まよらなブログ

27章3話。



「世界樹カンケーねえ!」な「世界樹の迷宮Ⅲ」妄想話です。


新世界樹未プレイながら、細かい仕様について聞いてます。
ストーリーとクラシックでギルド名を変えられない、と聞き、
「何考えてんだ、世界樹ーーー!!」(床を拳で叩く)と思いましたので、
クラシックモードのために二本目の購入を検討してます。
一本目の購入もまだなのに、二本目の購入を検討してます。


(ストーリーの立ち位置って、
 正伝の裏っていうか、「一方その頃」の話だと思うんですよね。
 なので、同じギルド名でやってたまるか、という、こだわりですよね。
 こだわった結果、二本売れるなら、
 志水も納得・売上げによって民事再(規制)してメーカーもハッピー、
 あれこれ文句言ったり心配するより、建設的だと思うんですけどねー)



・・・・・・あれ?
でも、ストーリとクラシック、
どっちも同じソフトでやらないと図鑑埋まんないかもしれない・・・?



それでは、興味のある方は「つづきを表示」からどうぞ。



27章3話
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 迎えに来た、というフロレアルだったが、カリーナにそれ以上歩み寄ろうとはしなかった。桟橋の先に立っているカリーナは追いつめられているようにも見えたが、海に飛び込んで逃げることも出来た。アーモロードにいる間に、海は行き止まりではなく道である(それこそ360度どこへでも!)とカリーナは学んでいた。今日のような天候で、しかも港であれば、海は波もなく穏やかだ。飛び込んで溺れるとは考えられない。
 フロレアルの手には、杖の先に刃の付いた武器がある。町中で戦う気もないだろうから、護身用だろう。しかし、戦いになれば、カリーナも簡単に負ける気はない。
 海に逃げるにせよ、正面突破をするせよ、逃げることはまったくの不可能ではない。騒ぎにマルカブが気が付けば、すぐに駆けつけてくる。騒ぎに港の人間が気が付けば、フロレアルは捕らえられるだろう。その時間を稼ぐことは難しいことではない。
 冷静になって観察すると、しかし、フロレアルはカリーナが逃げるとは思っていないようだった。むしろ、逃げても構わない、というようでもあった。そして、どこかで自分を見守っているであろうリョウガンが何も反応しない。フロレアルには戦意も無いしカリーナを害する気もない、リョウガンもそう判断しているのだ。
 カリーナは、鮫の歯のペンダントから手を離し、フロレアルに向き直った。ちらりとミアプラドゥス号を見る。出来るだけ、騒ぎは起こさないようにしよう、と思い、視線をフロレアルに移した。
「・・・貴女が、迎えなんですか?」
「はい。セイリアス様から勅命を賜りました。」
「・・・一人で?」
「今は一人です。姫のお返事を聞いた後に、迎えの船を呼びます。そこには乗組員と護衛の騎士がおりますが。」
 カリーナは冷たく笑った。
「私の返事を聞く気があると?」
「―― 説得、誘導、恫喝、甘言。姫の返事を、私が聞きたい内容にする方法は幾つかありますし、その方法を取らせていただくことはやぶさかではありありません。」
 フロレアルは淡々と続ける。実直な騎士団長やその跡継ぎであるアウグストだったらそんなことは言わないだろう、とカリーナは思ったが、フロレアルの発言に傷つくこともなければ、それを不快に感じることもなかった。まあ当然だろう、という認識だ。
「いずれにせよ、姫はお帰りになられるでしょう。私が、直接的にせよ間接的にせよ何らかの手段の講じた結果であっても、姫自身がそうお決めになられます。」
「・・・随分と自信があるようですね。」
「自信ではありません。覚悟です。勅命を何としても果たすという。ですが、必要はなかったようです。もう、決めていらっしゃるようですから。」
 クー・シーが話したのか、とカリーナは聞きそうになったが、それを聞くこと自体が「自分が決めている」と認めることになるので止める。決めてはいたが、今は困る、というのが正確なところだ。
「・・・・・・、セイリアス様のお加減はどうなんですか。」
 時間の猶予があるのか、その確認をしたい。侍医である彼女がここにいること自体、異常だとは感じる。もしかして、もう医療ではどうにもならない状態にまで進んでいるのかもしれない。・・・いや、医療が永遠に必要ない段階にいるのなら・・・。
「・・・今すぐ、ということはありませんが、時間は十分とは言えません。」
 その時間が『生きる』時間だとは言わなくても、分かる。
「姫がご決心をなさるお時間ぐらいならば、セイリアス様も許されると思います。」
「・・・はっきり答えて。」
 カリーナは普段の口調に戻り、両手を合わせて考えながら問いかけた。
「私が、時間がほしいと思ってるのは本当。今、『アルゴー』は大切なことを頼まれている。それを達成するまで、待っていてほしいのは事実。でも・・・、クー・シーとツィーがセイリアス様と会う時間も必要だと思う。本当なら、今すぐ国に帰すべきなんだろうけど・・・、『アルゴー』のこともエラキスさんのことも、二人は放っておかないだろうから・・・、本当に緊急の場合なら、私が二人に命じて国に帰ってもらう。」
 フロレアルは少し驚いた風を見せた。だが、質問にだけに彼女は答えた。
「医者の・・・つまり私の見立てでは、余命2ヶ月、というところですが、セイリアス様のことですから、さらに3ヶ月は生きると思います。よって、5ヶ月が、残された時間だと考えます。」
「・・・随分と、ざっくばらんな余命宣告だね・・・」
 カリーナは呆れた様子で呟いてから、指を頬に当てて考える姿勢を作った。自分は、兄に対して思い入れがないから、『アルゴー』としての時間を考える。けれど、クー・シーはセイリアスと限られた時間を過ごしたいだろうから、彼の立場も考える。そして、目の前の女性のことも考える。
「2ヶ月は見てもいいってことだろうけど・・・。あなたも本当はここにいる場合じゃないだろうし・・。」
 フロレアルの頬が微かにひきつったのを、目敏くカリーナは見つけたが、それを指摘するほど彼女は冷酷でもなければ馬鹿正直でもなかった。指摘はせずに考える。妥協の結果でしかないかもしれない。けれど、フロレアルも含めた全員が「これでよし」と思えるギリギリの線を引けるか、と。
「・・・・・・そうだな・・・。」
 頭の中で樹海の地図を描く。せめて、【白亜の供物】を姫に届けるまでは『アルゴー』から離脱は出来ない。仲間たちのためにも、クー・シーを離脱させたくない。エラキスのことでマルカブが動揺している今、彼をさらに動揺させるようなことはしたくない。そして、自分が心の準備を出来る時間もほしい。けれど、クー・シーやツィーの帰還が手遅れになってはいけない。彼らに後悔させてはいけない。
「・・・・・・・・・、一ヶ月・・・ううん、三週間。待ってほしい。」
「・・・お気づきになられたように、私もここにいる場合ではないのです。」
「ええ。分かってます。でも、私はここに居たいんです。」
 カリーナは腰に手を当て、フロレアルを睨みつけた。
「姫である私が、先に譲歩しました。臣下の貴女が聞き入れなさい。」
 フロレアルは心の中だけで舌打ちをした。彼女から答えを引き出すつもりでいたが、まんまと彼女の意見を聞き入れるはめになった。彼女からほしい答えを引き出すための方法はいくつもあったが、フロレアルが持っていないものをカリーナは持っている。王族という権威だ。その権威者に譲歩をさせた、という状態は、それ以上の己の意見は推しにくい。
「分かりました。」
 フロレアルは表情を変えずに頷いた。
「3週間、お待ちしましょう。その日を目処に、迎えの船を呼びます。」
「・・・ええ。」
 頷くカリーナだが、それに抵抗がなかったわけではない。だが、自分が言った以上、撤回は出来ない。
 フロレアルはじっとカリーナを見つめた。彼女の瞳から軽蔑の色は消え、代わりに疑問が浮かんだことにカリーナは気づく。
「・・・何か?」
「姫が何を思って、帰国を決意されていたのか、興味を持ちました。」
「・・・クー・シーとリョウガンとツィー以外に教える気はありませんが、」
 カリーナはきっとフロレアルを睨みつけた。
「あなたにだけは絶対に教えない。」
 つまらない意地だな、とカリーナは思いながらも宣言した。これではマルカブとシェリアクのことを「大人げない」なんて言えやしない。
「そうですか。」
 フロレアルも答えを聞き出す気はないらしく、頷いた。
「セイリアス様にはお伝えくださることを、臣下として期待はしておきます。あなたはあの御方から王位を継ぐのですし、二度しか話したことのない兄妹だからこそ、残された時間で大切な話をしてほしいと、勝手ながら思っております。」
「・・・二度?」
 カリーナは意外そうに首を傾げた。
「一度、でしょう。私が国外追放を命じられた、あの時だけのはずです。私の記憶がないほど幼い頃なら、セイリアス様と私が話すなど、まだ生きていたお祖父様が許さなかったはずですから。」
「・・・話した、というには一方的ではあるかと思いますが、」
 フロレアルはふっと表情を緩めて囁くように告げる。手の中の宝物をそっと見つめるような、その視線。
「・・・、二度、です、カリーナエ様。貴女が、あの方に声をかけられたのは、二度、です。」
 『あの方』と呼ぶ、その響きの意味を、カリーナは敏感に感じ取る。この人は国王が好きなのだ。そう思うと、少し好感が持てるような気もしてくる。・・・それは、結ばれることのない相手を想う、という親近感ではあったが。
「貴女が、」
 フロレアルは続けて、カリーナは我に返った。
「母君の胎内にいるときに、セイリアス様は貴女に声を掛けた、と。」
「・・・セイリアス様は母様とお会いしたことがあるの・・・?」
「前国王陛下が崩御されたときに、貴女の母君から父王の言葉を聞き、そして貴女をお産みになる決意も聞いた、と。そう、セイリアス様は仰っていました。・・・、その時に、セイリアス様も決意なさった。せめて、新たな命が生まれてこようと思えない、そんな国にはしたくはない、貴女が生まれてこなければ良かったと思わぬように全力は尽くしたい、と。セイリアス様が、貴女に対して何かが出来たわけではありませんが、・・・幼い政敵の命を奪わなかった。それは、セイリアス様のご意思です。」
 カリーナは立ちすくんだ。ならば何故、どうして、国外追放を命じたあの時に、そのことを言ってくれなかったのか。そうすれば、ツィーから王の容態を聞いたときに、帰らなくては、と思ったのかもしれないのに。母以外に自分を気に掛けてくれる人間がいない、なんて思わずに済んでいたかもしれないのに。「兄様」と呼ぶことも出来たかもしれないのに。
「・・・今更かもしれませんが、貴女が決意したこともセイリアス様にお伝えしてほしいのです。セイリアス様は、決意と約束を胎児であった貴女と母君にお伝えしたのですから。」
「・・・本当に、今更だよ・・・。」
 カリーナはスカートを掴み、その拳を握りしめて、呻いた。
「もっと早く、教えてほしかった・・・!今更、『兄様』なんて呼べないよ・・・。」
「そう、ですか。」
 フロレアルは淡々と相づちを打つだけだった。カリーナは、うー、と唸った後に、世界樹を見つめ、一度鼻を擦ってから、フロレアルに告げた。
「・・・フロレアル。」
 口調はもう一度姫君のものに戻る。切り替えの速さに、フロレアルは感心してカリーナを見つめた。けれど、カリーナの瞳には涙も浮かんでいることに気が付き、切り替えきれてないことにも気づく。それでも気丈に口を開くカリーナに、フロレアルは再度感心する一方で、
(・・・・・・、それは全て、この街で育てられたこと。)
 そうも感じるのだ。ろくでもない故国は、この姫君を育まず、何も与えない。
「三週間で私は国に帰ります。でも、その三週間は、この町にいます。その間に、必ず、グートルーネ様と深王様を元の仲の良い兄妹に戻します。二人が元に戻れたら・・・」
 私もセイリアス様と『兄妹』になれることを信じます、と、そう告げた。



(27章4話に続く)


---------------あとがきのようなもの-------------------

この話、3章のころから書くことを決めてたのに、
うまく書けなかったなあ・・・・・・


しょんぼり・・・・・・・

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