まよらなブログ

25章2話。


「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮Ⅲ」妄想話です。



この話は世界樹3の話になりますが、
ちょっと志水の世界樹2の話をさせてもらってもいいでしょうか。
ウチの世界樹2には、踏破ギルド(『ヴラスティシ』)と
「おっさん二人がゆるーくクエストを受けてるギルド」がありまして、
そのおっさん二人組のギルドの話に登場するキャラの名前に、
アーサー、フレドリカ、ラクーナ(と偽名で名乗るキャラ)がいるんですが……

先日、『新・世界樹の迷宮』が発表され、キャラの名前を見て「!?」だった訳ですよ。
4人中、3人の名前が被るって「由来元が同じ」だと思うんですが…。
私は、キャラ名にSF小説のキャラや作家から名前をとったので、
「新・世界樹はSF小説が元ネタになってる」説を今のうちに立ち上げておきます。

ちなみに、
フレドリカ:『夏への扉』の登場人物
サイモン :ちょっと自信ないけど、サイモン・ホークが由来か?
アーサー :アーサー・C・クラーク(Cはチャールズだしね)
ラクーナ :ティプトリーJr.の別PNそのものズバリ。
が、元ネタかな、と考えてます。

作家名と登場人物名の違いに、何か仕掛けがあるような気がするし、
フレドリカはやっぱりコールドスリーげふんげふん、
アンドロ系のキャラで「ダニール」が出たりしないかしら・・・
とかいろいろ考えてますが、
主人公は「リック」にしようかなと思ってます、『電気羊~』由来で。


まあ、ずいぶんと一生懸命書いた気がしますが、
海外SF小説を推したい気持ちというよりも
「世界樹界隈、もっとテキスト書きにスポットが当たらないかな。」
という気持ちで、元ネタがSF小説説を推してます。
ちりばめられた小説のネタを、オマージュしやすいのは文字媒体!
テキスト書き、頑張って!(他人事なのか)



長々と書きましたが、
志水の世界樹3話に興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。



25章2話
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「北斗七星のミザールはねえ!重星っていって、一つの星だけどほんとは二つの星からできてるんだよ!望遠鏡でみると二つ見えるんだよ!あとね、連星っていうのがあってね、これはお互いに回り合っててね!星が重なったり離れたりするから、明るさが変わるんだよ!変光星にもいろいろあるんだよ!」
「・・・うん・・・うん、そう、なんだ。」
 マルカブがディスケの家から宿に帰ってくると、妙にテンションの高いアヴィーの一方的な語りといつもよりぼんやりとしたカリーナの相づちが聞こえてきた。宿のロビーにあるソファでアヴィーが本を開き、それをカリーナが眺めている。マルカブの肩にとまって宿までやってきたスハイルが、「ぴぴーぴ!」と椅子に座っているカリーナのところに飛んでいく。
「・・・・・・、あ、スハイル。いらっしゃい。」
 カリーナはスハイルを膝に乗せて頭を撫でてやる。スハイルは機嫌のいい声を出した。アヴィーはマルカブに向かって、やはりテンションの高い声で、
「マルカブ!おかえり!ディスケは元気だった!?」
「おう。まあ、元気だったよ。」
「・・・・・・・・・、あ、おかえり、マルカブ。ディスケは元気だった?」
 カリーナが妙な間を空けながら、アヴィーと同じことを聞いてくるので、マルカブは眉を寄せる。妙にぼんやりしたカリーナと妙にテンションの高いアヴィー。
「・・・お前ら、ちょっとこっち向け。」
 と、言うと、子どもらはマルカブを見た。その頬が赤いのを見て、マルカブは二人の額に手を置いた。
「マルカブ!どうしたの!」
「・・・マルカブの手、ひんやりする・・・」
 アヴィーがなにもおかしくないのに笑い、カリーナは眠そうに目を閉じかけた。マルカブは溜め息をついた。
「・・・・・・お前ら、熱あるだろ。カリーナ、だるそうだな。」
「・・・・・・うん。少し、くらくらする、かも。」
「横になってろ。お前は知らずに我慢するタイプなんだから、無理にアヴィーに付き合うなよ。」
 マルカブはそう言って、片腕一本でカリーナを抱き上げた。カリーナは、うー・・・と唸って、マルカブの肩に擦り寄る。相当具合が悪いらしい。スハイルがマルカブの肩に飛び移り、「ぴぴーぴ!?」と大げさに鳴いた。
 一方のアヴィーは、大げさに驚いた。 
「僕、元気だよう!」
「お前は熱が出てテンション上がってるだけだ!」
「平気だよう!」
「今だけだ!いつも疲れてくるとテンション上がって、その後で急にぐったりするだろうが!ほら、行くぞ!」
 マルカブは腕を伸ばし、アヴィーのことも片腕一本で小脇に抱えた。カリーナは優しく抱っこしてるのに僕のことは犬みたいにして!とアヴィーは文句を言うが、スハイルが「ぴぴぃー、ぴッ!」とアヴィーを叱って黙らせた。
「おや。おとーさん、力持ちだね。」
 騒ぎを聞いてなのか、クー・シーが厨房から顔を出す。口に煮付けらしきイカの足をくわえているので、味見と称してつまみ食いでもしていたのだろう。
「ガキどもに熱が出てる。」
「む!それは大変!!」
「とりあえず部屋にいってるから、診てくれ。・・・それと…お前な、厨房に迷惑かけんなよ。」
 クー・シーがくわえているイカの足を見ながら、マルカブは言い、子ども二人(と仔フクロウ)を抱えて階段を上がっていく。それを見ながら、アヴィーを抱えてる腕がプルプルしてるよ、とクー・シーは口にはしなかった。


*****


「二人そろって、38度5分。熱まで同じなんて、本当に仲良しだね。」
 クー・シーが体温計を見ながら、何故かにこにこし、マルカブは「普通に高熱じゃねえか・・・」と頭を抱えた。
 二人まとめての看病がしやすいので、カリーナは男部屋のマルカブのベッドに寝ている。うー・・・とカリーナは唸った。
「暑いのか・・・寒いのか、わかんない・・・」
「とりあえず、布団被って暖かくしてろ。・・・俺のベッドで悪いな。匂いが気になるかもしれないけど。」
「・・・平気・・・・・・安心、する・・・」
「僕は暑いよう!布団要らないよう!」
「分かった分かった。布団蹴っ飛ばしてもいいから、静かにしてろ。カリーナは頭も痛いって言ってんだ。」
「ぴよッ!ぴぴぃー、ぴっ!!」
「マルカブもスハイルも、カリーナにばっかり優しくして!ずるいよう!」
「お前が騒いでるからだろ。」
「ぴよッ!」
「・・・スハイルも静かにしてろ。」
「ぴ!?」
「カリーナに付いててやってくれ。」
 そう言って、スハイルを静かにさせたマルカブは、ベッドの上でごろごろ転がりながら「僕、元気なのに。」と文句を言うアヴィーの背を、しばらく軽く叩いて大人しくさせた。さすがに手慣れてるねえ、とクー・シーは感心しつつ、氷枕を貰いに部屋から出ていった。


*****



 ・・・・・・・・・後宮の廊下をしずしずと歩く母に追いつけない。母は立ち止まって、振り返って待ってくれるのに、距離がちっとも縮まらない。後宮の廊下は白黒で、窓から見える空は黒かった。母様、待ってて。走りだそうとして、急に階段から落ちる。落ちた先で受け止めてくれたのは、フィデリオだったが、さらに誰かが来るのが分かる。見ないままで祖父だと知って、フィデリオと隠れようと、その手を引くのだが、その右手が潰れていて、ああ、アウグストだけでなくこの人の右手も潰れてしまった、と思うのだ。そうするうちに祖父が近づいてくる。隠れて、フィデリオ。お祖父さまに見つかったら、ひどい目に遭う。でもフィデリオは笑顔のまま動かない。お願い、隠れて。隠れて。見つかっちゃう。そう懇願する自分を、赤い目が見ている。フカビトだ。
 ・・・カリーナは、そこまでで夢を終え、目を覚ました。部屋は薄暗くなっている。もう夕方らしい。その黄昏どきの薄暗さが、カリーナの胸をぎゅっと掴むように哀しくさせた。
 カリーナは体の表面が熱いのに、体の芯は寒くて、身震いをして布団に潜り、でも熱くて布団を剥いだ。そして苦しくてゴロゴロと姿勢を変える。コツコツ、と足音がして、薄手の掛け布だけがカリーナの胸までかけられた。わしわし、と頭が撫でられる。
「熱いか?カリーナ。」
 マルカブの声に、カリーナは目を閉じたまま、うん、と頷いた。マルカブは、カリーナが寝返りを打っている間に移動した氷枕をカリーナの頭の下に入れてやる。ひんやりした感触に、カリーナはほっと息を吐き、目を開けた。
「・・・マルカブ。」
「おう。なんだ?」
 マルカブは返事をしながら、枕元に椅子を持ってきて座る。
「・・・アヴィーは?」
「寝てる。」
 マルカブは傍らのベッドを指した。(アヴィーとカリーナが寝ているベッドの間にマルカブはいる。スハイルは別の椅子の背もたれにとまり、眠っていた。)アヴィーらしき塊は布団にくるまって、ぴくりとも動かない。
「・・・騒ぐだけ騒いだら、ばたっと寝やがった。寝たら起きないんだから、楽でいいよな。」
 お前は眠りが浅くて辛いだろうけど、とマルカブはカリーナの額に張り付いた前髪を分けてやった。カリーナは、ん、と頷き、
「・・・変な夢、見た・・・」
「熱が出ると、変な夢を見るもんな。」
「・・・・・・、なんだか、怖くなる夢だった・・・」
 そう言うと、マルカブは何も言わずに頭を撫できた。カリーナは、ちらりとマルカブを見た。
「・・・眠るまで、頭、撫でてもらってもいい・・・?」
「おう。・・・でも、頭撫でられて眠れるか?」
「うん・・・マルカブになら、平気・・・」
 そう言って目を閉じる。お前はどれだけ俺が好きなんだよ、とマルカブが苦笑するのが聞こえた。どれだけ好きかなんてマルカブは分かってないくせに、といつもは苛立つのだが、苛立てるほどの気力もないカリーナは、うん、と答えるだけだった。頭は優しく撫でられている。マルカブのことだから、寝入った後もしばらく撫でてくれるだろう。
 ・・・夢の続きを見たときも、撫でてくれているだろう。
 そう思えば、母に追いつけないこともフィデリオの右手がアウグストのように潰れていたことも祖父に見つかるかもしれないこともフカビトの目も、夢であっても体験したくないような出来事にも耐えられるような気もした。あんなことは現実に起こらないと理屈っぽく考えるよりも、頭を撫でてくれる手の方が、よっぽど説得力があるのだ。
 ・・・・・・・・・、現実には起こらない?
 ウトウトと眠り掛けながら、カリーナはふと疑問に思った。一つだけ、現実に起こることがある。一番あり得ないような、フカビトの目。あの目が己の内側の恐怖を覗く体験。あの体験をした溶岩の洞窟は、今の自分の体のように熱かった。
 フカビトの子どもと会った洞窟の情景が、ぱっと脳裏によみがえる。溶岩の洞窟。フカビトの子どもがいた小部屋。それを封じる特殊な扉。その扉を開けるオランピア。・・・その扉を開ける、オランピア・・・が持っていた鍵。
 ・・・・・・・・・あの鍵、最近、どこかで。
 カリーナは、ぱっと目を開けた。マルカブが、どうした?と尋ねる。
「マルカブ。クジュラから、貰った、鍵、」
「あ?ああ。あの鍵がどうした?」
「フカビトのいた部屋の鍵だよ。」
 マルカブは一瞬考えてから、あ、と声を出す。
「確かに、あそこは鍵がかかってたな・・・」
「あの鍵を使えば・・・あの部屋に入れるんだ・・・」
 カリーナは天井を見ながら呟いて、それから起き上がろうとし、
「ねえ、マルカブ。私たち、あのフカビトに会った方がいいと思う。だって・・・、海都の話を聞いても深都の話を聞いても・・・なんだか納得できないんだもの。だから、」
 起き上がり掛けたカリーナの額を、マルカブは軽く押し、カリーナは再度横にさせられた。マルカブはカリーナの肩まで布団をかけ直す。
「分かった分かった。その話はお前らの熱が下がってからにしよう。どっちにせよ、お前等もディスケも倒れてちゃ、探索にも行けないんだから。」
「・・・・・・・・・、うん・・・」
 再び頭を撫でられて、カリーナは大人しく頷いた。
 
 

(25章3話に続く)


---------------あとがきのようなもの-------------------


オトンがオカンスキルを発揮中。

子どもたちが風邪を引く話は、最初から書くつもりでいました。
話が進まないので、鍵の件も絡ませました。そして、書きながら志水も風邪を引きました。

しかし、今回は話ではなく、新・世界樹に対する考察(?)の方がメインだと思ってます。


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