まよらなブログ

24章2話。


「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮Ⅲ」妄想話です。

いよいよ四層ボス戦に入るのですが、
苦戦した割にはあまり思い出の無いキリン戦なので、
未だにどう書こうか、まったく思いついてません。

・・・・・・モン爺が大活躍してた・・・はずだ・・・(バインドリカバってた。)



それでは、興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。




24章2話
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 地下16階・・・海底神殿を進む『アルゴー』は、前方の扉が僅かに開いているのに気付いた。カリーナが地図と扉を見比べて、
「・・・・・・、この先・・・地図の余白は大きくないよ・・・。多分、ここがこの階の最後の部分になると思う・・・。」
「と、なると、この先に転移装置が」
「・・・、しー!」
 アヴィーが人差し指を立てて、会話を止めた。
「・・・何か、声がする。」
 アヴィーの一言に、全員が耳を澄ます。・・・部屋の中から、人の足音や話し声のようなものが聞こえる。スハイルが目を閉じて、一生懸命耳を澄ましている。聴力がいいスハイルに、ディスケが聞いた。
「スハイル、中に何人ぐらいいそうだ?」
「ぴー?・・・・・・、ぴ・・・、ぴ・・・」
 スハイルは「1・・・、2・・・」と数えた・・・ようだった。そして、しばらく沈黙した後、「ぴよ!」と鳴いた。おしまい!と言った・・・ようだ。ディスケは、スハイルに笑いかけながら頷いて、
「二人だって。」
「・・・二人か。」
 その人数だからこそ、この先に転移装置があるんだろうな、とマルカブが呻く。つまり、・・・この先に深王とオランピアがいる・・・と考えられるのだ。
「・・・進むけど、いいか?」
 それは、戦闘の準備は出来ているか?ということだった。カリーナは地図をしまい、剣を握った。アヴィーは唇を噛みしめて、帽子を被りなおした。ディスケは弩に停まっているスハイルに、自分の肩に停まるように言い、スハイルはぴよぴよ鳴きながら肩まで降りてきた。クー・シーは軽く肩を回す。マルカブは仲間の様子を見てから、扉を広げた。

 ・・・扉の先は、広間だった。もともとは祭祀が行われていた場所なのか、幾何学的な文様の刻まれた円柱が広間の中心を囲むように立っている。奥から足音が、反響してくる。・・・ということは、こちらの音も向こうに反響して聞こえている、と考えていい。
 ・・・隠れて進んでも仕方がない。
 扉を開けた以上は戻れない。そう、広間を突き進んでいく『アルゴー』は、広間の奥から光が漏れていることに気が付いた。ほのかに薄暗い部屋の中、漏れる光に向かって広間を進む。
 広間の奥には更にもう一部屋あり、その部屋の中に微かな光を放つ不思議な装置を発見した。・・・そして、その装置を前にして二人の人影・・・、よく知る深王とオランピアの姿を見つけた。
 二人はその装置を前にしていたが、『アルゴー』の到来に気が付いたのだろう。深王はゆっくりと振り返る。光る転移装置を背にしながら、深王は静かに『アルゴー』に話しかけた。
「・・・卿らには伝えたはずだ。海都の危機、人類の危機を・・・。」
 深王は、驚きを見せない。ゲートキーパーを倒して以来、予想をしていたことでもあるのだろう。驚きは、そこにはない。しかし、失望を隠しもしない。どこかしら諦観すら漂わせている。
 そんな深王を見ながら、カリーナは首を傾げた。
 ・・・・・・、深王様はいつもとあまり、変わらない。
 今の深王が見せる、失望も諦観も『予想していた』様子も、特別なことではないようにカリーナは感じるのだ。それは、いつも、深王が宿している雰囲気だった。
「それを放置するのであれば、我が自らの手でその災いを狩ろう。海都は我が祖国であるのだから・・・」
 そう続けた深王の言葉を聞いて、カリーナは唐突に理解した。彼は100年、失望と諦観の中にいる。それが当たり前の感情になる程・・・彼の一部になるほどに、長い年月を失望と諦観の中にいる。ともに深都に降りてきた同志たちは、すでに無い。アミディスのことを覚えていなかったぐらいだから、今の兵士たちは『味方』と呼べるほど近い存在でもないのだろう。人の身には永い戦いを続ける、孤独と諦観と・・・己の人生への失望。その檻の中にいる。
 だから、己の手だけしか信じられない。人には期待しない。誰かに助けは求めない。誰かを振り返ることもない。災いは自らが刈り取りに行くことを選ぶ。己の幸せを捨てて、自らが刈り取りに行く。それは意志とすら呼べない。自分自身すら、自分の味方でない。この役目を担う者は、他にいないから。それだけの理由で、役目を全うしようとする。
「・・・ダメ!」
 思わず、カリーナは深王に手を伸ばした。伸ばした指先を訝しげに見つめた深王だが、その背後の転移装置が光を放つ。辺りを光が包み、その眩しさがなくなった頃にはもう深王の姿はどこにもなくなっていた。転移装置を使い、ここではない何処かへと転移したのであろう。
 呆気にとられ転移装置を眺める『アルゴー』を、不意に強い殺気が襲う。殺気の元に視線を移す。視界の中心に入ったオランピアが、刃を剥き出しにして戦闘態勢に入っていた。
「・・・あなたたちは深王さまの計画を覆す危険がある。」
 骨格標本を思わせる彼女の体。左腕が、縦に二つに割れた。その間から、長いブレードがせり上がってくる。どこに収納されていたのか不明だが、オランピアの背丈ほどの刃が彼女の腕の一部となった。殺気に当てられながらも、トンボが蛹を割って羽を広げた姿みたいだ、と、アヴィーは場違いな連想をする。
「深王さまは人を排除する考えは持たれてない。・・・けれど、私は違う、危険は排除しないと・・・」
「そ・・・、それでいいの!?」
 カリーナが思わず叫んだ。
「分かっているんじゃないの!?だから、私たちに、あの石を渡したんじゃないの!?このままじゃ、深王様は救われないって分かってるんじゃないの!?」
 オランピアは無感情にカリーナを見つめ、答えずに一歩踏み出した。その人でない体からは恐ろしい刃が伸び、その目は一行を捉えたままゆっくりと近付いてくる。
「オランピア!深王様が味方だって思える相手は、もう、きっと、貴女しかいないんだよ!?」
「・・・味方?」
 オランピアは首を振った。
「・・・違う。私は、機兵。命令を遂行する駒。」
「・・・嘘だよ!何で、そんなことを言うの!?」
 なお、カリーナが言い募ろうとし、そんなカリーナにオランピアは刃の先を彼女に向けて床を蹴った。マルカブがカリーナの肩を掴んで己の背後に隠そうとする動作よりも速く、『アルゴー』の背後から影が一つ飛び出してきた。
 続く音は、金属音。オランピアの刃を、二本の刀で挟むように受け止めているのはクジュラだった。そのうち一本の刀でオランピアの刃を跳ね上げ、もう一本の刀で追撃。狙うは、いきなり首だ。
 オランピアの右肩から、小さなボットが三つ射出された。その一つがクジュラの刀とぶつかると、それぞれが羽を伸ばすように上下に広がった。三連の柵にも見える。クジュラの刀を弾いたそれは、オランピアと接続していないが彼女に寄り添うようについて回る。盾代わりのリフレクターらしい。
 オランピアは首に迫る刀をそうして防いだが、防いだ後に追撃はせずに間を取った。クジュラも無理には攻め込まない。オランピアの右はリフレクターで守られ、左には人の背丈ほどもある高周波ブレードがある。攻め込む隙を互いに探り合いながら、
「・・・コイツの相手は俺に任せろ。」
 クジュラは刀を構えたままで背後の『アルゴー』に目配せした。
「お前たちは先へ行け。深王を姫さまの所に行かせる訳にはいかん。」
 『アルゴー』がわずかに躊躇ったのを見て、彼は視線をオランピアに向けた。 それに、と続ける。
「・・・それに俺はコイツに借りがある。衛兵隊の多くが第二階層で犠牲になったのだからな・・・。」
 だから行け、とクジュラは言った。そこまで言わせて、「しかし」と言えば、それは部下を束ねる『将軍』としてのクジュラの面目も潰すことになる。「でも」と言いそうになるアヴィーの肩を、マルカブは素早く掴んだ。
「・・・おう、任せた。」
「マルカブ、でも・・・!」
「ぴーー!」
 アヴィーだけでなくスハイルまで抗議してくる。マルカブは、有無を言わせずに
「行くぞ。深王を追う。」
 するべき事を伝えた。アヴィーはぐっと頷き、スハイルはディスケを見て、刷り込みの親が何も言わないので押し黙った。
 その様子を見たオランピアが、一歩進み出てきた。
「一人犠牲者が増えただけ・・・。まとめて海の藻屑と化せばいい。」
 普段通り冷静な声でそう告げて、彼女は甲高い不思議な音を奏で始める。歌っているのではない。言葉ではない。彼女の全身が共鳴して、人には出せない音を発する。
 そして、彼女は合図として言葉を発した。
「来い、雷をまといし獣よ!!」
 オランピアの声にあわせ、『アルゴー』の前に恐ろしい雷獣が出現する。 現れたのは四足歩行の魔獣だ。鹿のような体に長い尾、角があり、四足歩行の魔物だが龍のような雰囲気がある。
「・・・・・・・・・麒麟を呼んだだと・・・!?」
 クー・シーが驚きの声を上げた。
「キリンって・・・首が長い動物なんじゃないの・・・?」
 おそらく別の『キリン』を想像したらしいアヴィーがそんなことを聞がくが、詳しく説明する時間はないので無視された。瑞獣としての麒麟の名を知っているマルカブは舌打ちした。何故、この獣なのだろう?麒麟は、仁のある君主が生まれると現れる・・・と言われる獣だ。それを従えるような王だというのか?・・・カリーナやディスケの憤りも理解できなかったくせに?
 麒麟は『アルゴー』を見た。その体の周囲に、パリパリと稲妻が走っている。麒麟が足を踏みならすと、その稲妻は一層強くなるのだ。
 ・・・もはや先に進むにはこの雷獣を退けるほか方法はない。立ちはだかった敵を打ち倒すべく、『アルゴー』も地面を踏みしめた。


(24章3話に続く)

---------------あとがきのようなもの-------------------


海都ルートだと、部屋に入る前に
「人の足音や話し声のようなものが聞こえる」とテキストがでるのに、
部屋に入るとクジュラさんしかいないので、
『「ひそひそう」(FF4)で、元老院のばあちゃんとかと話していた』
・・・という我が家の見解。

そして、クジュラさんの登場シーンがゲームとは若干異なってます。
ゲームよりはオイシイ感じにしてみました。(笑)
クジュラさん、この後にいいシーンがないような気がするので、まあいいや。

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