壁画があるって聞いたら、怒ってたからな。」
「檻を開けるスイッチとかこの像も、どことなくフカビトっぽいよな。つまりさ、この像・・・というか扉は、海都にあったときからここにあったんじゃなくて、この神殿が沈んでからフカビトが作ったんじゃないかと思うわけよ。」
「まあ、そうだろうな。」
「ってことはさ、この奥に、転移装置は無いんじゃないかと思うんだよ。転移装置はもともと海都にあったものだって言ってたから、その前の扉にフカビトの像が付いてるわけがない。もし、転移装置をフカビトが封印するためにこの扉を作ったんなら、おかしな話だと思うんだよな。だって、転移装置を利用してとっとと海都にくればいいんだからさ。だから、この扉はフカビトにとって、もっと重要な、封じておかなきゃいけない場所に通じてるんじゃないかって思うわけ。」
「・・・・・・、もっと重要な、か。」
「まあ、いつか、この奥に来ることもあるかもしれないけど。」
 とディスケは肩を竦めた。マルカブは溜め息混じりに、
「俺はそこまで付き合いたくないけどな。」
「いやいや。元老院の婆さんとかお姫様に頼まれたら、おとーさんは結局付き合っちゃうよー。基本、女性の頼みは断れないだろーよー。」
 ディスケのコメントに、マルカブは返事をしなかった。薄々自覚があるようだ。
 扉を開ける方法がないか、周囲をきょろきょろしていたアヴィーが、
「あ!あっちに別の扉があるよ!先に進んだら、何か分かるかも!」
 と、別の道を指す。
「おお!この開かない扉の鬱憤を、開きそうな扉にぶつけちゃうよーー!!」
「ぴよーー!」
 クー・シーとスハイルが別の扉へ向かい、派手な音を立ててその扉を開ける。
「開いたよー!」
「ぴよーーー!」
「進むよーーーッ!」
「ぴよーーーーッ!」
「あ!おじいちゃんとスハイル、待ってよ!僕も行く!」
 わーい、と扉の奥に進んでいくクー・シー達を、だから勝手に先に進むなよ、とマルカブとディスケが小言を言ってそれを追い、カリーナも慌ててそれを追おうとし、
 一度だけ、像のついた扉を振り返った。思い出すのは、三階層で会ったフカビトの子どものことだ。
「・・・・・・何か、関係してるのかな・・・。」
 そう呟くカリーナの耳に、
「うわーん!【解き放たれし凶獣】がいるよーー!?」
「ぴーーーーッ!?」
 と泣き叫ぶ仲間の声が聞こえてきたので、カリーナも慌てて先へと駆けていった。


(24章2話に続く)

---------------あとがきのようなもの-------------------

4階層の探索の様子をあまり書いてないので、書いてみました。
15階E6付近の話です。
ここの落とし穴と階段の行ったり来たりは、イラっとした(笑)。

なお、この話は真ルートに進むので、そのうち扉を開けに来ます。


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